ANAプレミアムポイントについて、国内線の沖縄と国際線のソウルではどちらがプレミアムポイントが積算されるか考えてみました。
プレミアムポイントのルール
プレミアムポイントの算出方法は4段階となっており、慣れるまではちょっと複雑であります。
まずは飛んだ距離を現すフライトマイルがあります。当初は遠い程、貯まると言うものでした。今回の比較では羽田⇔沖縄那覇が984マイル、羽田⇔ソウル金浦が758マイルとなっています。
続いては、予約クラスであります。この辺りがプレミアムポイントをたくさん稼ぐかの変数となってきます。基本的にはアッパークラス程、積算率が高くなります。(もちろん運賃も高くなりますが)
さらに、路線倍率は2倍、1.5倍、1倍と3種類となっています。国内線は全線2倍、1.5倍はアジア全域とオーストラリア路線、1倍は欧米路線となっています。この辺りは国内線やアジアのビジネス利用者に配慮したものと言えます。商社マンや音楽家、バイヤーなど欧米を渡り歩く人ばかり優先されており、実質的に高いお金を繰り返し落としている国内線ビジネスマンなどに配慮したと言えます。まあ、伊丹空港での搭乗時のダイヤモンド行列がここに具現化されています。
そして、最後が搭乗ポイントであります。ここは掛け算ではなく、最後に足し算であります。搭乗ポイントは3種類あり、400ポイント、200ポイント、0ポイントであります。
おまけのようなポイントでありますが、区間マイルが少ないと結構効いてくるポイントでもあります。基本的に数値が高い程、運賃も高くなります。国内線では400ポイントがつく運賃は多いのも特徴であります。
国際線は積算率100%を境に積算、非積算が分水嶺でありますが、ビジネスクラス/プレミアムエコノミーで70%の場合でも400PP付与されたりします。
また、不思議な200ポイントは国内線で乗り継ぎ専用運賃であるバリュートランジット向けに設定されています。乗り継ぎ(2フライト)毎に付与されるものであり、出発地から最終目的地まで200+200で合計400ポイント付与されます。
国内線
国内線については、下記のとおりになっています。
積算率 150%,125%,100%,75%,50%
150%,100%,70%,50%,30%
上段は国内線専用の運賃であり、5段階となっています。下段は国際線からの乗り継ぎ運賃となっており、国際線区間の積算率に平仄が合わされています。(本当か?)
そして、路線倍率は下記のとおりです。
全国一律 2倍
これが一番おいしく、上級会員修行 in Japanでは、この倍率が沖縄修行に繋がっていると言えます。
400ポイント、200ポイント、0ポイント
搭乗ポイントについては400,200,0とありますが、ここはPP単価に影響があることも有れば、軽微なことも有りますが、基本は400PPは貰った方がドメ専では良いと言えます。
ただし、年々、運賃が上昇しても400PPは普遍なので、2倍キャンペーンがないと0PPで安い運賃で修行をする人も増えているようです。
国際線
国際線について以下のとおりです。
積算率 150% F/A/J
125% C/D/Z
100% G/E/Y/B/M
70% P/N/U/H/Q
50% V/W/S/T
30% L/K
国際線はアルファベット1文字の予約クラスで明確に分かれているので、プレミアムポイント積算としてはわかりやすいと言えます。100%より上はアッパークラス(ビジネスクラス、ファーストクラス)であり、100%以下はエコノミーであります。
変化球としては70%ではPとNが格安ビジネスのPと格安プレミアムエコノミーのNとなります。Nはあまり価値がなく、Pはビジネスクラス確約と言う点と路線倍率で距離の遠いインド路線ではコスパ見合いで価値がありますが、基本的にマイル修行では忌避した方が良いかもしれません。
今回のソウル路線はファーストクラス、プレミアムエコノミーの設定がないため、F/A/J/G/E/P/Nはなく、下位では日本乗り継ぎの欧米線でもL/Kはあまり見かけないクラスであります。
そして、路線倍率は下記のとおりです。
アジア全域・オーストラリア 1.5倍
欧米・ハワイ 1倍
OKA-SIN修行に始まり、クアラルンプール修行の源泉はここであり、1.5倍はやはり美味しいと言えます。ソウルはアジア内なので1.5倍となります。
続いては搭乗ポイントであります。
400ポイント、0ポイント
搭乗ポイントについては基本的に100%以上の積算率は400PP、それ以外は無しとなります。ただし、あまりマイル修行では活用されない先述のPとNは付与されますが、マイル修行本線ではあまり触れることはないでしょう。
余程、魅力的な海外発券にコンバインされていたりする場合は別ですが。
所要時間
上級会員修行において、コスパ(PP単価)が最も重要でありますが、一日にどれだけ、空中にいられるかと言うのも重要であります。いわゆるタイパ(Time Performance)であり、所要時間を比較してみます。
沖縄那覇
羽田発、沖縄発ともに時刻表における飛行時間は2時間30分前後であります。那覇空港が混雑していることはあまりないので、羽田空港の混雑により、離陸、着陸で時間を要して所要時間が伸びると言えます。
羽田と沖縄の区間マイルは984マイルであり、単純に表定速度を出すと6.56マイル/分(728.9km/h)となります。
また、国内線ですのでパスポート不要であり、到着してから次のフライトまでの時間も10分くらいで折り返せますので、乗ってきた飛行機に再び乗ることも可能となっています。「お帰りなさい」と言われたらマイル修行僧認定であります。
ソウル
ANA国際線では現在事実上、最も短い区間のソウル線でありますが、その所要時間は下記のとおりです。
羽田→ソウル金浦 2時間25分前後
ソウル金浦→羽田 2時間15分前後
羽田とソウル金浦の区間マイル数は758マイルであり、単純に上下便の平均値(2時間20分で)表定速度を出すと5.41マイル/分(601.6km/h)となります。
沖縄線と比較して130km/hほど遅くなりますが、もっとも速度が出せる高度約10,000mでの巡行飛行が短くなるほか、ダイヤ上でも目に見えないバッファを持たせているためと思われます。
また、国際線乗り継ぎのゲートはあるものの、基本的には入国するため、その時間を考えるとタッチは厳しい場合も有ります。まあ、1日最大3往復なので、時間が空いたり、冷や冷やするケースもあるので、鉄板修行には向かないかもしれません。
ソウルを1日楽しんで日帰りは実現できますが。
沖縄那覇とソウルを比較
沖縄那覇とソウル金浦をプレミアムポイント積算別に比較してました。下記のとおりです。
積算率 | 沖縄那覇 | ソウル金浦 |
---|---|---|
OKA | GMP | |
150% | 3,352 | 2,105 |
2,952 | ||
125% | 2,860 | 1,821 |
100% | 2,368 | 1,537 |
1,968 | ||
75% | 1,876 | - |
1,676 | ||
1,476 | ||
70% | 1,377 | 1,195 |
50% | 984 | 568 |
30% | 590 | 341 |
ピンク塗りは国際線乗り継ぎの国内線運賃の羽田⇔沖縄那覇の専門の積算率、紫色塗は国内線のスーパーバリューセール積算と国際線乗り継ぎの国内線運賃50%積算と重複しているゾーンであります。
結果的には路線倍率2倍の国内線が全段階で優っており、便数も多い、沖縄一択となりそうです。日帰りベースで考えると那覇空港と金浦空港では那覇空港の方が店舗が多く、たのしく、時間は潰せそうであります。
キャンペーンでの比較
そして、目下、展開されている国際線プレミアムポイント2倍キャンペーンとの比較であります。皆さま気になる所かと思います。
積算率 | 沖縄那覇 | ソウル金浦 |
---|---|---|
OKA | GMP | |
150% | 3,352 | 4,210 |
2,952 | ||
125% | 2,860 | 3,642 |
100% | 2,368 | 3,074 |
1,968 | ||
75% | 1,876 | - |
1,676 | ||
1,476 | ||
70% | 1,377 | 2,390 |
50% | 984 | 1,136 |
30% | 590 | 682 |
通常と同じく、ピンク塗りは国際線乗り継ぎの国内線運賃の羽田⇔沖縄那覇の専門の積算率、紫色塗は国内線のスーパーバリューセール積算と国際線乗り継ぎの国内線運賃50%積算と重複しているゾーンであります。
通常とは逆に全段階でソウルの方が結果的に良くなります。気になるのはPP単価に繋がる運賃であり、マイル修行で利用されるプレミアム株主優待、普通席株主優待、スーパーバリューと比較しても、ソウル発券のHやMの方が良いと言えます。
まあ、ソウル発券の場合、日本止まりと言う人は少なく、欧米に行ってしまうとしても、MやHとなるので、ドメ専のプレミアム株主優待よりもパフォーマンスがあると言えます。
日本止まりでも、場所によっては国内線が微額でついてくるので、それを鑑みると、目下はソウルの方が良いと言えます。
国際線乗り継ぎ国内線運賃に125%は存在しない
そして、今回気になったのが、国際線区間においてJ/C/D/Zのクラスを発券しても、日本国内線は普通席となるのは許容できても、その積算率が100%に留まるという事であります。5年くらい前に国際線乗り継ぎの国内線運賃を国際線積算率に平仄を合わせるとしたものの、ビジネスクラス搭乗では割に合わない結果となっています。
これであれば、Mクラスでアップグレードした方がコスパは最高と言えます。ソウル線でCとかで発券しても、国内線は普通席であり、なかなかアップグレードできないと言えます。
まあ、目下は国際線2倍なので先述のとおり、国内線に足を延ばすよりも、次の欧米、国際線を計画した方がメリットがあり、コスパとタイパも良いかもしれませんが。
うーん、難しい。
最後に
国際線のみのプレミアムポイント2倍キャンペーンは今年限りでありますが、ゲームチェンジャーであります。国内線ライクで行けるソウルでも、ドメ専修行の聖地である沖縄を凌駕しています。
このフェーズでは、単価の良いクアラルンプールなどは結構混んでおり、ソウルも混んでいます。沖縄は退避ではメインランドや香港、台湾松山も対象でありますが、ソウルは欧米が魅力なので空いていたら、ブッコミたいところであります。