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東海道新幹線でファーストクラスに設定ならず

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先日、JR東海が東海道新幹線に個室を発表したことを考察してみます。

個室の発表

2024年4月17日に東海旅客鉄道(JR東海、Central Japan Railway Company)は東海道新幹線のN700S車両の一部に おいて、個室を導入すると発表しました。

概要としては以下のとおりです。

  • 高いプライベート感・セキュリティ環境を備えた完全個室タイプの座席
  • 個室専用のWi-Fi、レッグレスト付きのリクライニングシート、個別調整可能な照明(明るさ)・空調(風量)・放送(音量)等の設備・機能つき
  • オンライン等での打合せを気兼ねなく行いたいビジネスパーソン、プライバシーを重視されるお客様や周囲を気にせずゆっくりと寛ぎたいお客様など、様々なご利用層・ご利用シーンを想定
  • 1編成につき、2室導入予定
  • サービス開始時期(予定) 2026年度中 

16両編成でたった2席

N700A静岡

この発表を聞いて、最初に思ったのがたった2席と言う事であります。授乳したり、気分が悪くなったりする時に利用する多目的室と変わらない普通の人はほぼ利用することがない存在と感じました。また、その豪華だけどもどこか貴賓室的なイメージからE655系のような皇族専用室のようにも感じてしまいました。

N700Sの最新バージョンの定員は1319席であり、N700Aは1323席であります。その差分は車椅子スペースを増やしたことによるものであります。

東海道新幹線では列車が機材不良等により変更となった場合でも指定席のシートアサインを変えることなく乗車できることに徹底しており、16両編成で普通車13両、グリーン車3両を鉄板としています。発祥は500系を東海道新幹線から撤退させた時期から徹底しています。

いつできるかはいまだに不透明なリニアも一応はかなりの工区で着工できたこともあり、東海道新幹線がゆとり世代になることも想定されることが予想される断面になり、グリーン車以上の上級クラスの検討を発表し、JR東日本、西日本、北海道で提供されているグランクラス級の座席が提供れるのか期待があったところであります。

今回の発表では個別のシートスペックではグランクラスを越えて、グリーン車以上の個室と言う事で日本の鉄道企業としてはトップクラスの利益を生み出す会社らしいとは言えます。

また、競合する航空会社では国内線での投入はないですが、国際線ではJALではフラッグシップ機のA350-1000ではビジネスクラス以上は個室化されており、ANAでもB777-300ERでもビジネスクラス以上では扉付きの個室が設定されており、個室席の需要があったと言えます。

そうした中で、個室需要もある中で個室設定をしましたが、16両編成と日本国内では在来線も含めて最多級の車を繋いでいるのですが、個室はたった2室であります。ドル箱路線で富裕層はたくさん利用している東海道新幹線であれば、1両まるまる個室にしても良いように見えますが、たった2室であります。

この背景としては現状の1319席体制は崩しても、グリーン車以上の座席を設定することは有効ではないと結論づけたことように見えます。

おそらく、設定される2席の個室は現在のN700Sの喫煙ルームをリフォームして設定されるのではないかと思います。そうすることで1319席体制には影響は及ぼさず、2席をグリーン車以上の課金でプラスの収益をもたらすという魂胆もしれません。

たった2席ではあるが

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先述のとおり、1編成で1319席ある東海道新幹線ではありますが、それと比較すると随分2席というのは少なく感じます。ただ、東海道新幹線の場合、東京から新大阪までは今後、すべての車両がN700Sに置き換わっていくことを考えると最速タイプののぞみ、速達タイプのひかり、各駅停車のこだまを含めると1時間当たりの運行本数はピークでは山手線並みの運転間隔での運行であります。ピーク時は5分おきにのぞみが運行されていたりします。

こうしたことを鑑みると編成ではなく、時間での個室の提供を考えるとかなり座席数は多いと言えます。

東北・北海道、北陸新幹線の最速達タイプのはやぶさやかがやきはほぼ1時間に1本おきであります。また、JALとANAの羽田⇔大阪・関西便については両空港を含めても45分から1時間おきであります。

グランクラスは1編成で18席、ANAのプレミアムクラスは機材によりますが8席~28席、JALの国内線ファーストクラスでは5席~12席となっています。

以上のように他路線の新幹線や航空便では1時間に1本となるので、座席数×1が供給量となります。

ところが、東海道新幹線の場合は最速達ののぞみで1時間にMAX12本となると2席×12本=24席となります。グランクラスは凌駕し、ANAのB787やB777-200ERに匹敵する個室供給量となります。さらに、こだまやひかりでも提供されるとなると時間あたりの座席数は増えることとなります。

本当は、一車両まるまるグランクラスにしたかったのですが、現在のシステムを大幅に改修するよりも、リニアもあるので、一時的な改修とJR東海が持つ優越性とも言える1時間当たりの運行本数を生かして、時間あたりの個室提供が最大の経済性があると言う結論に達したのかもしれません。

たった2席かと思いましたが、実は意外な改革であると見えます。

東京から博多まで5時間の個室はカプセルホテル級

N700Sは東海道新幹線のみならず、博多まで通しで運転されている編成も多く、予約システムも鑑みると2026年度での個室予約は東京から博多まで設定されることが予想されます。

そうなると、約5時間の移動は誰にも干渉されない、寝相も見られない座席となり、熟睡するのも良いですし、ZOOMで仕事でバトって大声となっても迷惑をかけない空間となりそうです。そういう意味では前日入りしてカプセルホテルにかける費用と新幹線個室の費用を天秤にかけることとなるかもしれません。

また、東京から福岡までの高速バスのプレミアムシートと比較しても時間を天秤にかける競争力が出てくるかもしれません。

金持ちな社長などの利用が一見すると想定されますが、カプセルホテルやビジネスホテル、高速バスのプレミアシートと天秤にかけると経営者でないサラリーマンも検討の価値となり、バスやホテルにとっては意外と脅威とも言えます。

現状維持を図りつつも、増収策を考えたのは東証プライム市場に上場している日本企業としては賢明な判断と言うのもこうした側面からも見えます。

過去の個室とは別物

過去の新幹線では個室が存在した時期もあります。JR西日本ではひかりはコンパートメント席が設定されており、個室と言えば個室が今もあります。そういう意味では個室の斬新さは少ないかもしれませんが、おひとり様個室が21世紀と言うか令和の時代に時間あたりでは確保しやすくなる可能性もあるのは革新的かもしれません。

過去の個室はある程度人員がいないと割高でしたが、今回の発表では1人限定なので、余計なことは考えなくて良いと言えます。

また、設備については一人前提で設計されており、電源やテーブルなど個人利用に便利されると想定されます。ここも令和時代と言えます。

最後に

今回の個室は2026年度なので、2027年3月から登場することが想定されます。あと3年ぐらい後であります。世の中は大きく変わっていそうで、そうでもないような気がします。

きっと、これまで通り、「東海道・山陽新幹線の個室を完乗してみた」とかという動画があがるかもしれません。時の流れは意外と早く、若年から中年になると魅力はどうかとなりますが、2027年まで続けられているとなれば一応、視てみたいところであります。

現状は個室のみですが、仮にリニアが開通して、目論見通りに新幹線の容量に空きが出来れば、グランクラスのようなシートや個室が専用車両とかできそうでもありますが、タイムイズマネーであり、富裕層はリニアのグリーン車しか利用しそうであり、どうなるのか不透明であります。

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