一連のJR北海道の完乗の旅の最後はひたすら東に進みましたので、お伝えします。
快速 しれとこ摩周
最終日は朝遅めのスタートです。と言っても朝は苦手なので、乗り潰しの時でも大体この時間になってしまいます。
ホテルから網走駅に到着です。こんな世の中なのですが、待合室は結構人がおり、駅弁を買う人が多いのが印象的でした。
地方の駅らしく、出発前に改札が始まります。ちょうど遠軽行きの普通列車と出発が重なるため、改札前には行列ができていました。
3時間近い長丁場なので、座れるか心配となります。
快速しれとこ摩周が停車しています。釧網本線を走り抜ける快速ですが、寂しい一両編成のキハ54形です。やはり、一両で人が溢れないか心配となってしまいます。
快速と表示していますが、実質各駅停車であります。道東に来ると列車に時間が合うこと自体ラッキーと感じるものであり、速達列車や有料特急がないことは当たり前となってしまいます。
ヘッドマーク付きであり、走る沿線をモチーフとしています。確かに乗ると沿線はこんな感じとも実感します。
車内は2-2配列の転換クロスシートです。窓には飲み物が置ける広さがあります。また、折り畳みのテーブルがついていました。テーブルは古くてさび付いていたのか動きませんでした。
満席の不安はどこにやらで進行方向左側の海の見える座席を確保し、出発です。出発とともに「プシュー」と一本目を開けます。
網走駅を出て10分もするとオホーツク海が見えてきます。最初は道路の方が海に近いのですが、途中から釧網本線の方が海寄りとなります。
天気が良くても波は高いですが、きれいなオホーツクブルーであります。オホーツクブルーのスーツを着る政治家がいましたが、そのスーツよりは色は深みがあります。
秋冬には停車しない原生花園駅に停車します。風が強く、これが冬だと凍えてしまいそうでもあります。
出発してからも海はしばらく見えますが、徐々に内陸部に入っていきます。
そして、世界遺産の玄関口でもある知床斜里駅に到着します。ここで乗客の3割ぐらいは降りてしまいます。今回の道中唯一停車時間が長いのでホームに降りて釧路方面を撮影してみます。
それぐらいしか時間はなく、各駅に停車するとはいえ、快速の意地があるのかもしれません。
内陸を走ると広大な畑と原生地が広がる景色が続きます。最初は北海道らしいと思うのですが、しばらく続くので見慣れてしまいます。
名前を見ると山梨県を想起してしまいますが、この駅の以前の駅名は上斜里駅であったものの、町名に合わせて変えたようです。清里町ではいも焼酎もあるらしいです。
フラットな台地から徐々に山道へと変わっていきます。紅葉はこれからと言った感じですが、黄色に色づく草木はかなり色づいています。
野上峠に入り、勾配がきつくなり、カーブも多くなってきます。段々とキハ54のエンジンも気合が入ります。
個人的にも気合のストロングをいただきます。ストロングは後々、効いてくるので飲み過ぎには注意です。
川湯温泉に到着となります。文字通り、峠を越えた感じであり、ここからはエンジン音よりも線路の継ぎ目を跨ぐ音が目立ちだします。
川湯温泉駅では数名降車しますが、数少ない全線直通列車のためか、降車しても車内は結構人が乗車しています。
しばらくは山が近い景色の中を走り続けます。
摩周駅で行き違い列車のため、少し停車します。
すると黄色いディーゼル機関車に白い電源車につながれた列車が入線してきます。不思議な編成です。
その正体はTHE ROYAL EXPRESS ~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~でした。とても、乗れる代物ではありませんが、北海道を走るザ・ロイヤルエクスプレスは新鮮であります。
釧路市内が近づいてくると周りに住宅が見え直性が多くなります。単行ではあるものの常に2メンクルー状態でした。
湿原地帯をあっという間に通り過ぎ、釧路川と合流手前の別保川を渡ると釧路市内と言った感じです。
そして、東釧路駅に到着です。ここで釧網本線166.2kmはお終いとなります。
根室本線で終着・根室駅に
根室本線は東釧路からのスタートとなりました。しれとこ摩周号の東釧路到着が13:28であるのに対して、根室本線・根室行きの普通列車5631Dの東釧路出発は13:31と数時間に一本も当たり前の北海道では奇跡的な乗り継ぎであります。
乗り潰しの観点からすると根室本線が虫食いになってしまうのは残念ですが、それも一期一会であり、根室に向かいます。
始発からの乗車ではないため、ドア付近のロングシートで終始過ごすこととなりますが、それでも沿線の景色は楽しめました。
東釧路駅から30分程で上尾幌駅に到着です。白いコスモスがホームに向かって咲いており、印象的でした。
厚岸駅前後はとても海が近く、30分程はオーシャンビューが楽しめる旅程でありました。
茶内駅で釧路行きの列車と交換です。どこに行っても単行の列車だらけです。
その後はしばらく原生林の中を1時間ほど進みます。単調な景色が続き、ストロング効果もあり、ウトウトしてしまいます。
ウトウトしている厚床駅を通過しており、沿線には牧場が見えたりします。しかし、また眠ってしまい、気が付くと東根室を通過し、終着・根室駅到着は寝覚めの到着でした。
2時間30分を走り抜けたキハ54形は西日を背負っています。寝起きに外気は寒いくらいであります。
駅前もそうですが、全体に山が少ないためか携帯電話の基地局が目立つのが根室という感じであります。
納沙布岬に
5631Dの根室駅到着は15:57であり、納沙布岬に行って市内に戻ってくる最後のバスに間に合う時間であり、すぐにバスに乗ります。
バスはローカル路線仕様でありますが、45分程走り納沙布岬に到着します。
折り返しの市内行きのバスはすぐに出発するので、弾丸で岬周辺を歩いてみます。
本当であれば、朝日がねらい目なのでしょうが、スケジュール的に日没際となってしまいました。それでも朝焼けならぬ、黄昏感はあり、空が赤くなっています。
日本で朝日に一番近い場所で日没を見るという何とも不思議な時間でした。とても寒い一日で折り返しのバスの暖房がとてもほっとする瞬間でもありました。
最後に
今回は完乗した区間は以下のとおりです。
釧網本線 網走=東釧路 166.2km
根室本線 東釧路=根室 132.5km
今日は1日で約300km近くを新たに完乗したため、JR北海道の完乗率は98.0%となりました。
北海道での残りの路線は根室本線の釧路=東釧路間、室蘭本線の東室蘭=室蘭間、函館本線(鹿部線)のみとなりました。
道東の網走から根室まで一気に移動してみましたが、手つかずの自然の中を走り抜ける場所が多く雄大な北海道を感じる1日でもありました。