2023年7月18日から提携開始したヴァージン・オーストラリア航空ついて同社やマイル積算率をまとめてみました。
ヴァージン・オーストラリアとの提携開始
2023年7月18日、 ヴァージン・オーストラリアとANAはコードシェア提携を大幅に拡大することを発表しましています。
ヴァージン・オーストラリアのマイレージサービスであるベロシティ・フリークエント・フライヤーの会員は、日本、アジア、北米、ヨーロッパを含む世界130都市以上のANA運航便を利用時に、ポイントおよびステータス・クレジットを獲得することが可能となっています。
また、今回初めて、virginaustralia.comでオーストラリア-日本間のANA運航便の航空券を予約できるようになっています。これで国内線がANAサイトより安くなったりすると結構おいしいかもしれません。国際線扱いにはなってしまうと思いますが。
今回の発表は先月、ヴァージン・オーストラリア航空がケアンズ-東京(羽田)線に就航したことに続く発表であり、ANAとの提携により、札幌、福岡、広島、大阪-伊丹、高知、大阪-関西、熊本、名古屋、長崎、大分、沖縄、宮崎を含む日本国内12路線で特典が受けられるようにもなるようです。(VA側の特典)
上記にあるヴァージン・オーストラリア航空がケアンズ-東京(羽田)線はANAとのコードシェア便も設定されており、スケジュールは下記のとおりです。
NH6417 羽田 21:45 → ケアンズ 6:15+1
NH6416 ケアンズ 13:15 → 羽田 20:00
行きは夜行便、帰りは昼便であり、しかも午後発なので、ケアンズ滞在であれば、出発当日は朝早く起きることもなさそうです。
ヴァージン・オーストラリアとは
ヴァージン・オーストラリア(Virgin Australia、VA)は、オーストラリアの航空会社です。かつてはヴァージン・ブルー(Virgin Blue)として知られていましたが、2011年に名称を変更しています。同社は、オーストラリアを拠点に同国内線および国際線の定期便を運航しています。
ヴァージン・オーストラリアは、主要な都市や観光地を結ぶ路線を提供しており、顧客に快適な旅行体験を提供することに力を入れています。また、エコノミークラスやビジネスクラスなど、さまざまな座席クラスを提供しています。
2020年、新コロの影響によりヴァージン・オーストラリアは経営困難に直面し、倒産手続きを開始しました。その後、米国の投資会社であるベインキャピタルが買収し、再建を進めました。しかし、時代は国際線が飛ばせる時代ではなく、大型機材を退役させたりして、ドメ専でしのいでなんとか現在に至り、羽田への路線就航までこぎつけています。
現在保有の機材はボーイング737ファミリー(700,800,MAX8)のみとなっており、LCCのようなシンプルな構成となっています。以前はエアバスA330やボーイング777-300ERも保有していましたが。
ネットワークでは国内線はオーストラリア国内各地はカンタス航空並みにあるのはもちろんですが、国際線では下記の国の都市に就航(予定)しています。
ニュージーランド クイーンズタウン(SYD,MEL)
インドネシア デンパサール(SYD,MEL,ADL,OOL※)
日本 羽田(CNS)
サモア アピア(SYD)
フィジー ナンディ(SYD,MEL,BNE)
バヌアツ ポートヴィラ(BNE)
※OOLはゴールドコースト
ニュージーランドではクイーンズタウンがあり、フィジーやサモア、バヌアツも有り、これまではマイル積算がないルートでもシドニー経由などで積算されるとなるとモチベーションは上がりそうであります。
マイル積算率
さて、一番重要とも言えるANAマイレージクラブのマイル積算率でありますが、前提を一覧にしておきます。
ヴァージンオーストラリア便名×同運航便 積算可
ANA便名×ヴァージンオーストラリア運航便 積算可※
ANAプレミアムポイント×VA運航便 積算不可
ANAグループ便ご搭乗時の各種ボーナスマイル 積算不可
※積算は運航便であるヴァージンオーストラリアの予約クラスに基づく
ということで、同じくANAマイレージクラブの提携航空会社であるベトナム航空やガルーダインドネシア航空とは異なり、ANAとコードシェアをしている以外の便名でもヴァージンオーストラリアとして積算されるのは自由度が広くなり、広いオーストラリアの国内線でもマイルが積算されるのは良いと言えます。ここは、ヴァージンオーストラリアが三大アライアンスに加盟していないと言う旨味とも言えます。
ただ、スターアライアンスの壁は超えられないのであり、プレミアムポイントは積算されません。一方でヴァージンオーストラリア側のマイレージプログラムではステータス・クレジットが積算されるので、非アライアンス加盟の自由かもしれません。
そして、予約クラス一覧は下記のとおりです。
クラス | 予約クラス | 積算率 |
---|---|---|
ビジネス | J,C,D | 150% |
エコノミー | Y, B, W, H, K, L | 100% |
R, E, O, N, V | 70% | |
P, Q, T, I, S | 50% | |
G | 50% | |
M | 30% |
ビジネスクラスはハイソなJ,C,Dが150%であり、この辺りはANA運航便の国際線(HND=SYD)と平仄が合いそうであります。一方でエコノミークラスはY,Bこそ、平仄が合いますが、Mが30%であったり、ANAのプレミアムエコノミーで使われているGが50%、Eが70%などとかなりカオスであります。
もちろん、これはANAサイトでチケットを発券したとしても、実際にVA便に搭乗する場合にクラスがすり替わっているケースも有るので杞憂かもしれませんが。
最後に
オセアニアはカンタス+ワンワールド(日本で言うとJAL)が強いというのは承知の上で、前世紀からオーストラリア路線に挑戦しているANAでありますが、本線(HND=SYD)はそこそこ成り立っているのか、手指を何とかしているのかもしれません。かつてのアンセットのような立ち位置にあるヴァージンオーストラリアを取り込み、改善を図るのかもしれません。
もしかしたら、スターアライアンス加盟までに取り込むとワンワールドを追い越すまでは行きませんが、意外とオーストラリアを深堀でき、日本在住者のマイル修行者にとっては、修行以外にも旅の楽しみと言う選択肢が出来て良いかもしれません。まあ、SQとかは面白くなく、アライアンス内で過当競争とかあるかもしれませんが。この世はでっかい宝島とも言えます。