大阪、兵庫、京都に跨るJR西日本の特急列車で北近畿をぐるっと一周してみましたので、お伝えします。
今回のルート
今回は大阪を出発駅として姫路まで山陽本線で行き、そこからは播但線で生野峠を越えます。和田山からは山陰本線で豊岡まで北上、同駅で折り返し、福知山で列車を乗り換え、綾部を経由し、山陰本線をひたすら南下し、京都までたどり着くルートです。
今回のルート上には大阪、新大阪、京都を起点として浜坂、城崎温泉、天橋立、東舞鶴方面に特急列車が走っており、福知山が要のような存在となっています。
こうした特急列車のネットワークは北近畿ビッグXネットワークと言うらしく、福知山がXの交わるポイントとのことです。
はまかぜ
新大阪ではなく、大阪始発のはまかぜの189系が入線します。カラーリングはウルトラマンそのものであります。
かつて存在した人工スキー場のザウスを彷彿とさせる大阪駅の屋根は日本を代表する建築と言えますが、梅田駅など近隣との接続は一見さんには迷路とも感じてしまいます。
はまかぜ出発の12分前には電車特急のこうのとりが先発します。姫路経由で気動車のはまかぜは時間がかかるように思いますが、所要時間はあまり変わりません。
はまかぜは4両編成で運行され、すべて普通車で且つ、全車指定席となっています。大阪から和田山よりも先に行く場合は姫路・播但線経由の運賃計算ではなく、福知山線経由で計算されます。
シートピッチはそれほど広くありませんが、狭いと言うこともありません。シートは赤系であります。
2010年に出来た車両だけあり、水回りはかなり工夫されています。また、特急列車としては珍しくドアの開閉ボタンがあります。
基本ははまかぜ号のみの運用であり、性能も申し分ないのですが、至る所で爆走と書かれている地味なフェイスの187系と対比されてしまうかもしれません。
大阪駅からの出発を動画にしてみました。エンジン音が意外と頼もしいです。阪神国道が平行しているため、あまり景色は良くないので一部編集しています。
130km/h運転の新快速に迷惑をかけないためか、その性能を発揮しているようです。187系が王者のように山陰本線を爆走しているのとは対照的に、大都市圏で地味に迷惑をかけずに走り切るのは特徴的かもしれません。
三ノ宮、そして、神戸を出発してしばらくすると須磨あたりから大阪湾が見えてきます。普通電車でも特急電車でも車窓が楽しくなる一帯であります。
明石海峡大橋を横切り、姫路駅に向かって120km運転で急ぎます。
JSTも通過していきます。この建物は昔から変わりませんが、改装は結構しているようです。
明石駅で危険を知らせる信号のため、停止してしまい、数分の遅れが生じ、遅れを引きずったまま姫路に入線となりました。
姫路からは山陽本線を離れ、播但線となります。進行方向が逆となります。
座席を回転させますが、前の座席はそのままとして、ボックス席仕様にします。このご時世では向かい合わせは良くないと言われていますが、誰もいないので、問題はなさそうです。
播但線に入り、すぐに白鷺城が堂々と見えます。新幹線と違って大きくはっきり見えるのははまかぜの特権かもしれません。
姫路市街地を通過すると田園風景が広がります。田植え直後の田んぼは数カ月もすると黄金色に輝くと思うと大地の恵みを感じてしまいます。
大阪を出発してから100分程で生野(いくの)駅に停車します。峠の割には飄々と走ってきたのは189系の奥ゆかしさなのかもしれません。
国道312号線である播但連絡道路(E95)は高速道路のような規格であり、橋梁も多く、車有利時代は続きそうです。
峠が終わり、和田山駅に停車し、播但線はここでお終いです。奥の朽ちているレンガ建物が気になります。鉄道遺産とのことですが、かなりの朽ち具合であります。
ここからは山陰本線であり、和田山から下関まで500km以上あることを思うと壮大な路線と感じてしまいます。サンライズ出雲以前の寝台特急「出雲」に乗れるものであれば乗りたいものであります。
そんなことを考えているとあっという間に豊岡駅に到着です。はまかぜは浜坂まで行きますが、本日は豊岡で折り返しのため、降車しました。
こうのとり
但馬地域の中心都市である豊岡からはこうのとりで山陰本線を折り返し南下します。
歩道橋で直結のショッピングセンターはニトリとスーパーさとうがメインですが、乗り継ぎの合間にドリンクを調達するにはちょうど良い場所であります。夏冬は暑さ寒さもしのげそうです。
留置線にいる287系の横から乗車する289系こうのとりが入線してきます。かつては北陸線でバシバシ飛ばしていた風格もなんとなく感じます。
普通車指定席もグリーン席もガラガラであります。のんびり特急旅を楽しむには今がいいのかもしれません。
先ほど見た和田山のレンガ建物を再び見ます。解体もせず放置するのは朽ちていくものへの敬意なのでしょうか。
和田山から福知山駅までノンストップで37分間走り続けます。距離は30kmほどなのですが、夜久野高原あたりは特急電車でも厳しいのかそれなりにゆっくりです。
京都丹後鉄道の車両が見えてくるともうすぐ、福知山駅となります。
こうのとりは16:41に到着し、はしだてを待って16:46に出発していきます。同一ホームでの乗り継ぎなどはネットワークを意識していると言えます。
はしだて
福知山から京都までは特急はしだてとなります。豊岡から京都まで列車は変わるものの特急券は一列車扱いなのか意外と安く済みます。
今回は287系となりますが、普通車指定席はこうのとりとあまり変わりません。
JR西日本では新しい車両に入るため、バリアフリー等の対策が取られており、ドア付近は余裕のスペースです。
福知山を出発して10分程で綾部に到着します。ここでは東舞鶴から来ている特急まいづると併合となります。はしだてにはグリーン車が連結されていますが、まいづるは普通車のみとなっています。綾部から京都までは大編成で都に上ります。
盛岡駅でのはやぶさとこまち程のインパクトはありませんが、写真を撮る人はやはり多かった気がします。あまり行き来する人が少ない貫通扉ですが、国鉄自体からの名残なのかもしれません。
綾部を過ぎると由良川、高屋川、桂川、大堰川、桂川沿いを走るため、かなり景色は楽しめる地帯でもあります。
川沿いの景色を楽しむこと小一時間で二条駅に停車し、終着京都を目指します。
京都タワーが見え、間もなくぐるっと一周旅も終了であります。特急乗り継ぎのため、快適であり、時間はあっという間でした。
東日本では再開発で目にすることがなくなった広大なヤードですが、梅小路ではまだ見られました。
行き止まりの31番・32番・33番は山陰本線の始点と言うことを改めて認識させてくれます。この日は次の乗り継ぎまで時間がなかったので、東海道本線と並行ホームだと良いと感じてしまったわけですが。
最後に
大阪から京都まで新快速で行けば30分弱でありますが、今回は姫路、和田山、豊岡、福知山、綾部と経由して、5時間50分かけてぐるっと周ってみました。
福知山駅での乗り継ぎの際、287、289系だらけであり、やはり要衝と言う言葉がぴったりでした。
今回、歯抜けとなっていた山陰本線の福知山=豊岡間を乗車したため、山陰本線は京都から米子まで乗車したこととなります。下関までの完乗はまだ遠いかもしれませんが。