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羽田発着枠政策コンテストによる配分の延長は意味があるのか

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羽田空港

羽田発着枠政策コンテストにより、2020年10月25日から配分されていた発着枠が2025年3月29日まで延長となったため、記事にしてみました。

羽田発着枠政策コンテストとは

羽田発着枠政策コンテストとは航空会社の自助努力だけでは維持が困難な地方路線の充実のため、地域と航空会社による 地域と航空会社による提案に対するコンテストを通じ 対するコンテストを通じて、当該路線に羽田空港の発 該路線に羽田空港の発着枠を配分する仕組みをいいます。

簡単に言うと羽田との路線枠を充実したい地方自治体と航空会社がチームとなり、羽田枠を握る国土交通省に対して提案を行い、枠を獲得すると言うものであります。ただし、国土交通省の官僚が直接審査するのではなく、官僚ではない有識者6名からなる懇談会委員が審査して国土交通省にこの空港は良いですよと評価する仕組みとなっています。いわば、航空版のマネーの虎と言えます。(委員には恫喝するような経営者はいないようですが)

国としては下記に期待しているようです。よく言われる地方創生の取り組みと言えます。ANAやJALがさらに儲けたいので千歳市を焚きつけて、新千歳=羽田枠をさらに貰うという事にはならないようです

  • 路線充実に向けた地域の取組へのインセンティブの付与、取組の高度化
  • 航空会社の自助努力のみに頼らない、地域主体の地方路線の充実
  • 地域住民生活の利便性の向上・地域の活性化

配分対象は3便分であり、使用期間は原則2年間となっています。。

直近のコンテストに勝った空港

2020年5月14日に国土交通省は評価結果に基づく配分方針を決定しています。今回より前は3枠でしたが5枠に拡大しています。順位は下記のとおりです。

空港名 往復/日 キャリア 評価点
鳥取 TTJ 5 ANA 1,225
石見 IWJ 2 ANA 1,192
山形 GAJ 2 JAL 1,163
大館能代 ONJ 3 ANA 1,033
三沢 MSJ 4 JAL 997
下地島 SHI 1 SKY 994

1位から4位まで問題なく枠が提供されましたが5位の三沢と6位の下地島は得点が僅差という事も有り、両空港に対して1年間のトライアル運航を行ない、その実績について有識者が再度評価を行ない、最終的な配分先を決めると言う温情措置がとられていたりします。(その後、航空を取り巻く環境から評価できるものではなくってしまいましたが)

提案内容は色々ありますが、主なものであります。

商工会議所や県職員が利用促進推進のために動く、大手旅行代理店との連携という組織を動かすものがあるほか、航空会社系のツアー商品の造成支援、空港サポーターズクラブ制度の導入、二次交通支援・補助と言った利用者が利用するメリットを受けることによる利用拡大、着陸料減免措置や黒字赤字のシェアと言った航空会社の運航コスト削減などがあります。これくらいしかできませんね。千葉で大きく稼いだZonoさんもNRTには一切、投資していませんからね。

自治体のお金(税金)を利用して、枠を増やし、利便性の向上により、利用の定着と言ったところであり、ある意味ではポジティブなアクションと投資となるのはどうなのでしょう。

延長の延長

以上のようにウィナーである空港は2020年10月25日~2023年3月25日までの枠確保でしたが、コロ助なりの影響で2021年10月に2023年3月26日~同年10月28日に延長となり、さらに2023年3月下旬に羽田発着枠政策コンテストの評価等に関する懇談会が開催され、翌月の4月21日に2023年10月29日~2025年3月29日まで延長されることとなっています。

オリジナルの期間はほぼ、コロ助なりの影響があり、評価できず、ここから2年はコロ助なり以前の状態で評価ができるという事なのかもしれません。

学者だったら、コロ助なりの時代の流動も調査して、今後のこうしたケースの際のギャップとか計測していたら、マネタイズできるほかに権威も有ったにと思います。

羽田空港の実力

以上のように国主導であまり儲からない地域に5~6枠を提供していますが、そもそも羽田空港はどれくらいの発着枠があるのか調べてみました。4本の滑走路があり、3つのターミナルを有する世界屈指の空港でありますが、枠は下記のとおりです。

羽田空港国内線枠

国土交通省 航空局資料より

羽田空港の国内線は49空港、約500便/日就航している大空港であります。その限りある枠を有効活用のためか、近距離は山形、八丈島、富山、セントレアに限られ、基本的には280マイル以遠の都市と接続されているほか、臨時などを除き、すべてジェット機で運用されているのも特徴であります。

羽田空港国際線枠

国土交通省 航空局資料より
国際線についてはコロ助なりの影響も有り、いまだ実現していませんが、2021年夏ダイヤ断面では25か国、51都市、最大140便/日であります。NRTが新東京国際空港から成田国際空港に名義変更をさせたのは東京国際空港であるHNDの国際化再起動が大きいのかもしれません。

国内線500便、国際線140便と約1/4が国際線でもあり、国内線の枠を減らして国際線を増やした方が良くも見えてしまいます。整備新幹線の延伸と高速化(奥羽本線と田沢湖線の強靭化、場合によっては奥羽新幹線の建設)をすすめて、中央リニアの早期開業をして枠の見直しをした方が羽田空港利益の最大化はできそうでも有ります。

羽田発着枠政策コンテストの意味はあるのか

山形

以上からすると単純にビジネスとして儲かるを考えた場合に航空会社の自助努力だけでは維持が困難な地方路線の充実というのは意味がないようにも見えます。

実際に、飛行機以外の交通(鉄道やバス)では廃止が進んでおり、動画チャンネルでも毎日のように営業係数みたいなものから廃止止む無しみたいなものが溢れています。

一方で無人運転の車などはニュースにはなりますが、コンセプト神髄の実現化はなく、かつてのASVのような感じであります。

まあ、大館能代空港ではキャッシュバックが有名になり、利用者が増えたりもしています。同空港は利用者ファーストなのかレンタカー代金を負担する施策があったりと弘前に行くならAOJでなくて、レンタカーで同空港の方がメリットがあったりします。

新幹線とオーバーラップする山形空港と三沢空港については山形新幹線は東京から福島までの255kmは新幹線ですが、その後の福島から新庄までの148.6kmは在来線であり、サンダーバードとかよりものろまと言えます。

実際にフル規格の東北新幹線のはやぶさが東京から新青森まで(実キロ674.9km)を最速は2時間58分(13B,44B)であるのに対して、東京から新庄(実キロ403.7kmkm)は3時間以上かかります。山形始発東京行きが2時間30分切りするとは言え、新幹線のフル規格化とともに高速アクセスのために羽田からの空路を求めるのは理解できます。

平成初頭に新幹線直通を狙ったのと、あくまでフル規格でないと新幹線ではないと考えた当時の知事の違いかもしれません。そのおかげかもしれませんが、北海道まではフル規格で320km/h以上の運転速度が担保されそうです。

三沢空港については東北新幹線の高速化でこれまで同様に八戸が北海道方面でスルーとなると厳しいと言えます。一方でJR東日本としては八戸と新青森の時短で東京から需要増と北海道からの新規需要増となれば八戸の停止やは増やすかもしれません。そうなると、米軍属の需要の有るUS Air Force運営のMSJと言えども減便の可能性はありそうです。

そして、下地島が最大のミステリーであります。同空港はJALとANAのパイロット訓練空港であったことで知られています。宮古島へのアクセスも近いので、宮古空港(MMY)ととも宮古島へのアクセスとしてバイパス路線としてJALもANAもフライトを設定しても需要はありそうですが、LCCのジェットスター(羽田ではなく成田)とスカイマーク(こちらは羽田で頑張っています)であります。大人の事情がありそうです。

最後に

コースト

正直に言うとロサンゼルスやバンコクの枠を増やした方がメリットはありそうですが、逆に触れると負の幅も大きいので国内線の可能性を見ているのかもしれません。

羽田発着枠政策コンテストを深堀してみると、よくわからない領域があり、このコンテストの意味はと思いつつも、何かしらの意味があるのでしょう。

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