空港での飛行機に搭乗する際に必ず通過(一部の乗り継ぎでは不要なケースもありますが)する保安検査場について、国際空港を利用して感じたことについて書いてみました。
保安検査場とは
保安検査場とは基本的に飛行機に搭乗する人を対象に、その本人が機内に持ち込めない荷物を持っていないかチェックする場所であります。
他の言い方では手荷物検査場とかセキュリティゲートとかセキュリティチェックとか呼ばれています。
主な機内に持ち込めないもの
凶器やそれになりうるもの
凶器(銃、ナイフ、カッター、スタンガン、弓矢、ヌンチャクなど)
スポーツ用品(ゴルフクラブ、バット、ブーメランなど)や工具(ハンマー、ノコギリ、棒状のヤスリ、キリ、スパナなど)
その他棒状のもの(木刀、釣り竿、たたんだ状態で60cmより長い三脚など)
生活で使いそうなもの(ナイフ付きのワインオープナー、ピンセット、缶切り)
はNGです。
液体類
アルコール度70%以上の酒類、接着剤、強力カビ取り剤、シンナーなどがNGです。
アクション映画で閉じ込められたときに、その場所にある化学薬品を混ぜてドアを爆破して脱出するシーンを見たことがあると思いますが、そうしたことが機内で実現しないようにしていると思われます。
バッテリー
バッテリーではリチウムイオン電池はワット時定格量160Whを超えなければ、持ち込み可能です。ただし、航空会社によってはその限りでないために事前にチェックした方が良いかもしれません。
その他
炭火焼き用の炭(着火して一酸化炭素中毒の可能性)
業務用の強力な磁石(磁力で電子機器を狂わす)
医療用の細胞(機内で伝染)
加熱式弁当(発火)
など普段あまり持ち込みませんが、地上と違い逃げ場がないため、保安上はかなり厳しいようです。
アメリカ行きの路線ではさらにチェックが入る可能性も
アメリカ行きの路線では過去の飛行機を利用したテロの教訓からか更なる保安強化がされています。
その内容の詳細は不明ですが、搭乗券にSSSSと印字されている場合、搭乗口でさらに検査を受けると言うものであります。正式名称はSecondary Security Screening Selection(第二次保安検査選抜者)であります。
片道切符で米国に入国する場合や滞在時間が短い、米国当局にマークされている氏名と同姓同名などが対象のようですが、明確な基準は公開されていません。
個人的には一度受けたことがありますが、火薬の反応の検査と手荷物の更なる検査でした。
マイル修行では片道を組み合わせたり、短期滞在が多く、こうした検査を受けることもありますが、そうしたことにも対応して荷物は身軽にしておいた方が良いかもしれません。
保安検査場の位置
空港における保安検査場の位置は大きく分けると二つに分かれます。
ひとつは、チェックイン後に搭乗券を受け取った後に保安検査場がある場合とパスポートコントロールで出国審査を受けたのちに搭乗口に保安検査場が設置されているパターンがあります。
日本の空港では国内線・国際線含めてほぼ、チェックイン後に保安検査場があり、そこを通過すれば搭乗口まではラウンジで過ごしたり、ゲート前のベンチで待機したりと自由であります。
チェックイン後に保安検査場がある場合
チェックイン後に保安検査場があるのは世界的にメジャーであります。日本をはじめとして、アメリカや中国(香港含む)やタイ、韓国、ドイツ(一部ターミナルはそうでない)やイタリア、イギリスやシンガポール・チャンギ空港ターミナル4などで採用されています。
メリットとしては、煩わしい空港での儀式(チェックインと手荷物検査とパスポートコントロール)を一連で済ますことができ、それが終了すれば搭乗口まで、パスポートと搭乗券を提示することは必要なく(上級会員でラウンジアクセスする場合や買い物をする場合は搭乗券の提示が必要ですが)、搭乗開始時間までフリーであります。
一方で、大空港の場合、保安検査場がセンターとなっているため、出発時刻が大型の飛行機(エアバスA380-800やボーイング777-300ER)などと重なった場合、保安検査場は5レーンとかあっても、混雑することがあります。
係員のシフトを時間帯で分けている場合、飛行機の出発に遅延などが出た場合、需給にアンバランスが生じた、行列となりがちです。
バンコク・スワンナプーム空港やイタリアの各空港ではそうした傾向が多く、保安検査場で意外と時間をとられるケースがあります。
ビジネスクラス利用や上級会員では
ビジネスクラスや航空会社上級会員では優先レーンを利用できるもののビジネスクラス搭乗や航空会社の上級会員の場合エコノミークラスでも保安検査場では優先レーン(Fast TrackやGold Trackなど)を利用できますが、その内容は空港によって異なります。
ANAの成田空港などでは完全分離されており、かなり効果はありますが、ミラノ・マルペンサではマシン手前までの優先となり、その後は一般客と合流し、一般客が手荷物検査で時間がかかっていると時間を要したりすることもあります。
これは出国を伴う出発だけでなく、時間が限られた乗り継ぎでも影響があり、さらに冷や冷やすることもあります。
ゲートに保安検査場がある場合
搭乗口に保安検査場がある場合は、結構有利であります。利用者からすると搭乗口の改札で搭乗券をかざす時間をある程度読む必要はありますが、保安する立場から言うと搭乗する人数が特定され、搭乗ゲートオープン時間から飛行機のドアが閉まるまで保安検査をすればよく、時間と作業量が読めるのはメリットであります。
利用者観点からするとドアクローズギリギリでもそれ専用の検査場のため、通してくれることが多いと言えます。
こうした仕組みを利用した空港はシンガポール・チャンギ空港のターミナル1~3やマレーシアのクアラルンプール国際空港やフランクフルト国際空港のターミナル2がそれに該当します。
クアラルンプール空港の場合、本質的にチェックな保安検査は搭乗口ですが、その前に一度、出国審査後に大まかなセキュリティチェックがあります。
おそらく、空港内での治安維持の目的が強く、荷物の中に金属の大きな塊などがないかとチェックしているようです。
ベルトを外す必要もなく、パソコンを取り出す必要もなく通過できます。ゲートではそれがすべて必要でありますが。
ゲートで保安検査がある場合、ラウンジでの滞在時間など多少早めに切り上げてゲートに行く必要はありますが、ゲートまで近い場合はあまり気にならず、この方式の方がトータルではメリットがあります。
ただし、ゲートごとに保安検査装置を設置するコストがあるほか、多くの乗り継ぎ乗客が結託して、抜け道を作り出す可能性もあります。
そのためか、チャンギ空港では到着した際にシンガポールに入国か乗り継ぎに関わらず、手荷物検査もあり、一長一短があるようです。
最後に
マイル修行の観点からするとチャンギ空港やクアラルンプール空港の手荷物検査システムが受け入れやすいためか、マイル修行に適していると感じるかもしれません。
たまにバンコクに行くとビジネスクラスでない場合は、集中保安検査センターで待たされることが多く、辟易します。
そういう意味では、ゲートに分散したシステムの方が良いと言えますが、運営者から見ると固定費が増大するため、デメリットかもしれません。
いずれにしても、保安検査場は早めに通過して、早く機内の座席に着くようにした方が、搭乗者にも航空会社にもよいと言えます。