ボーイングホームページより
2018年1月18日、ANAはグループ航空輸送事業計画を発表し、その中で、国際線の計画について、考えてみましたのでお伝えします。
- 2018 年度の航空輸送事業計画(国際線)
- 2019年春からは日本発の最新機も導入
- ボーイング787-10型機
- ANAの今後の機材導入予定
- ボーイング787-10型機が国際線で導入路線は東南アジア
- 最後に
2018 年度の航空輸送事業計画(国際線)
増便
2018年度の国際線の事業計画のトピックとしては、6月1日より、羽田=バンコクが増便されるほか、3月25日より成田=成都(中国)が週4往復から週7往復に増便、羽田=香港の州14往復が固定化されます。バンコク便は距離のわりに人気が高いのか、運賃が高いため、座席数が増えることにより、運賃が安くなるのに期待したいところです。
機材変更
羽田発着便では、先日も記事にしましたが、3月25日よりバンクーバー線とクアラルンプール線がボーイング787-9に変更となり、プレミアムエコノミーの設定が再開されるほか、香港線では、6月1日から8月31日までボーイング777-300ER(77W)が設定されています。ファーストクラスの座席やプレミアムエコノミーの座席が開放席として利用できるか注目です。
成田・関西発着では中国路線において、ボーイング767-300ERの置き換えが進みます。成田では、北京線、大連線ではそれぞれ787-8,787-9に大型化し、厦門線ではA320neoに変更となります。関西便では、杭州線、北京線ではA320neoに変更となります。A320neoへの変更は小型化となりますが、最新鋭機材であり、大きな画面のシートモニターを装着し、快適性は向上すると思います。全般的にボーイング767の置き換えで、需給バランスを考慮の上、置き換えていくようです。
このほか、6月から成田=クアラルンプール線がボーイング787-9に変更の予定であり、羽田・成田のいずれもクアラルンプール線はプレミアムエコノミーの設定がされるため、行きは羽田発、帰りは成田着と言う選択肢も拡大します。
2019年春からは日本発の最新機も導入
ANAホームページより
気になったのは、国際線の事業計画に部分において、以下の通り、言及されています。
「あわせて、日本初導入でハワイ路線に投入予定の世界最大の旅客機エアバスA380型機や、ボーイング787型機シリーズでもっとも長い胴体を持つ最新モデルであるボーイング787-10型機を新たに受領し、2019年春から運航を開始する予定です。」
ANAホールディングスでは、2015年1月30日に固定資産の取得としてボーイング787-10型機を3機取得することを開示しており、目的としては国内線の更なる需要適合ということで、国内線専用として利用されることを予定しています。今回、国際線の計画部分において言及されているのは、もしかしたら国際線での使用の準備をしているのかもしれませんでした。
実際に、2019年の年頭あいさつでは、東南アジアで利用することを明言しており、現実となりました。2019年5月前からシンガポールをはじめとして、バンコク線に導入されます。
ボーイング787-10型機
ボーイングホームページより
ボーイング787-10型機は、全長68.3m、客室最大幅5.49m、航続距離は11,910kmで2クラスの場合の座席数は最大330席となっています。航続距離としては北米や欧州には厳しいですが、ホノルルやシドニー、東南アジアには十分な航続距離があります。
3機体のスペック
ボーイング787-10と競合すると想定されるボーイング787-9とボーイング777-300ERのスペックを比較してみました。
最大のボーイング777-300ERと比較する787-10は長さで5.6m短く、客室内幅で0.37m狭いですが、断面形状の違いもあり、幅に関してはあまり差がないようです。現在、ANAでは、ファーストクラスの設定があるボーイング777-300ERでの座席数は(F8,C52~77,PY24,Y112~180)と総座席数212席から264席となっています。一方で、ボーイング787-9ではファーストクラスはありませんが、座席数は(C40~48,PY14~21,Y146~192)と総座席数215席から246席となっています。 ボーイング787-10型機では、ファーストクラスを設定しても、一定の座席数は確保できそうであり、富裕層が利用することが多いホノルル路線ではメリットがありそうです。
ANAの今後の機材導入予定
ANAでは2019年4月までに、予想ではありますが、以下の通り、各機材を導入していく予定です。ボーイング777-300ER型機3機、ボーイング787-9型機3機、ボーイング787-10型機1機、エアバスA380-800型機3機であり、ファーストクラス設定が可能なボーイング777-300ER型機で就航できる路線に余裕ができそうです。
ボーイング787-10型機が国際線で導入路線は東南アジア
導入路線は、シンガポールとバンコクであり、同路線ではボーイング787-9型機とともに同路線に運用されます。
ビジネスクラスは10列目までと787ファミリーの機体で最も長いにもかかわらず、少なめに設定されています。どちらかというとエコノミーの大量輸送と言ったところです。
最後に
ボーイング787-10型機は国際線で利用されることとなり、787-8,787-9とともに、ファミリー一丸となって、国際線を支えていくこととなりました。787ファミリーのコンプリートをしてみたいところであります。