ANAやJALなどのフルサービスキャリアが加盟するアライアンスではその共同事業体(JV)のような存在で、アライアンス・ラウンジと言うものがあります。
アライアンスの上級会員となればこうした稀有なラウンジの利用ができます。アライアンス・ラウンジとはどういうものかまとめてみました。
世界のアライアンス
航空会社連合(アライアンス)は色々な定義がありますが、個別にその基準やアライアンスの定義を行い、ブランドとして確立されている連合とすると下記のとおりです。
スターアライアンス
ワンワールド
スカイチーム
となります。スターアライアンスはANAが加盟し、ワンワールドはJALが加盟しています。スカイチームは日本の航空会社(スカイマークやスターフライヤー、エアドゥなど)は加盟していません。
また、こうしたアライアンスは、LCC(格安航空会社)は加盟しておらず、フルサービスキャリアとして世界各地に利用者を安心して、快適に届けることが目的の一つとなっています。
空港ラウンジとは
空港ラウンジとは航空会社の上級クラス(ファーストクラス、ビジネスクラス、まれにプレミアムエコノミーも)を利用する場合、または各航空会社の上級会員(ダイヤモンド会員、プラチナ会員など)がエコノミークラスでも利用できる搭乗までの待ち時間を快適に過ごせる施設であります。
夜の銀座などにあるラウンジと異なり、チャージ料やドリンク料などはかからないため、夜に海外に出発する場合でも、朝からラウンジに行き、食べると飲むを繰り返すことが可能なため、海外に行くよりもラウンジを利用することを目的にする人も中にはいます。
強者のダイヤモンド会員なると、日本から最短の海外路線の一つである羽田=金浦間の最安エコノミー(3万円程度)を購入し、朝からラウンジに居座り、夜8時の便で金浦に行くまでラウンジ漬けになる人もいるようです。
冷静に考えると時間の消費と健康への影響が考えられ、何が良いのかわかりませんが、そうした人には楽しいのかもしれません。
アライアンス・ラウンジとは
一般的に国際線の空港では、その空港をハブとする航空会社が自社の上級クラスまたは上級会員向けに提供するラウンジを設置します。
日本では羽田や成田にANAがANAラウンジ、JALがサクララウンジを設置しているのは有名です。海外に行くと、サンフランシスコではハブとするユナイテッド航空がユナイテッドクラブや国際線プレミアムラウンジのポラリスラウンジを運営しています。
ドイツでは地元のルフトハンザドイツ航空が上級会員向けに「セネターラウンジ」と「ビジネスラウンジ」と「ファーストクラスラウンジ」を提供しています。
個人的には、いつになってもセネターとビジネスの差がわからず、どっちを利用してもあまり変わらなく、あの差は何なのか知りたいところです。
以上のように各地域で幅を効かせているキャリアがそのブランド名でラウンジを運営し、同盟関係にある航空会社はそのラウンジを利用できると言うのが常です。
しかし、アライアンスに加盟する航空会社がハブとしない大空港では、アウェイ感を極力感じさせないためか、アライアンス名を名乗ったラウンジが存在します。
それがアライアンス・ラウンジであります。
各アライアンスのラウンジ一覧
前述のとおり、機内食の提供や悪天候時変更対応をしてくれるフルサービスキャリアが加盟するアライアンスは3極となっています。
しかし、アライアンスを名乗ったラウンジを提供しているのはスターアライアンスとスカイチームであり、ワンワールドは聞いたことがありません。
ワンワールド間で共通した上級会員は3段構造(ルビー、サファイア、エメラルド)であるため、その構造を利用し、各社のラウンジをファーストクラスラウンジとビジネスクラスラウンジに振り返ることができるため、あえて、アライアンス名のラウンジがないのかもしれません。
スターアライアンスとスカイチームは自連盟の上客である「スターアライアンスゴールドメンバー」と「エリートプラス・メンバー」に対しては、アライアンスがアウェイとなる空港では一致団結とも言えるアライアンスを名乗ったラウンジがあります。
スターアライアンスのアライアンス・ラウンジ
スターアライアンスは地球で最大のアライアンスであり、加盟航空会社は26社となります。オーストラリアには直接ハブ空港はないですが、ニュージーランドをそれとみなすと、世界5大陸の地域にハブを持つ航空会社が加盟し、設立が最も早く、世界最強の航空会社アライアンスとなっています。
スターアライアンスがスターアライアンスと名乗っているラウンジは下記のとおりです。
アムステルダム
ローマ
ロサンゼルス
リオデジャネイロ
サンパウロ
ブエノスアイレス
パリ
名古屋
となっています。傾向として他のアライアンスの強力なハブであるか、スターアライアンス各社が就航している空港が多いようです。
個人的にはロサンゼルス、サンパウロ、ブエノスアイレス、パリを利用したことがありますが。その地域のラウンジ運営に根差していると考えられます。他社のハブ空港で大きいところとしてはヒースロー空港が有名ですが、ユナイテッドのラウンジである「ユナイテッドクラブ」が大きく、その役割をしているかもしれません。
アライアンス・ラウンジはグローバルスタンダードと思える設備が用意されていますが、食事やドリンクは現地の運営会社のレベルによるため、期待できないところがあります。
スカイチームのアライアンス・ラウンジ
スカイチームは最も後発なアライアンスであり、日本の航空会社が加盟していないため、縁が薄いですが、実力はワンワールド以上であり、世界中色々な場所に行くとなれば、利用する価値はあります。
スカイチームはスターアライアンスに追いつけ、追い越せなのかその路線を追いかけており、加盟するアライアンスと就航都市を意識しています。
その目標が妥当なのか、使いやすいアライアンスとしてはスターアライアンスの次になっているようです。
そうしたスカイチームがその名前で手掛けるラウンジは下記のとおりです。
イスタンブール(2020年予定)
北京
バンクーバー
ドバイ
香港
シドニー
ロンドン
であります。
ワンワールドのハブ空港に設置されているのが多いように感じます。いずれも大空港であり、大きさも約800~1,600㎡であり、大きいラウンジが多いようです。
スカイチームの利用者がボリュームがあり、世界的には大きなアライアンスであることがわかります。
最後に
ANAやJALで上級会員を獲得すると、その特典を利用してみたくなります。その中でラウンジがどの程度、利用できるのか気になります。
JALはワンワールドに加盟しており、ワンワールドにはアライアンスラウンジがないため、シンガポールやサンフランシスコ、フランクフルト、パリなど他のアライアンスがない場所では困るように思えるかもしれませんが、JAL自身が海外で自営しているところもあり、ラウンジにおけるANAとJALの差は少ないと言えます。
後は、各アライアンスの相性を見極めて、自分に合った良い選択をして行くことがマイルも貯まり、ステータスポイントを積み上げることとなります。
あるいは、ダブルステータスを確保するとラウンジの良さの比較やステタース確保など知見が得られていいかもしれません。
飛行機旅に才覚があるようであれば、アライアンスと言うものを吟味しても損はないでしょう。