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ANAとシンガポール航空がジョイントベンチャーでマイル修行にどんなメリットが?

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ANA SQ JV

2020年1月31日にANAとシンガポール航空は戦略的包括提携契約を締結し、2021年後半からから共同事業も開始することとなり、マイル修行にメリットがあるか考えてみました。

ジョイントベンチャー(共同事業)を含めた戦略的包括提携

ANAとシンガポール航空はこれまで実施してきたコードシェアを拡大し、さらに共同事業を対象の国において、2021年ウィンターダイヤから開始する提携をします。

対象国は日本・シンガポール・オーストラリア・インド・インドネシア・マレーシアの6ヵ国であり、マイル修行の香りがプンプンしそうな国ばかりです。

両社ともスカイトラックス社の実施しているレーティングで5スターを獲得しているエアラインであり、両社の利用に選択肢が拡大するのはメリットが大きいと言えます。

 ANAリリース

シンガポール航空リリース

ジョイントベンチャーとは

共同事業

ジョイントベンチャー(共同事業)とは、複数の企業間でお互いの経営資産を相互に利用し、事業を行うことを言います。工事現場で見かけるJVと言うのもこのことであり、大規模開発・工事等で複数の工事会社で一つの大規模開発を請け負ったりしています。

場合によっては、共同事業を行うために合弁企業を設立して行うケースもあります。富士ゼロックスが代表的な例であり、名前のとおり、富士写真フイルムとランク・ゼロックスによって設立されています。色々とあり、富士フイルムホールディングスの完全子会社となり、社名も変わるようですが。

航空会社のジョイントベンチャー

航空会社におけるジョイントベンチャーは異業種と提携して行う場合は、合弁企業を設立したりしますが、主力の航空事業におけるJVでは既にコードシェアを実施している会社間で実施されることが多く、双方の経営資源(ネットワーク、マーケティング、サービス品質等)が同等に揃っており、事業として実施されるケースが多いようです。

ジョイントベンチャーを設定した範囲(今回のNHとSQでは対象国が6か国)では双方が航空券を販売した収入や双方が運航するのにかかった原価などを基本的にその範囲で計上し、利益を出し、両社間で取り決めたシェアで分配するケースとなります。

このため、ジョイントベンチャーの範囲での運賃の設定やダイヤの調整(羽田やシンガポールでの相互運航の対象国発着の乗り継ぎ時間の最適化など)がより自由(独禁法の対象外の認定は必要)となり、一社では実現できない利便性や運賃が設定できることとなります。

ANAのサイトで検索しても、ユナイテッド航空のサイトで検索しても同じ旅程の同じ運賃・予約クラスが出てくるのはこうしたところにあります。

狙いとしては拡大するLCCや他アライアンスとの対抗、シェアの維持、さらには拡大があります。

両社の他のジョイントベンチャー

ANAとシンガポール航空は他社ともジョイントベンチャーを既に実施しています。

ANAではユナイテッド航空ルフトハンザグループ(LH,LX,OS)と展開しています。

一方、シンガポール航空ではニュージーランド航空ルフトハンザグループスカンジナビア航空と展開しており、マレーシア航空ともジョイントベンチャーの認定を受けています。

基本的には相対契約のようであり、ANAの場合、ユナイテッド航空は日米、ANAとシンガポール航空は日・新・印・馬・尼・豪と自国以外は他のジョイントベンチャーと被らないようにしているとみられます。

ANAとシンガポール航空へのメリット

国内線

両社へのメリットとしては経営資源の相互利用ができるため、急激な路線拡大でパイロットが不足しているANAにとっては自社で増便せずに、東京(羽田・成田)1日6往復運航しているシンガポール航空便を利用して、需要をカバーすることができます。

また、シンガポール航空からの国内線への送客がより自由にできることとなり、シンガポール航空にとっても、日本各地からの送客が拡大するメリットがあります。

さらに、シンガポール航空にとってはANAが東南アジア・オーストラリアで就航していない都市(メルボルン、キャンベラ、アデレード、スラバヤ、アーメダバード、コルカタ、ベンガルール)への日本からの送客が拡大するメリットがあると言えます。

マイル修行へのメリットは

マイル修行

ジョイントベンチャーの展開により、マイル修行におけるメリットはいくつかあります。既存のジョイントベンチャーでは下記のようなメリットがあります。

フライトボーナスマイルの獲得

ANAの上級会員、スーパーフライヤーズ会員においては、ANA以外に、ジョイントベンチャーを実施している航空会社に搭乗した場合でも、35%~130%のフライトボーナスマイルが獲得できます。

現時点では、日本発着でないフライトでも適用できます。この特典がシンガポール航空に適用された場合、2年以上継続のダイヤモンド会員がプレミアムエコノミーでシンガポールからニューアークまで搭乗した場合、現状は9,535マイルですが、この特典が適用できると21,930マイルが獲得でき、ダイヤモンド修行をするメリットが拡大しそうです。

ただし、ジョイントベンチャー=フライトボーナスマイルが即適用と言うわけではなく、時間がかかる可能性もあります。ルフトハンザグループの適用も数年経過してこの特典が開始されています。

アップグレードポイント

ANAの上級会員、スーパーフライヤーズ会員に付与されるANA便のアップグレードに使用できるアップグレードポイントをジョイントベンチャー先のフライトでも利用できます。

現状はユナイテッド航空だけのため、シンガポール航空が適用可能になるかは不明です。特に、シンガポール航空の場合、ANAマイレージクラブの特典として同社のビジネスクラスやファーストクラスには機材による制限があり、ジョイントベンチャーにより、こうしたルールがどのようになるのか興味があるところです。

シンガポール航空の次の機種(A350-900、A380-800、B787-10、B777-200ER (retrofitted)、B777-300ER)ではスイートクラス・ファーストクラス・ビジネスクラスでの特典航空券での予約はできません。

ANAホームページより

プレミアムポイント最大獲得化が期待できるルート

ルート

ジョイントベンチャーにより両社のフライトをかなり自由に選択できるようになると下記のような組み合わせも可能となります。

ムンバイ=SQ=シンガポール=NH=羽田

上記ルートはムンバイ発券となります。ムンバイ発券のビジネスクラスは比較的安く、その運賃にシンガポールからNH運航便も適用となると下記のような差が発生します。

現行 全SQ便利用

BOM-SIN(2,436×125%+400PP)+SIN-HND(3,312×125%+400PP)=7,157PP

予想 SQ+NH便利用

BOM-SIN(2,436×125%+400PP)+SIN-HND(3,312×125%×150%+400PP)=10,055PP

とプレミアムポイント獲得が増えそうです。

シドニー=SQ=シンガポール=NH=羽田

シドニー発券のビジネスクラスは安くなく、比較的安いプレミアムエコノミーで上記ルートをANA直行便と比較すると下記のとおりです。

現行 直行便利用

SIN-HND(3,312×100%+400PP)=7,694PP

予想 SQ+NH便利用

SYD-SIN(3,907×100%+400PP)+SIN-HND(3,312×125%×150%+400PP)=10,917PP

日本とシドニーは直行便では4,863マイルであり、シンガポールは赤道付近に位置するため、シドニーとの中間地点のようなイメージがありますが、東京の経度は140度、シドニーは151度、シンガポールは103度と東西の移動が大きくなるため、意外とマイル数が嵩みます。

時間はかかりますが、片道3,000PPも多く獲得できるとなると魅力的かもしれません。

以上は最安クラスのビジネスクラスでもNH運航便が適用され、プレミアムポイントの付与ルール(運航した航空会社の積算率に基づくルールやアジア・オセアニア路線倍率=1.5倍)が維持されていればの話です。

ジョイントベンチャーによる改悪の可能性は?

アルファベット

メリットが生まれれば、デメリットが生まれるのも現実であり、マイル修行における改悪の可能性を考えてみました。

ジョイントベンチャーキャリアのビジネスとプレミアムエコノミーのクラス一覧

クラス ビジネス プレエコ
積算率 150% 125% 70% 100% 70%
ANA J C,D,Z P G,E N
ユナイテッド J C,D,Z P O,A R
ルフトハンザ J C,D,Z P G,E,N -
スイス J C,D,Z P - -
オーストリア J C,D,Z P G,E N
シンガポール - Z,C,J,U,D - S,T,P,L,R -

ANAを含めたジョイントベンチャーのキャリアの有償上位クラス(ビジネスとプレミアムエコノミー)をまとめてみました。下記のとおりです。

ANAと既存のジョイントベンチャーキャリアはほぼ平仄があっており、ユナイテッドのプレミアムエコノミーが唯一合わないくらいです。

一方、シンガポール航空は150%や70%積算がなく、使用しているコードもプレミアムエコノミーでは一つもありません。この辺りが現在のシンガポール航空でPP単価が安い路線につながるところとも言えます。

クラスコード見直しの時期は

ジョイントベンチャーの場合、クラスを合わせる可能性もあり、ANAとしては他エリアでの平仄を合わせたいとなるとSQ側にコードの見直しを求めるかもしれません。

それに伴い、70%積算が発生する可能性もあり、結果的には改悪につながるかもしれません。

大きな改変となるため、2021年冬ダイヤからとなると1年くらい前には周知しないといけなくなり、今年の10月頃とか話題になるかもしれません。

最後に

チャンギ空港

ANAとシンガポール航空のジョイントベンチャーはアジア・オセアニアでの共同事業となり、マイル修行において重要なプレミアムポイントの路線倍率1.5倍が適用される地域であるため、とても気になります。

既存の共同事業でも一部の発券地では、ANAでもルフトハンザでもZクラスで単価が比較的安いルートもあることから、積算率が高く、運賃が安いルートも出てきそうです。特にインドなどは気になるところです。

一方で、予約クラスのコードは両社でバラバラであり、整理するのに伴い、積算率の改悪と言う可能性もあります。

両社ともLCCや他アライアンスへの流失を防ぐために両社の経営資源を共同で利用して、利便性やサービスで利用者囲い込みをしたいとなると、囲い込みで有効なマイレージサービスにおいて劇的に改悪させることも厳しく、どうなるか注目したいところです。

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