クアラルンプールにてマイル修行をされる方には見慣れた景色ですが、今回は初めて昼便のスタッガードシートで羽田に帰りましたので、お伝えします。
日系では唯一の午後発のANA886便
クアラルンプールからの日本への直行便では、クアラルンプールを午後に出発するフライトはANAとエアアジアのみであり、日系ではANAのみとなります。午後発ということもあり、クアラルンプール市内のホテルをAM11時過ぎにチェックアウトしても、十分に余裕な時間があり、ホテルで朝食、機内で昼食と到着前の軽食が堪能できると思います。また、羽田便は日本人需要が多いのですが、羽田着が夜10時過ぎのため、全国の需要は意外と少ないほか、成田便と違ってユナイテッドとのコードシェア金持ち乗客とのバッティングも少ないため、ビジネスクラスアップグレードも早朝初のNH816便よりも体感的に取りやすい感じがします。
クアラルンプールの不穏なラウンジ組合せ
ビジネスクラス搭乗やANA上級会員の場合、ラウンジは独立系のプラザプレミアムラウンジでした。クアラルンプール空港内には、スターアライアンスのラウンジはタイ国際航空とシンガポール航空がありますが、時間帯やキャパシティの問題もあり、独立系を利用したことは何となくわかります。しかし、2018年3月からなぜか、アライアンスとしては敵となるマレーシア航空のゴールデンラウンジが指定となっています。
一方、JALは以前、ワンワールド加盟のマレーシア航空のゴールデンラウンジが指定ラウンジでしたが、2018年6月より、独立系のプラザ・プレミア・ファーストラウンジに変更されています。同じワンワールド加盟のキャセイパシフィック航空のラウンジも利用できます。
単純にアライアンス的に言うとねじれ現象でありますが、近年のアジアにおけるJALの提携関係の変化やANAのスカイチームキャリアとの提携を考えるとマレーシア航空の動向が気になります。NHとMHは似ていますので、日本路線はNHにしてしまうとかというサプライズもあるかもしれません。
ビジネスクラス搭乗記
記憶に刻み込まれる導線
ANAのクアラルンプール便再就航は近年ですが、そのコスパの良さからシンガポール修行よりも印象的であります。特に、KLIAエクスプレスで放映されている動画は定期的に繰り返され、サブリミナル効果のように覚えてしまい、同じ行動パターンを繰り返すと修行する人には独特の記憶が形成されます。なかでも、出国審査後にある巨大なモデルプレーンはあまり変化がありませんが、眺めてしまいます。
2018年の刺激的変化のゴールデンラウンジ
ANAのクアラルンプール修行と言えば、プラザプレミアラウンジが定番でしたが、2018年3月からはマレーシア航空のフラッグシップラウンジの「ゴールデンラウンジ」に変更となり、いい刺激と言えます。ただし、同ラウンジは早朝に行くとオープンしているサービスは少なく、昼便の搭乗ではバーカウンターも空いており、ワインやスパークリングワインも楽しめます。この辺もやはり昼便の方がメリットは有ると言えます。
自動的に割れ振られた1A
予約してから座席指定を試みても窓側が空いておらず、オンラインチェックイン時間まで待つと自動的に1Aが割り振られていました。VIPの搭乗がなかったのか、偶然かわかりませんが、ダイヤモンド会員のメリットもこういうところにもありそうです。
1Aは機体最前方で且つシートが窓側に面しているため、静かと言う反面、CAさんのギャレイとの往復がうるさいという意見もありますが、一番CAさんが通過する場所であり、且つ一番先に目につく場所でもあり、ドリンクのおかわりなどではアドバンテージがあると思います。また、スペース的にもモニター上に独自のスペースがあるため、食事の際はベッドパッドなどの寝具を置いておくことができ、スペースを広く利用することができます。賛否両論ありますが、メリットの方が大きいと思います。
離陸
緑茶かグァバジュースかのノンアルドリンクのウェルカムドリンクがもてなされ、離陸となります。結構、シャンパンorスパークリングワインを提供している中で、お酒による迷惑行為によるクアラルンプール引き帰しを考慮してなのか、日本に到着して対応できるように少しでもアルコールの提供を遅らせているのかもしれません。
シンガポールと違い、離陸はいつもスムースです。ゲートから滑走路までの距離は長いですが、離陸は意外と早いです。離陸すると大抵、右側ターンをしてクアラルンプール市内は観ることができません。途中にラグーン地帯も見えますが、あっという間に雲上に移動してしまいます。
機内食
夏場なのか、積乱雲だらけで景色にも飽きてくるとドリンクとアミューズからスタートします。アミューズは
海老のマリネ
マンゴーサルサ
チーズグリッシーニ
チキンサテ カクテルソース
早朝便や深夜便ではカットされることも多いですが、昼便では、あられではなく、生鮮品からスタートします。夏ということもあり、冷たいシュワシュワなシャンパンからスタートします。アルコールの食欲の刺激により、アミューズはすぐに平らげてしまいます。
シャンパンのおかわりも間もなく、コースがスタートし、前菜が提供されます。
前菜は
スモークサーモンの薔薇仕立て
鴨の燻製
ドライトマトとクリームチーズのロール
スターアライアンスにおいて5スターを獲得しているエアラインの前菜からするとボリュームにおいてはやや少なさを感じますが、メインディッシュへの誘いと解釈し、ドリンクを進めます。
メインディッシュは魚か鶏肉か牛肉の選択肢がありますが、牛肉にしてみました。牛肉は複雑な食材で、鮮度と熟成と調理方法で七変化し、地上で食べた方が味わいもコスパもよいですが、高度1万メートルでも牛肉として味わうことができます。ただし、ANAの場合、牛肉の提供パターンがどの路線でもほとんど同一であり、採算重視なのか、品質維持なのかわかりませんが、牛肉ステーキにおいても選択肢が増えた方が楽しみは増えると思います。
デザートはフルーツとチーズとドライフルーツの盛り合わせを選択。食後はコアントローを飲み、まったりとした時間を過ごします。朝便では、こうした洋酒を配るサービスはないため、昼便の方が良いと言えます。
到着前に
沖縄付近を通過しだし、到着前の食事をオーダー。「チキンベジタブルカレー」を選択。
メインの食事の後のメニューは軽食中心の選択であり、選択肢がある一方で、単品の注文傾向のほか、レトルト食品が多いため、何となく物足りなさも感じますが、麺類、カレーなど食欲を誘うものが多く、何とも言えない演出と言えます。今日最後のドリンクは白ワインと緑茶にてしめます。
最後に
海外の航空会社では、4,000マイル弱のフライトの場合、離陸後と到着前にコース料理が提供されることが多いですが、東南アジア路線では、コース料理は一食のみとなっており、昔と比較するとシンプルですが、昼便に関しては起きている時間が多いため、機内食を楽しむ時間が多いと言えます。やっぱり昼便の方がビジネスクラスは楽しいですね。