2023年度下期から導入されるANA国内線仕様のボーイング787-10型機について深掘りしてみましたので、お伝えします。
2023年度下期から導入?
すでに導入の詳細は案内されていましたが、2023年10月31日に発表された決算説明会資料において、下期の方針としてボーイング787-10国内線機の導入について記載されており、もう少しで登場する事が確実となりました。
一方で、同日に予約画面からは消えたりと不可解な動きであります。決算説明会資料は重要な記載事項は発表ギリギリまで差し替えたりするので、就航の2024年の年明けまで粘るということなのかも知れません。予約変更されてまた、再度変更となるのはどうかと思いますが。
国内線仕様のボーイング787-10型機はボーイング777-300型機の後継というか置き換えであり、ボーイング777-300の総座席数514席をカバーする意味合いが大きいと言えます。500席を超える座席数であり、昔は詰め込みセブンとかとも言われた機材でもあります。
そんな大キャパシティの機材の後継機となるボーイング787-10はボーイング787シリーズでは胴体が最長であります。胴体長は68.3mと兄弟のボーイング787-8が56.7mなので、実に11.6mも長くなります。また、ボーイング777-200ERが63.7mであり、胴体最長のボーイング777-300(73.9m)が退役すれば、国内線においては最も長い胴体の機材となります。
ちなみにJALの国内線のA350-900は66.8mであり、国際線機材の国内運用を除けば、日本一の長さの機材とも言えます。
ボーイング787-10のシートマップと詳細
それでは、ANAのボーイング787-10国内線仕様機のシートマップと詳細を見てみます。まずはシート概要を見てみます。
プレミアムクラス 28席
普通席 401席
トータル 429席
ボーイングでは大型機となるボーイング777-200ERがMAX405席なので、それを凌駕する座席数となっています。
プレミアムクラス
シート配列は2-2-2配列の縦5列であり、トータルで28席となります。既にANAサイトではシートマップやシート詳細が出ています。座席間隔は約127センチとなり、これはプレミアムクラスの最新シートと同一のスペックとなります。
残念ながら、プレミアムクラスシート4.0(初代がスーパーシートプレミアムまがいだったので3.0かも知れませんが)とはなりませんでした。
そして、シートは縦5列ということで、上の写真の通り、ボーイング787-10のプレミアムクラスの全景はボーイング787-9のGEエンジンを搭載した機材(78G)とほぼ同じ景色となりそうです。
普通席
続いては普通席であります。普通席は3-3-3配列であり、B787シリーズと統一されています。国際線のB777-300ERやA380-800のように3-4-3配列にはしなかったようです。
一方で縦の列は5列から52列まであり、ワンフロア機材の縦列としては国際線を含めて最大の列数を持っています。
シートスペックについてはシートピッチは31-34インチであり、シート幅は17インチであり、国内線としては共通のようです。
そして、プレミアムクラスと普通席に共通しているのは、ANA機内Wi-Fi、パーソナルモニター、ワイヤレスエンタメ、PC電源(コンセント)、USB電源が標準装備されています。
どの路線に導入されるのか
そして、どの路線であればボーイング787-10に搭乗できるのかということなります。現時点で、国内線の空席照会をしてみたのですが、国内線仕様のボーイング787-10のコードである78Kは出て来なくなってしまいました。
ただ、ボーイング777-300(773)の置き換えとなると羽田↔︎沖縄、羽田↔︎札幌・新千歳、羽田↔︎福岡が専業となりそうです。
B787が登場して、機内での感想が圧倒的に改善しており、上記路線ではトリプルセブンも多いことからコンタクトレンズの乾きが気になるところでしたが、それが改善しそうです。国際線では77Wがメインでありますが、そもそも、フライト時間が圧倒的に長いので、コンタクトレンズを外してしまいます。国内線は長くて3時間なので外すことはないとは言え、3時間は長いのでウェルカムであります。
最後に
国内線にB787-10が投入されるとしばらくは国内線の機材体型は固定されるでしょう。プレミアムクラスのシートは茶色のシートが15年くらいは続くこととなりそうです。ただ、B787-8はかなり古くなっているので、置き換えとして、エアバスとかも考えられます。不具合発生時の欠航対策とかあるものの、その分、多様な機種を維持するためのコストは嵩みそうでもあります。
本来であれば、国の成長に合わせて、機材を大型化・多様化しても良かったのですが、インバウンド需要最大化はあるとはいえ、人口減少やGDPランキングダウンなど運輸サービスとしては大きな成長はできないため、こうなったのでしょう。GDPでは3位になったドイツ国内線よりもはるかに大型・中型機は飛んでいるのではありますが。