ANAの国際線機材のボーイング767-300ERが国内線、沖縄=羽田で運用されており、その最前列席に搭乗しましたので、お伝えします。
763とは
763とはANAの国内線で運用される際の機材を表す文字列であります。羽田=新千歳でも763は良く見られますが、この場合は、エアドゥのボーイング767-300ER型機の示すことが多く、紛らわしいと言えます。
ただ、西日本方面でANAの国際線機材であるボーイング767-300ERは運用されることが多く、予約画面でおおよそ見分けがつきます。
763の本来の職務は国際線であり、主に中国路線で活躍している機材であります。それこそ、武漢や上海と東京を結ぶ路線や関西と香港を結ぶ路線に就航しています。
世が世であれば、モスクワ便もB767-300ERで運用されるはずだったところであります。
また、過去にはB787のエンジン問題で点検に入った際には、バンクーバーまで飛んだこともある機材であります。
機内は2クラスであり、ビジネスクラスとエコノミークラスとなります。ビジネスクラスは2-1-2配列のビジネスクレードルというシートであります。
基本的には現在、沖縄方面で席巻しているB787-8型機の近距離国際線使用機(78M)と同じシートでありますが、配列が独特であり、真ん中の席はお一人様仕様となっています。
クアラルンプール修行以前からマイル修行をしていた人からするとシンガポールやホーチミン線のメイン機材であり、同機材にビジネスクレードルシートが設置されたときは驚いたものであります。
艦長席とは
艦長席とは宇宙戦艦ヤマトのコックピットのイメージがそのルーツと思われます。同戦艦の艦長席はシップの一番前でかつ、最上階の真ん中に位置しており、その座席は孤高とも言える豪華な一人掛けのシートとなっています。
これと同じような状況が民間機でもあり、おひとりシートで最前列のシートがあたかも飛行機を操っているかのような錯覚に陥ることから、そうした呼ばれ方をしているのかもしれません。
現在、艦長席としてイメージが強いのはJALのB767型機の国内線ファーストクラスの真ん中席の最前列がそれにあたると言えます。
過去の印象では、ボーイング747-400Dのプレミアムクラスに存在した唯一の真ん中席且つ一人席の5D席が艦長席然りと言えます。
国際線ファーストクラス級の1Aと1K席を差し置いた存在感はいまだに孤高であり、座席前の衝立もその孤高さを高めるものでした。
国際線機材763搭乗記
異彩を放つD席
ソラシドエアの沖縄線就航もあってか、臨時便は肩身が狭いのか沖止めからの出発となります。
ジャンボ機に次いで、世に出たワイドボディ機だけあり、近くで見ると風格も感じます。通路側の2列シートは78Mと同じ仕様であり、大きな違いはありません。
ただし、真ん中のD席は異彩を放ちます。国内線専業の76Pのプレミアムクラスと比較しても、独特さは半端ないと言えます。翼の付け根までこの配列が続き、且つ、右肘掛け横には荷物を収納できるスペースもあります。
シンガポールタッチをしていた人であれば、上部に荷物を積めずに、この収納だけに荷物を納めて、降機後さっと入国していた記憶があるかもしれません。
トイレサインやシートポケットは国際線機材らしい仕様となっています。
そして、艦長席は機体のすべてに目をやるという観点からかトイレも良く見えてしまいます。また、機内アナウンスをするCAさんの姿も見守ることができる場所でもあります。
Apple Payに対応した機内Wi-Fi
78Mが国内線機内Wi-Fiに対応したのと同様に763でも国内線機内Wi-FIに対応したかと思い、接続を試みます。
良い感じで接続画面に行きますが、そこは国際線のWi-Fiシステムであり、決済画面より先は進むことができませんでした。
特筆すべきは過去にはなかったApple Payでの決済にも対応しているという点であります。
プレミアムクラスライクに食事
予定通りに離陸し、ベルトサイン着用が消灯すると食事タイムです。78Mとの錯覚から食事が出てくるのではないかと思ってしまいますが、出てきません。
今回は搭乗口手前にあるショップで購入したバーガーとハイボールでプレミアム御膳とします。
食後はスープをいただきます。
しかし、物足りないため、同じく購入した泡盛をいただきます。日本酒や泡盛には飲まれてしまうのは米の力なのかわかりませんが、帰宅後に結構ぐったりしてしまいました。
チェイサーのお水をいただき、すでに三宅島付近に。往年のシンガポール修行の復路を思い出させてくれます。
羽田空港に定刻よりも早く到着し、降機して振り返ると立派なウィングレットをピンと立てた姿はやっぱり767と実感してしまいます。
夜の羽田はリムジンバスの効果が絶大であり、第1ターミナルを出てから、新宿まで20分で到着してしまうのはタクシー以上であり、世界2位の長さの山手トンネル最高と言ったところです。
最後に
国際線機材のボーイング767-300ERで羽田=沖縄線に久しぶりに搭乗し、国際線感覚を味わうことができました。
加えて、最前列の1D席ということもあり、艦長席の歴史を想起してしまい、かつてのB744Dの艦長席でマイル修行をしていたことも思い出してしまいました。