利尻島から稚内までフェリーで移動してみましたのでお伝えします。
利尻島滞在時間は75分
ANA4929便で利尻空港に到着したのは13:30であります。そこから路線バスでフェリーターミナルのある鴛泊港まで。バスは15分程で海の駅「おしどまり」の建物の目の前に到着します。
建物一階はチケット売り場があり、自動券売機と有人カウンターがあります。鴛泊から稚内までは二等席で片道2,550円であり、約100分の船旅としては平均的な運賃かもしれません。
フェリーということもあり、人だけでなく車も載せる船でもあり、車を載せる場所から船を待ってみます。14:35発のハートランドフェリーのサイプリア号は礼文島からやって来る便であり、鴛泊で停泊して、稚内に向かう便であります。
結局、利尻島にいた時間は75分程であり、弾丸利尻旅となってしまいました。
タグボートはなく、自力で寄港します。乗船に際しては、行列はできていますが、座れないと言うことはなく、隣席も空いて座ることが可能でした。
二等船室には一般的な座席と船ならではの和室の雑魚寝席があります。遠い昔に青函連絡船に乗船した際に列車のような椅子のシートよりも雑魚寝席に人が多くあふれているのは不思議に感じたものでした。
リクライニング機構のついたシートの方が明らかにコストはかかっており、日常生活では味わえないものですが、人間はやはり足を延ばして横になる方が大好きなのか、雑魚寝席が魅力的だと言うのは大人になる程感じるものです。
飛行機のビジネスクラスも求めるところはフルフラットで寝返りを打てるようなスペースであり、船の和室席はまさにそれにこたえるものであり、今のビジネスクラスのルーツとも言えます。
もう一つはオープンな甲板席もあります。海風に終始当たることが出来る座席であり、昨今のような密な空間を避けたい人には好ましい席かもしれません。最後までオープンシートに座っている人もおり、夏場だから許される席かもしれません。
今回は、雑魚寝席も魅力的でしたが、接地面が多いため、普通のリクライニング席としました。
船内を散策
館内には売店もあり、ワインやビールも販売されています。しかし、売店にはそうした気配がなく、昨今の状況を配慮していたのかもしれません。
船旅と言えば甲板であり、船跡波を眺めるのが醍醐味でもあります。高速船では早すぎて、迫力と風に耐えられず、すぐに船室に戻ってしまいますが、通常の船ではその波を見ているだけで時間が過ぎていきます。
物思いにふけつつも、それほど何か考えているわけでもなく、それが頭を休めるにはちょう丁度良いのかもしれません。
左舷甲板から眼下を望むと吸い込まれそうになる恐怖を覚えます。船の横から見る波はいくつになっても苦手であります。
船内の案内には特別室の案内があり、飛行機であればスイートクラスのような存在です。エコノミークラスとスイートクラス程の値差はないものの、2時間弱の船旅にそれを利用するかは躊躇するレベルと言えます。
それでも気兼ねなく、ソファで横になってうたた寝とかは贅沢かもしれません。
稚内に到着
左舷側に乗船するとサハリン方向のため、到着まで海の景色が続きますが、甲板に行くとノシャップ岬とその灯台が見えてきます。以前にこの辺りでこの時期にウニ丼を食べた記憶が思い出しました。食べ物を思い出すあたりが人間らしいところかもしれません。
この辺りから大きく減速し、スルスルと稚内の街へと入り込んでいきます。防波堤ドームの前にはJapan Coast Guardの巡視船りしりが停泊しています。ここから遥か南では某国海警が連日繰り出しているようですが、その行動は焦りさえ感じるところです。
巡視船を見てそんなことを考えているサフィールホテル稚内が見えてきます。踊り子を想起しますが、もともとはANAクラウンプラザホテル稚内であったホテルです。
珍しいのかわかりませんが、進行方向右側からの下船となります。飛行機は船のお作法を引き継いでおり、搭乗は進行方向左側がメインですが、船では割と自由なのかもしれません。
稚内フェリーターミナルから稚内駅までは徒歩10分程度であり、いい運動の距離かもしれません。
最後に
今回の船旅の前はセウタからアルヘシラスまでのジブラルタル海峡を渡る船旅でした。距離も速度も全然違いますが、利尻・鴛泊から稚内までの船旅となんとなく共通したところも感じた船旅でした。
最近の船は揺れが少なく、船酔いまでとはいかなくても、陸に上がってから揺れているようなこともなく、快適であります。
この後はさらに弾丸移動で南下をすることとなりました。