弾丸トラベルは怖くない!

飛行機、ミリオンマイラー、鉄道、ホテル、海外発券、飛行機旅指南など

JAL A350-1000のシート詳細が発表 個室にしてきた。ANAと比較すると

JALの次世代フラッグシップとなるA350-1000のシートを含めた詳細が発表となったため、まとてみました。

ファーストクラスは残った

ますば、シートマップと各クラスのスペックを見てみます。

クラスは4クラスで、ファーストクラス6席、ビジネス54席、プレミアムエコノミー24席、エコノミー155席のトータル239席となっています。

現在、フラッグシップのB777-300ERではファーストクラス8席、ビジネス40席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー147席のトータル244席と5席少なくなっているものの、ファーストクラスは座席数減ではありますが、維持されました。また、ビジネスクラスの座席が14席増え、プレミアムエコノミーが4割減の24席、エコノミー席は増となっています。

やはり、ファーストクラスとビジネスクラスは儲かるのかトータルでは座席増となっています。プレミアムエコノミーはやはり中途半端な位置づけであり、ビジネスクラスを増やした方がプロフィッタブルということでしょう。

また、エコノミークラスはANAのB777-300ERと比較すると多めであり、エコノミー需要も拾っていきたいと言うことかもしれません。エコノミークラスが空いていないとそもそもチケットは購入できず、上位クラスにアップグレードもできませんからね。

1-1-1配列のファーストクラス

 

ファーストクラスはJALではその昔(21世紀頭)の登場した新スカイスリ-パ-ソロの白いレザーシート以来となる1-1-1配列となっています。B777-300ERと断面積を比較した際のスペックを考慮してと言えますが、個を重視したファーストクラスと言えます。

シートスペック的にはANAのファーストクラスの「THE Suite」に近いと言えますが、シートモニターはANAと同じ43インチですが、JALのファーストクラスではモニターは両サイドにかなり余裕があるので、個室全体の区間の幅としてJALの方が広いと言えます。

操作用のタブレットや個室内ミニバーなど中東系のキャリアのファーストクラスにも似ており、ドーハ路線にもA350-1000が遠い先かもしれませんが、就航するような予感がよぎりました。

サービスとしても、帰依するように着物でサービスするとかすると今の時代ある意味、ものすごいインパクトがあるかもしれませんが。

個室化したビジネスクラス

続いては、主戦場であるビジネスクラスであります。やはりと言うか、世界の潮流通り、個室としてきました。個室のビジネスクラスを採用しているのはANA、カタール航空、エールフランス、中国東方航空などがありますが、ANAに真っ向から勝負してきた感じであります。

ANAのTHE Roomの場合もスタッガード配列ではありますが、シート幅を稼ぐためかシートによっては進行方向と逆向きのシートがあったりしますが、JALの新ビジネスクラスではスタッガード配列であり、すべて進行方向となります。ヘリンボーンのように変に傾きをつけたりしないのは良かったかもしれません。

シート配列は1-2-1配列となります。個室までくるとあまり、シート配列の意識はありませんが。

進行方向と逆でも慣れてしまうと違和感がなかったりします。離着陸時の3点シートベルトは若干面倒ではありますが。JALはのビジネスクラスのシートベルトは2点式のようです。

また、ANAのTHE Roomはソファのように幅が広いのですが、JALの新シートは座席のシート幅(ベッド幅)はJALの従来よりも狭い56cmと狭くなっています。ただ、テーブルはサイドにあり、THE Roomのように目の前にあるのとは違い、使いやすいかもしれません。

個室の壁については半透明パネルが採用されており、圧迫感がないと言うところであります。ANAのTHE Roomはクマケンの監修縛りにより、木目と土壁のような和のダークカラー縛りであるため、この点は良いかもしれません。扉までの間にサイドテーブルがあるため、それも圧迫感を感じさせない効果を発揮しているようです。

窓についてはANAのTHE Roomの障子のような電動シェードではないようであり、そこはJapanテイストはないようです。まあ、暗くするだけなので、シェードをがばっと下げるだけでありますが。

新機軸としてはヘッドレスト内蔵のスピーカーとワイヤレス充電であります。どれくらいスピーカーの音に没頭できるのか楽しみでもあります。ヘッドフォンだと映画鑑賞中などにCAさんが来たりするといちいち、ヘッドフォンを外す必要がありますが、それがないのは良いと言えます。ノイズキャンセリングと聞き取りやすさがポイントになりそうです。
また、ワイヤレス充電については、スーツケースからいちいちケーブルを取り出さずに済むので良いのですが、知らぬ間に位置がずれていたりすると充電されない状態となって、熟睡後に気付くと結局はスーツケースからケーブルを出して、充電とかなりそうです。

シートスペックではありませんが、ビジネスクラスのサービスとして気が付いたのはリラクシングウエア貸し出しサービスであります。

UCHINOとのコラボレーションによる軽くて薄く柔らかく、高い吸水性と保温性を兼ね備えたタオル素材を使用したフリーサイズのプルオーバー型のローブ(ワンピースタイプ)を全座席にご用意しております。

JALホームページより

ANAのパジャマDEおじゃまサービスであります。A350-1000運航便(ニューヨーク線)のみと記載されており、JALとしては初の試みと言えます。また、全席にご用意と書いており、ANAの場合はビジネスクラス利用でオンデマンドでないと貸してくれないので、違いは有りそうです。やっばり、機内で長時間過ごすのにはパジャマは有った方が良いですね。ワンピースは若干気になるところでありますが。

電動リクライニングのプレミアムエコノミー

今回、大幅に座席を減らしたプレミアムエコノミーであり、やる気がないと思いきや、シートはメーカーによるところが大きいですが、正常に進化しています。シート配列は2-4-2配列であり、B777-300ERと変化は有りません。

JAL曰く、プレミアムエコノミーでは世界初の電動シートという事であります。レッグレストは90度まで上がるのでカウチシートまでとは行かないと思いますが、靴を脱いで隣席がいない時は胡坐や体育座りができそうであります。

シートモニターは16インチのANAの15.6インチを凌駕しています。この辺りはあまり意識するところではありませんが。

シートピッチこそ違いますが、A350-900の国内線ファーストクラスに似ている感じがあります。リクライニングは今ではJALの伝統と言える固定式バックシェルであります。

ANAはIOJ(Inspiration Of Japan)導入時にプレミアムエコノミーを攻めたのですが、シートメーカーの問題で攻めなくなり、それ以来トラウマなのかコンサバになっているのとは対照的に座席数が減っても進化をしているようです。プレミアムエコノミーの現在のニーズを考えるとあまり重視していない方が良いかもしれませんが。

エコノミーはシート増でスペックはデグレだが

最後にエコノミークラスを見てみます。エコノミークラスのシート配列は3-3-3配列であります。JALのエコノミーはSKYTRAX「ベスト・エコノミークラス・エアラインシート」6期連続受賞しており、定評はあります。自社のCMでも新間隔エコノミーと打つぐらいであり、前後間隔のシートピッチは:約84~86cmをキープしています。

ただ、シート幅は前世代のB789シリーズのシート幅と比較すると46cmと1~2cm狭くなっています。ただ、シートの素材やシート電源の位置の見直しなど物理的な空間よりも感覚的な空間の広さを改善しているので、その差はデグレとは言えないかもしれません。

何よりも機材が新しく、快適性が増しているので、改善とも言えます。とは言え、ニューヨークまでの飛行時間は長く、機内サービスだけではなく、個人で快適にする手段(首枕を持って行く、エンタメコンテンツを大量にDL、機内で仕事をするなど)をとった方が良いかもしれません。

次の10年を考えた設備

今回、アッパークラスのシートの刷新が目立ちますが、ファーストクラスからエコノミークラスまで設備関連の刷新は大きいところであります。

シート電源ではUSBタイプCがタイプAに加えて採用されおり、ファーストとビジネスではワイヤレス充電も採用されています。個人的にワイヤレス充電は充電速度が遅く、結局ワイヤードとなってしまいます。iPhoneも最新のモデルでは充電口がUSBタイプCになったので、ハイスペックなUSBタイプCケーブルを1本持っていればかなりカバーできます。

また、モニターは各クラスでモニターサイズは異なるものの、すべて解像度は4Kとなっています。4Kの恩恵がどれ程あるのか不明ですが、2030年でHDとなるとかなり古いスペックと言うのも有るのかもしれません。

そして、もう一つのポイントとしてはスピーカーについてアッパークラスではシートにスピーカーを内蔵している点ですが、それよりも全クラスにおいて、Bluetooth接続ができると言うのは大きいところであります。

機内エンターテイメントを楽しみたい時に機内提供のヘッドフォンだと、ノイズキャンセリングが弱かったりし、使い慣れたマイヘッドフォンで接続できるとありがたいのですが、それを実現しています。

JALにとっても、機内で提供しているヘッドフォンが利用されないとコスト削減につながりそうです。

ただ、ANAの新シートでもそうですが、新しいものは意外とバグがあり、売りとしている機能が不具合で利用できないケースも出てくると言え、逆にペインポイントとなるため、細心かつ、最新のメンテナンスが必要かもしれません。

最後に

ANAの新ファースト・ビジネスクラスが4年経過し、JALとしてはかなり暫くぶりの国際線シートの刷新となりました。シートの幅など全段階においてANAを凌駕するとはなりませんでしたが、個室にしてきたり、新機軸のヘッドレスト内蔵のスピーカーや全クラスでヘッドフォンをBluetooth接続できるなど、どのクラスでも地上の日常が利用できる環境となっており、考え抜いた感はあります。来年からJALの修行でもしようかと思ってしまいました。

Copyright ©Dangan-Lucky All rights reserved.