ANA世界一周特典航空券でエア・カナダのモントリオール=フランクフルト線のビジネスクラスに搭乗し、大西洋を横断しましたのでお伝えします。
モントリオールからの大西洋線の選択肢
世界一周特典航空券では、マイル数を考慮に入れながらルートを決めますが、あわせて空席の状況も考慮しないといけません。そうした中で、カナダのメインハブ空港であるトロント発のビジネスクラスはほぼ全滅で、アメリカの空港はユナイテッド便もルフトハンザ便も全滅でした。モントリオール発ビジネスクラスではそうした中で奇跡的に以下の3つのルートが空いていました。
エア・カナダ フランクフルト行き B787-8
ルフトハンザ フランクフルト行き A330-300
スイスエアラインズ チューリッヒ行き A340-300
上記から夜行便で睡眠を確保するために重要なシートスペックを比較してみました。
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AC |
LH |
LX |
シートピッチ |
80 |
64/78 |
60 |
シート幅 |
21 |
20.5 |
21 |
フルフラット |
〇 |
〇 |
〇 |
配列 |
1-2-1 |
2-2-2 |
1-2-1 |
※シートのサイズはインチ
シートマップ(Seat Guruより)
エア・カナダのシートは一番余裕があり、窓側は1列なのでトイレに行く際も気兼ねなく行けます。また、機材がボーイング787-8と新しいため、エア・カナダを選択しました。ちなみに、ANAのビジネススタッガードシートはピッチが62インチ、幅が21インチです。
五大陸に就航 エア・カナダ国際線ネットワーク
エア・カナダは自社およびエア・カナダ ルージュの運航にてトロント、モントリオール、バンクーバー、カルガリーをハブとして世界各地に就航しています。北はレイキャビック、南はブエノスアイレス、シドニーに就航しています。東は東京、西はホノルル※まで就航しています。また、デリーやドバイにも就航しているほか、カサブランカ※にも就航しており、世界五大陸に就航しています。運賃はカナダ発券の場合、エコノミーはかなり安くシドニーやインドなど往復10万円以下の運賃もあります。※エア・カナダ ルージュ運航
ビジネスクラス搭乗記
ビジネスクラスシート
エア・カナダのボーイング787のビジネスクラスのシートは「エグゼクティブポッド」と呼ばれています。シートはリバース・ヘリンボーン・タイプでチャイナ・エアラインの最新型のビジネスクラスに似ており、身近なところではJALのSKY SUITE Ⅲに配置が似ています。
今回は、窓側の2Kを選択。窓側でありながら隣席がいなく、しかも列により窓が遠いということもなく良いです。スペースはかなり余裕があり、閉塞感もありません。足元は先に行くに従ってスペースは細くなりますが、窮屈ということはありません。シートの生地はファブリックで落ち着いたグレーでスタイリッシュな印象を受けます。
シートにはヘッドレストとランバーサポートにマッサージ機能もついています。シートモニターは18インチワイドで丁度良いサイズです。シートコントローラーはサイドテーブル内に格納されており、横にはユニバーサルタイプの電源とUSBポートもあります。
手元を照らすライトはLEDライトで頭の位置付近から照らすため、読書などちょうど良いポジションです。
アメニティキット
アメニティは落ち着いたグレーのヘリンボーン編みのファブリックです。同社のビジネスクラスのシート配列がヘリンボーンタイプであるため、生地の目も合わせているのかは不明です。裏地は同社コーポレートカラーの赤でオシャレです。中には、ソックスとアイマスク、モイスチャーキット、歯ブラシセット、そしてキャンディが一つ入っています。
離陸前
ウェルカムドリンクではシャンパンを選択。グラスはガラス製のグラスです。続いて、機内食のメニューが配られます。モントリオールからフランクフルトまでは3,648マイルで、東京からジャカルタまでの距離とほぼ同じです。
ANAのビジネスクラスの場合、夜行便においては到着前の朝食のオーダーフォームを離陸前に配布しますが、エア・カナダの場合、それに加えて、夕食のメニューも配布し、メインコースの選択をします。同じような距離で、二度食事ができるのはお得です。
離陸
20分遅れで出発し、滑走路に。予約時に迷ったルフトハンザ便が先に離陸していきます。安定飛行に入るまでモントリオールの夜景が楽しめます。長距離国際線では睡眠を考慮してあまり、窓のシェードのオープンまたは明るく調整しづらいですが、離着陸時はさまざまな国の景色が楽しめるので、窓側はいいですね。
食事
夕食
ベルトサインが消灯すると、カクテルサービスからスタートします。ワインはメニューリストを見るのもよいですが、モニターでも確認できます。おつまみはナッツです。
そして、夕食です。まずは、グリーンサラダと前菜(ボイルしたタイガーエビ、アーティチョーク、ローストフェンネル、赤唐辛子のビネグレットソースのマリネ)です。
メインコースは4種類から選択でき、オーソドックスな牛テンダーロインステーキかチキンのシュプレームかタラの田舎風ローストか茄子とズッキーニのラザニアでした。ラザニアに特別メニューマークがついていたため、ラザニアを選択。過去にエア・カナダのビジネスクラスに搭乗したときと比較するとずいぶん洗練された感じがします。
食後はフォンダンショコラかチーズ盛り合わせということで、体調もよくもう少しワインを飲みたかったため、チーズを選択しました。以前にエチオピア航空に搭乗した際にチーズ盛り合わせを頼んだところ、てんこ盛りで出てきたことがありますが、エア・カナダはさりげない盛り合わせでした。
食後はシートをフルフラットにして就寝。就寝と言ってもフライト時間は7時間のため、一度寝落ちするぐらいでした。フライトルートは洋上をひたすら飛行しますが、グリーンランドの付近も飛びます。一度は行ってみたいグリーンランドです。
朝食
夜が明けて、まだ寝ている人が多いですが、朝食がスタートします。夕食から5時間ほど経過して朝食です。空腹極まりないというわけではないですが、十分食べられるお腹でした。朝食は写真のほかにマフィンやオートミール、ヨーグルトも選択可能です。
着陸
食事が終わるとヨーロッパ大陸上空に。日本やアジアと比較してフライトが多く過密なのかわかりませんが、ヨーロッパの機窓はいつみても飛行機雲が良く見えます。着陸準備に入ると眼下には風車の集団「Wind farm」が見ることができます。
出発は遅れたものの着陸時点では後れを回復しましたが、結局ゲートには遅れて到着。次の乗り継ぎは3時間あるため、多少遅れても問題はありませんでしたが、余裕を持った乗り継ぎプランが大事だと改めて感じました。
最後に
降機し、搭乗してきた機体を見ると後方にはANAのボーイング777-300ERがいました。海外ではANA便を目にすることはないと思いましたが、フランクフルトで目にしてしまいました。3度目の 大西洋横断でしたが、失敗もなく横断できました。エア・カナダも年々サービスがグレードアップしており、アメリカの航空会社ともヨーロッパの航空会社とも違う魅力があり、良いと思います。