日本人が利用しやすい海外発券となるとアジアの都市が候補となります。そのなかで、ソウルとマニラを比較してみました。
ソウルとマニラの都市比較
ソウルとマニラの各都市を行きやすさをもとに比較してみました。
項目 | ソウル | マニラ |
---|---|---|
ビザ免除 | 〇 | 〇 |
日系キャリア乗入数 | 2 | 2 |
入国前ホテル | 〇 | × |
空港直結ホテル | × | × |
空港直結鉄道 | 〇 | × |
東京からの距離 | 732 | 1865 |
両都市ともにビザ免除(通常の状態と想定した場合)であり、トランジットエリアに滞在しなくても、入国するのも容易と言えます。
日系キャリアではソウルでは空港は異なりますが、国際メイン空港である仁川空港と小一時間でアクセス可能な金浦空港にJALとANAが乗り入れています。
一方で、マニラも同じ空港にJALとANAが乗り入れており、この点においてはあまり変わらないようですが、東京からの距離は倍以上あり、飛行時間もかかるため、海外発券とのコンビネーションは限定されることとなります。
乗り継ぎの組み合わせでは一晩過ごすことも必要であり、ホテルが必要な場合もあります。空港におけるホテルを比較するとソウルでは仁川空港内にはトランジットホテルがあり、入国せずとも滞在が可能であります。
また、トランジット内にシャワースペースもあり、ベンチで寝てシャワーですっきりと言うことも可能です。
さらに、金浦空港には直結ではないものの徒歩でアクセスできるホテルもあるため、ソウルの方がホテルと言う点では良いでしょう。
地理的に、設備的に有利なのはソウルであり、はじめての海外発券はソウルからスタートするのが良いと言えます。
ソウル発券とマニラ発券の目的地別比較
ソウル発券とマニラ発券の目的地別のビジネスクラス運賃を目的地別に比較してみました。
運賃はグーグルフライトでスターアライアンスとワンワールドに絞り込んで比較しています。
ソウル発券
ヨーロッパ
ヨーロッパは地続きであり、距離も短いこともあり、日本発券と比較するとかなり安いと言えます。就航しているキャリアの影響かスターアライアンスの方が安くなっています。
北米
アメリカ・カナダについてはあまり安くありません。むしろ、日本発券の方が運賃だけ見ると安いケースもあります。北米で考えると日本の方が距離的には近いので理由は合理的とも言えます。
南米
ソウル発券の真骨頂とも言えるルートであり、往復距離で2.5万マイルもあるにもかかわらず、30万円前半台と日本発券と比較すると10~20万円も安くなっています。
ただし、ワンワールド路線が圧倒的に有利となっています。そのためかJAL/DIAなどのブログを見ると南米路線や記事が多いのも特徴的と言えます。
マニラ発券
ヨーロッパ
マニラ発券もヨーロッパは安くなっています。スターアライアンスではターキッシュエアラインズ、ワンワールドではカタール航空一択であります。
ソウルと比較するとマニラは東に一、ドーハやイスタンブールと南に位置する場所での乗り換えのため、ソウル発券と比較すると距離が延びます。そのため、日本から遠いマニラとのオフセットをどのあたりに設定するかが鍵となるとも言えます。
北米
マニラから素直に最短距離で北米に行こうとすると東京かソウルで乗り継いで太平洋を横断するルートとなります。その場合のルートは近いためか人気なのかビジネスクラスでは割高と言えます。
一方でヨーロッパと大西洋を経由するルートでは距離もさることながら、運賃もエクストリームなものもあります。こうした最安運賃はターキッシュエアラインズやカタール航空となります。
マイル修行としてはこの路線がマニラ発券の真骨頂と言えます。
南米
歴史的にスペインの影響を受けた点では南米とフィリピンは似ており、南米の南端の海峡にその名がつけられているフェルディナンド・マゼランが没したのはフィリピンであります。
そうしたことからマニラ発券、南米の運賃を見てみますが、ソウル発券のような安さはなく、日本発券と同等かそれ以上となっています。
両社の比較まとめ
エリア | ソウル | マニラ |
---|---|---|
ヨーロッパ | 〇 | 〇 |
北米 | △ | ◎ |
南米 | ◎ | △ |
両都市とも欧州は安いものの、北米はマニラ、南米はソウルと言う結果となっています。マニラ発券の北米は時間を意識する用途には適さないため、マイル修行専門とも言えます。
最後に
今回はオセアニアを除きましたが、オセアニアではソウル発券が有利であります。地勢的にソウル発券の方が有利ではありますが、目的地によってはマニラ発券の方が距離と運賃で圧倒的に優勢なエリアもあります。
何をしたいかを明確にして、両都市を使い分けるのが一番賢明かもしれません。