航空業界では世界的に見てもアジアの存在感を高めたエアアジアですが、日本ではLCCの浸透が進行してもエアアジアの浸透が進まない理由を考えてみました。
エアアジアの度重なる運休
エアアジアでは日本国内線と国際線の運休を10月下旬まで決めています。
当初、ANAとの協業で日本勢のLCCと棲み分けなのか中部空港で参入しました。
しかし、結果が伴わず、ANAとの提携を解消しています。
その後、楽天や名古屋圏の企業をスポンサーにして再スタートしたものの、成田や関西でなかったことにより、なかなか伸びない中で、コロナ禍となっています。
また、大手スポンサーの楽天は空よりも電波が最優先課題のようでもあります。
こうしたことからも期限付きで運休と言いつつも、事実上の廃止となる可能性もあります。エアアジアの日本国内では二度目の挫折となりそうです。
国際線では羽田=クアラルンプールは死守したいところですが、ANAもJALもクアラルンプール発券では猛攻しており、日本発でも需要が復活した場合には命を懸けて攻めてくる可能性もあり、状況は厳しいかもしれません。
個人的にも中部発のエアアジア便は仁川行き(旧バニラ以前にあった路線)に一度しか利用したことはなく、国内線は利用したことがありません。
エアアジアが日本で羽ばたけない理由は既得権益か
新政権では既得権益や縦割りに切り込む(ぶっ壊すまでかはわかりませんが)人を投入しています。
エアアジアの現状を考えるとワイモバイルとUQモバイルのように大手キャリアがするすると国内で路線を張り巡らし、その大出資者と共食いにならないようにしているのは既得権益とも言え、110番をして、ここにも突っ込んで欲しいところであります。
できればクアラルンプール発券の料金にも聖域なき改革をすれば、実績であるインバウンド回復の強力な”てこ”となり得るかもしれません。
エアアジアの認知度
エアアジアと言えば、LCCであり料金は安い代わりにサービスは少なく、サービスが欲しければ有料と言うスタイルです。飛行機で寝るだけであれば別に気になりません。
また、客室乗務員にはタイトな制服と濃いめな化粧による演出をリクエストしている体もあり、時代の流れは早く合わなくなっているのかもしれません。
それを言うとシンガポール航空はどうなのかとなりかねませんが、目的が違うのかもしれません。
さらに、日本からクアラルンプールまで行こうとする場合、エアアジアを利用するケースはどれほどあるのかと考えてしまいます。
いくらビジネス相当の座席がANAの70%加算運賃と同等と言っても地方から乗り継ぎだとANA便を利用し、都民でもラウンジやマイル積算を考えるとANAやJALを利用してしまうと言えます。
海外から見ると日本は不思議な国と思われるかもしれません。
最後に
エアアジアは一旦アジアに出てしまえば、最多路線のクアラルンプール=シンガポール間では躊躇なく選択しますし、日本から直行便がない路線(ルアンパバーン他)は最速アクセス路線として利用することベストでもあります。利用しても大きな遅延がなければ普通の飛行機旅であり、満足なのものです。
しかし、日本発着海外や日本国内となるとなぜか国内キャリアを信奉してしまいます。そこは既得権益なのか、ANA/JALにより、長年醸成されてきた結果なのかわかりませんが、エアアジアが日本国内継続を断念しようとしている理由ところかもしれません。
国産がいいのか開放するのが良いかわかりませんが、メリットもデメリットもありそうであり、最適化は必須のようです。
仮に撤退するとなるとエアアジア自体の問題もありますが、国内の出資者がどんな判断をしているか確かめてみたいところです。