ANAのマイルを利用した特典航空券で、どのクラスか一番お得か考えてみました。
各クラスマイル数比較
比較前提
はじめに各クラスのマイル数を比較してみます。ANAの場合、ANA自社便でもエコノミー、ビジネス、ファーストの各クラスを運航していますが、2018年9月現在では、すべてのクラスを運航しているのは北米と欧州のみです。
従って、今回は日本から直行便があり、各エリアに3クラスとも利用が可能で比較が単純な提携特典航空券(Zone 1-A)で比較してみます。Zone 1-Aの設定のない国内都市出発や色々な都市を弾丸で楽しみたい人は敢えて乗り継ぎの多いZone 1-Bの方が現実的ですが、頭の体操として、単純に比較してみました。
クラス | 韓国 | アジア 1 | アジア 2 | ハワイ | 北米 | 欧州 | 豪州 |
Y | 15,000 | 20,000 | 35,000 | 40,000 | 50,000 | 55,000 | 45,000 |
C | 30,000 | 40,000 | 60,000 | 65,000 | 85,000 | 90,000 | 75,000 |
(差分) Y-C |
-15,000 | -20,000 | -25,000 | -25,000 | -35,000 | -35,000 | -30,000 |
F | 45,000 | 60,000 | 105,000 | 120,000 | 150,000 | 165,000 | 135,000 |
(差分) C-F |
-15,000 | -20,000 | -45,000 | -55,000 | -65,000 | -75,000 | -60,000 |
上記表は各クラスを同一クラスで往復した場合であり、往路はエコノミー、復路はビジネスにすると掲載のマイル数を半分にして合算したマイル数が必要マイル数となります。
例えば、韓国に行きはエコノミー、帰りはビジネスとした場合、
行きは15,000÷2=7,500。帰りは30,000÷2=15,000。
往復 7,500+15,000=22,500が必要マイル数となります。
各クラスの差分を比較
単純にエコノミーとビジネス、ビジネスとファーストクラスの往復での必要マイル数を比較すると上記表の水色塗りが差分となります。差分の率で言うと各クラスの差分は1.5~2倍であり、ビジネスとファーストの差分は少ない一方で、絶対値で言うとビジネスとファーストの差分は大きくなっています。ハワイ路線では、ビジネスとファーストの差分は55,000マイルであり、ビジネス往復に必要なマイル数が65,000マイルを考えると後1万マイルを貯めれば、ビジネスで2往復可能となります。
マイル差分をシートピッチと比較
この差分を実際のサービスの比較のどの部分と比較するかは千差万別かと思いますが、今回はシートピッチで比較してみます。スターアライアンスの各クラスのシートピッチは下記の通りです。機内で一番の窮屈さを感じると言えば、前後の間隔と言っても良いと言えます。実際に各クラスにおいても前後の間隔は顕著に差が出る部分であります。
エコノミー:79~83cm
ビジネス :50~200cm
ファースト:200cm~
エコノミーとビジネスでは1.9~2.5倍、ビジネスとファーストでは1~1.33倍とエコノミーとビジネスの差が大きくなります。絶対的な広さとしてもやはり、エコノミーとビジネスの差は大きいと言えます。
この辺りがどのクラスを選択するかのポイントになると言えます。もちろん、ビジネスとファーストでは提供されるドリンクの市場価格は倍以上のものもあるほか、接客に当たる一人あたりのアテンダントの数などもありますが、目安にはあると思います。
各クラスのお得エリア
エコノミークラス
エコノミークラスについては、往復15,000マイルから利用でき、複数名で利用する場合は手頃と言えます。しかし、空港税や燃油サーチャージなどの手数料は基本的に各クラス共通して別途費用がます。結果的にフルサービスキャリアを利用したもののLCCの方が安いと言うケースもあります。また、短距離の場合、フルサービスの利用とLCCの利用では時間的に短くあまり差がつきません。天候が変更しやすい夏場は何かあった際にはフルサービスキャリアの方が良いと言えますが、いずれにしても混乱は回避できないため、LCCの利用の方が何となく良さそうです。
ビジネスクラス
マイルにおいて、エコノミーとの差分が少なく、シートにおいてはその差分よりも大きいビジネスクラスはやはり、一番お得と言えます。また、スターアラアイアンスは27社の航空会社があり、ほぼすべての航空会社がビジネスクラスを用意しているため、選択肢も増えます。ANA便の場合でも、結構前か出発直前であれば、ビジネスクラスは空いていることも多く、旅程が立てやすいと言えます。
LCCにもビジネスクラスがあり、安い時は5万円以内で利用できることもありますが、ビジネスクラスとなるとフルサービスキャリアの方が断然サービスは良いため、LCCとの比較においても一択と言えます。
また、スターアライアンス各社により、ビジネスクラスの味付けが異なり、往路と復路で敢えて違う航空会社を選択し、そうした違いを堪能できるのも醍醐味と言えます。
ただし、ビジネスクラス発券で注意したい点は、これは各クラスにも共通していますが、航空会社によりサーチャージなどの手数料が大きく異なる点があります。特定の航空会社を選択したがために手数料が10万円近くになったとなれば、海外発券の有償チケットで搭乗した方がトータルとしてはメリットとなる場合もあるので注意したい点です。
エリアとしては全方位良いと言えますが、やはり長距離の方がメリットが有ると言えます。東南アジア路線の場合、海外発券や中国・韓国の航空会社の日本発有償ビジネスでもお得な場合もあるため、それを利用する方法もあります。
ファーストクラス
ファーストクラスはシンガポール航空などのほとんど個室化されたシートを除くとビジネスクラスよりは広く、プライベート感は高いですが、シートスペックはちょっと良いと個人的には感じます。
また、ファーストクラスの場合、注意したい点は運航している航空会社が限られる点とANAのマイルで利用できる航空会社が限られる点であります。
前者については、スターアライアンスでファーストクラスを提供しているのはANA、アシアナ航空、エアチャイナ、タイ国際航空、シンガポール航空、ルフトハンザドイツ航空、スイスインターナショナル・エアラインズ、ユナイテッド航空に限定されます。
後者については、シンガポール航空の特定の機材(予約システムで開放されている場合は利用可能な場合もありますが)について利用できないほか、スイスインターナショナル・エアラインズも利用できません。
こうしたことを考えると日本発直行便でファーストクラスを利用できるのはANAとタイ国際航空、ルフトハンザドイツ航空とユナイテッド航空となります。
さらに、利用できる4社から予約しようとしても特典枠に限りがあります。もともとファーストクラスは1機材あたり8席程で、もともとシートが少ないうえに特典枠はさらに狭くなります。ブログの記事ではあまりファーストクラス搭乗記を見かけないほか、ある場合もタイ国際航空のファーストクラス搭乗記が多いのはそれを物語っていると言えます。
以上からみて、ファーストクラスはマイルを消費する割には、予約がなかなか取れにくく、旅行の計画が立てにくいと言えます。ファーストクラスに搭乗したい人は比較的空きがある日本=バンコク間のタイ国際航空を片道だけ利用してみるのがよいかもしれません。それでも北米にビジネスで行く程のマイルは消費しますが。
最後に
個人的にはミリオンマイラーを目指しているため、世界一周などANAの就航していない路線を除き、マイルはANA便のみを利用するか、ANA便かスターアラアイアンス便のアップグレードに利用していますが、やはり、座席のスペックの差分とマイルの差分を考えるとビジネスクラスかなと感じています。スターアライアンスの場合、27社もあり、全ての航空会社をコンプリート出来たらいいなあとか思っています。