山形県鶴岡市内にある2018年オープンしたホテルであるSHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE(ショウナイホテル スイデンテラス)に滞在しましたので、お伝えします。
有名建築家が手掛けたホテル
同ホテルは2018年開業し、建築家の坂 茂(ばん しげる)氏が手掛けたホテルであります。コンセプトとしては下記のとおりです。
四季折々表情を変える水田風景に、いかに建築を調和させるかが重要でした。 構造的には、基礎部やコア部分以外木造とし、水田風景に馴染むよう考えました。
同ホテルホームページより
言葉通りに外観を見ても、内部にたたずんでいても、窓越しに景色を見てもそう感じる空間であります。
アクセス
鶴岡駅から1.5kmほどの工業団地の近くにあります。チェックアウト後に鶴岡駅まで歩いてみましたが、20分弱かかりました。春や秋は歩くのが良いかもしれません。
三方はホテルの名前のように水田で囲まれています。国道7号線からも近く、車で行く際も迷わずに行けると思います。
また、庄内空港との連絡バスの停留所がホテル前にあるため、飛行機をおりてそのままバスでホテルと往復もできます。バス停名はサイエンスパーク前です。運賃は庄内空港から大人ひとり700円(小人300円)となります。
あたりは繁華街ではないため、ホテルで滞在することがメインとなりそうですが、徒歩5分ほどの距離にファミリーマートがあるほか、日中はお土産が買えそうなショップやラーメン店もあります。
チェックイン15:30 チェックアウト10:00
宿泊記
外観
水田の中、浮かぶ感じがぴったりであります。写真左のドームがスパ棟であり、温泉とフィットネスがあります。右側の三角屋根の建物がメインの建物であり、エントランスやロビー、レストラン、ショップなどがあります。
真ん中は宿泊棟の一つであり、スクエアな建物であります。
水田に浮かぶ印象が強いと言えます。
エントランス
建物までのアプローチはライティングされています。
ドアを開けると二階への階段が存在感を示しています。
階段を上るとフロントがあります。階段の下にはレンタサイクルがあります。
ライブラリー
フロントの横にはライブラリースペースがあります。結構、借りたくなる本があり、本棚の前にあるソファで呼んでも良いですし、部屋に持ち帰って読むのも良いです。
ロビーの時間が消える25時まで利用できます。
ショップ
ライブラリーの反対側のフロントの横にはショップがあります。きれいに展示されており、地元の工芸品から食べ物、飲み物まであります。ほとんどが地場産品であり、地酒はなかなかの種類があります。
ボトル類は冷えていませんが小瓶はキンキンに冷やして販売しているため、購入してそのまま部屋飲み可能です。
今回は、日本酒のスパークリングと地酒で晩酌をします。お猪口も貸してくれます。
テラス
ライブラリーとショップの後ろには大きなテラスがあります。木の美しさがわかる空間であり、水田に映える建物と奥には山並みも見えます。
夜にはカエルと虫の鳴き声が聞こえ、視覚だけでなく、聴覚でも田園風景を堪能できます。
レストラン
FARMER’S DINING IRODORIという直営のレストランがあります。朝(6:30-9:00)、昼(11:00-14:00)、夜(17:30-22:00)オープンしています。午後の時間帯(14:00-17:30)はCaféとして利用できます。結構混んでいるため、夜とかは予約が必要です。
また、今回は利用しませんでしたが、朝食は行列になっていました。朝いちで行った方が良いと言えます。
スパ・フィットネス
スパ
温泉はG棟の先にあります。温泉等へのアクセスはホテルのルームキーでアクセスできます。なお、同ホテルのルームキーはカードキーではなく、ディンプル式の一般的な鍵であります。そのカギについているキーホルダー(昔の銭湯のロッカーの札ぐらいの大きさ)にICが仕込まれており、それで温泉棟にアクセスできます。
ホテルの部屋はオートロックでないため、内側、外側からロックを忘れないようにする必要があります。
大浴場はカープを描いた細長い空間であり、露天風呂と内湯と洗い場と言うシンプルな構成であります。温泉は源泉かけ流しであります。
泉質はナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物温泉であり、透明で柔らかい感触であります。露天風呂の方が温度は高くなっています。
露天風呂からは羽越本線を行きかう列車が見えます。
フィットネス
フィットネスはスパの真下にあります。筋トレマシンが数台とランニングマシンとサイクルマシンがあります。
面白いのは、ランニングマシンは自走式であります。少し慣れが必要ですが、一般的なランニングマシンと違うため、思いのほかペースがいつもと違い汗をかいてしまうため、カロリー消費にはなると思います。
スパとフイットネスは撮影禁止のため、写真は撮れませんでした。
コインランドリー他
コインランドリーは各宿泊棟にあり、それぞれ2台設置されています。洗濯機が一回300円(所要時間は40~60分)、乾燥機が一回100円(30分、一度に追加分をいれれば、60分とか利用可能)となっています。
洗剤はフロントで販売しており、液体ナノックスがドレッシングパック程度に詰められたものを購入できます。価格は30円です。
コインランドリーの後ろには製氷機があります。ホシザキ製のマシンであり、ICEと書いています。どことなく、ドイツの新幹線のロゴにも似ています。
宿泊塔
宿泊と言うは3棟あり、GHY(月山、羽黒山、湯殿山の頭文字)の各棟に分かれています。
ロビーのある棟とは飛行機に搭乗する際のボーディングブリッジのような連絡橋で接続されています。
ワンフロア約30室あり、部屋の広さにあまり大小はなく、すべてスクエアな空間となっています。シマシマの部分はテラスであり、外に出られる部屋となります。約3分の1がテラスのある部屋のようです。
ルーム全景
ダブルルームを利用しました。広さは22㎡と海外と比較すると広くはありません。
ただし、マウンテンビューのテラス付きであり、壁一面の窓の先にテラスがあり、そのおかけで広く感じます。
ベッド
ベッドはダブルベッドであり、海外のホテルのように高くはなく、横になりやすくなっています。そして、窓からの景色を横になっても楽しめる演出があるのかもしれません。
派手なピローやクッションは不要であり、白一色のリネンが同ホテルのコンセプトにマッチしています。
室内設備
室内の設備は十分と言えます。壁一面が収納となっており、扉を開けるとポットや茶器があります。下には空気清浄機が格納されています。
日本のホテルでは最近ずいぶん設置されるようになったセーフティボックスもあります。冷蔵庫もあります。温度調整ができるため、飲み物を一気に冷やしたい時など便利です。
クローゼットには、消臭スプレーと館内着があります。
タブレットがあり、各種情報が掲載されているほか、フロントとの通話も可能です。なお、インターネットは館内専用のWi-Fiがあります。携帯は見通しの良い水田の真ん中にあるため、4Gの電波は好調です。
バスルーム
水回りは「建もの探訪」に出てきそうな木材を多用したシンプルな造りとなっています。
前述のとおり、同ホテルには温泉があります。そのため、室内のバスルームを利用することは少ないかもしれませんが、温泉がオープンする6時前にすっきりしたい場合などに活躍すると思います。
バスルーム自体はユニットバスでありますが、トイレと分離しており、新しさもあり、ピカピカです。トイレはウォッシュレット付きであります。
洗面はシンプルでありますが、清潔感と使いやすさが感じられます。
アメニティは充実しており、ハンドソープや全身シャンプーは肌に優しいものとなっており、余計な香りはありません。
洗面所の腰掛やタオル掛け、ドライヤーを載せておく家具は、ぬくもりのある木工家具であり、同ホテルのプレミア感をさらに引き立ててくれます。
テラスからの景色
建物の前は、水は張っているものの稲は植えていなく、水に浮かぶホテルを演出しているようです。
その先は本来の水田であり、まだ首を垂れる前の青々とした稲が織りなす緑とその先に連なる出羽の青の山並みのコントラストが見事と言えます。
テラスから見える景色を動画にまとめてみましたので、ご覧ください。
動画4K動画となります。
夕方には山に沈む夕焼けも見え、マウンテンビューを選択してよかったと言える瞬間でありました。
そして、朝は朝靄につつまれて水田を見ることができます。
テラスの扉には網戸が付いており、常時網戸は閉めておかないと虫が入ってきます。そこは都会とは違います。
また、夜も室内の明かりに誘われてテラスには結構虫がいます。殺虫スプレーがクローゼットにあり、虫が気になる場合は使うことができます。
最後に
同ホテルはホテル内にいるだけでも価値があり、滞在中のんびりするのが良いと言えます。個人的には窓からの景色が大きな写真を飾っているかのように田園風景が美し過ぎて印象的でありました。