ANAの特典航空券の一つであるスターアライアンス世界一周特典航空券を利用して、マイルを少なく、片道チケットのよう使える方法を考えてみました。
ANAの特典航空券は往復
ANAマイレージクラブの特典航空券は基本的に往復であります。そのため、北米や欧州にビジネスクラスで行こうとすると往復となるため、必要なマイル数が結構かさみます。
以前は、往路は日本から欧州、復路はソウルから羽田という不規則な往復発券もできましたが、数年前からゾーン制が採用されて、ほぼ同じエリアでの往復がほとんどとなっています。
他社(JALやデルタなど)が片道発券で利用できるため、消費するマイル数を少なくして、海外の安い発券地まで行き、そこからマイル修行をすると言ったことができるのですが、ANAはその辺が厳しいと言えます。
難易度が高いマイレージサービスの方が上級会員は少なく、より良質なサービスを受けられるものでありますが、日本国内線優遇と法人営業優遇のせいか、色々な最上級会員もいるものです。
スターアライアンス世界一周特典
スターアライアンス加盟各社では世界一周特典を用意しているところも多く、ANAでも用意しています。
絶対なルールとしては下記のとおりです。
出発国(欧州は指定された欧州国内)に戻る
期間は最低10日間、最長1年間
太平洋と大西洋をまたぐフライト利用
途中降機数は最大8回
フライトの上限数は12フライト
最大4区間の地上移動
必要マイル数はフライトマイルの合計
ユナイテッドなどの日本国内特典のように決まったマイルで多くの区間を利用できるわけではなく、フライトの合計数で必要マイルが決まります。
つまり、フライト数が少なく、マイル数が少なくて、最低10日間以上、太平洋と大西洋(どっちが先でも構いません)を満たせば発券は可能になると言えます。
最短ルートでの発券
前述のとおり、飛行距離が短く、出発日から10日間以上経過して出発国に戻ればよく、最短ルートを考えてみました。
太平洋区間はホノルル
日本を出発国とする場合、東京=ホノルル間がお勧めであります。ホノルルは太平洋道半ばでありますが、太平洋区間に入ります。マイル数は3,831マイルです。そこから北米まで地上移動は実質無理(航路はあるかもしれません)ですが、地上扱いとします。
特典でホノルルに行き、ホノルル発券で東京に行き、復路はトロントにするとエコノミーで12万円ほどであります。(長距離区間はANA便可能、UAのサイトで予約となりますが)
ホノルルのほか、シアトル(4,775マイル)、バンクーバー(4,681マイル)も距離が少なくて済みます。バンクーバーは羽田発が夜のため、仕事を終えた週末にそのまま行けるので便利です。
大西洋区間
大西洋区間は緯度が高いほどフライト距離は短くなります。したがって、緯度の高い都市(ボストン、ニューヨーク、トロント、モントリオールなど)から欧州の北西に位置する都市を目指すと最短になりそうです。具体的な国としてはアイスランド(レイキャビク)が最短であります。
しかし、アイスランドへのフライトはスターアライアンスではユナイテッドがありますが、特典航空券に渋いのかニューヨーク→レイキャビクはなかなかありません。
狙い目としてはエアカナダのモントリオールからのフライトが特典としては良さそうです。モントリオールからフランス各都市やスイス、ドイツ各都市では空きがありそうです。
マイル数としてはモントリオールからの場合、ロンドン(3,249マイル)、パリ(3,442)であります。
日本への帰国ルート
日本への帰国ルートは日本と隣接する国からのフライトを利用するとマイル数は劇的に少なくなります。
ルートとしてはソウル=東京(758マイル)が最も取りやすいですが、距離を考えるとソウル=福岡(350マイル)、台北=那覇(407マイル)なども魅力的であります。
最短ルートを合計すると
最短のルートで合計すると
東京=ホノルル(3,831マイル)
モントリオール=ロンドン(3,249マイル)
ソウル=福岡(350マイル)
合計 7,430マイルであり、必要マイル数は7,000マイルから9,000マイルの区界にあてはまり、エコノミーで43,000マイル、ビジネスで68,000マイルとなります。
北米→レイキャビクが空いていれば、ワンランク下のマイル数も狙えそうですが、厳しいと言えます。
さらに、9,000マイルまで余裕が有るため、取りにくいホノルルよりもシアトルかバンクーバーを狙うのも良いですし、大西洋区間でモントリオールから距離の長い、フランクフルトやミュンヘンを狙うのも良いかもしれません。
クアラルンプール修行に活用
これまで東回りのルートをまとめてみましたが、西回りのルートを考えてみます。福岡からソウル、那覇から台北に行き、ソウル発券、台北発券でクアラルンプールに行くのも良いですが、折角の特典を利用するため、東京からクアラルンプール(3,338マイル)にアクセスするのもよいでしょう。
クアラルンプールからは北米行きを往復で修行を続け、どこかで、北米から欧州片道を購入して、復路に欧州から北米の世界一周特典を利用し、再びKUL発券の北米往復の復路でマイル修行を続行すると言うこともできます。
もしくは、クアラルンプールから欧州までの片道を購入し、欧州に渡り、そこから特典で大西洋を渡り、東海岸(カナダ発の方が安い)から西海岸またはホノルルまでのPP単価安いチケットを購入し、特典の最終工程として日本に戻るのも面白いかもしれません。
必要マイル数
東京からクアラルンプール(3,338マイル)
ロンドン=モントリオール(3,249マイル)
ホノルル=東京(3,831マイル)
合計 10,418マイルと9,001~11,000マイルの区界となり、マイルはエコノミーで55,000マイル、ビジネスで85,000マイルとなります。ちょっと高めですが、クアラルンプール発券の安い単価を考えるとマイル一掃も良いかもしれません。
むしろ、次の区界11,000~14,000はエコノミーで60,000、ビジネスで90,000マイルと一つ前の区界と差が少ないため、特典での旅程を増やして、旅を豊かにするまたは、最安ルートとの接点にアクセスしてマイル修行に徹するのも良いかもしれません。
最後に
スターアライアンス世界一周特典は複雑そうですが、最低のルールを押さえれば、ルート組は簡単であります。
決まったマイル数で多くのフライトを盛り込むのではなく、必要最低限のマイルで、海外発券と組み合わせて利用すると、日本から発券地までのコストが抑制され、且つ、有償では日本発数十万円もするビジネスクラスで移動できるため、快適であります。