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札幌・丘珠空港 パワーアップでANAは戻って来るのか

札幌と言うとSPKの異名を持つ、新千歳空港(CTS)でありますが、ピュアに札幌市内にある丘珠空港において、滑走路拡張事業があり、それについて考察してみました。

丘珠空港

丘珠空港(OKD)は北海道札幌市東区丘珠町にあり、札幌市内にある正真正銘の空港であります。新千歳空港は千歳市と苫小牧市にまたがる空港であり、札幌の名称は便名ではつけられているものの、北海道の玄関口としての印象が強い空港であります。

丘珠空港は自衛隊の駐屯地の一部であり、札幌飛行場と言うのが正しいと言えます。

滑走路の長さは1,500mであり、就航している航空会社は北海道エアシステム(便名はすべてJAL)、フジドリームエアラインズ(FDA)が就航しています。

北海道エアシステムは丘珠空港がハブ空港であり、道内と東北に就航しています。そして、延期延期が続いていますが、新潟空港を本拠地にする新たなエアラインであるトキエアが丘珠⇔新潟に就航予定であります。

現在の就航ルート

丘珠空港からの就航地は以下のとおりです。

利尻、釧路、女満別、函館、三沢、静岡、名古屋(小牧)、松本

このうち、フジドリームエアラインズはジェット機での運航となり、冬季にはない路線でもあります。これは丘珠空港の滑走路の長さが影響しています。丘珠空港は基本的には道内路線が多く、本社が札幌や北海道支社が札幌にしかないような会社が道内各地に営業などで行く際に利用するのがメインであります。

ANAは2010年に丘珠空港から撤退

セントレア着陸

ANAについては、以前はエアーニッポン(現在で言うとANAウィングス?)にて、丘珠空港から道内主要空港に就航していましたが、2010年7月に同空港からの路線を撤退し、その代わりとして新千歳空港から道内主要空港に路線を変更しています。

同社の主張によると、丘珠空港にて同社が運航していた機材であるDHC8-Q300がディスコンとなり、今後、運用ができなくなり(主に滑走距離の問題)、丘珠空港の滑走路スペックで運航できる機材がなくなり、代替と考えているQ400では丘珠空港では離発着ができないため、2009年3月に新千歳集約ということであります。

空港を抱える札幌市は丘珠撤退に反発するものの、当時、経営リソースを国際線に投下したかった伊東ハム体制も有り、翌年には自治体の意見はスルーして、民間航空会社としてはハードランディングで丘珠を撤退してしまいました。

いまでも道東に行くとなると、丘珠にANAがあればと思いつつも、札幌駅から数分のホテルであれば、快速エアポートに乗って新千歳に行っても、バスに乗って丘珠に行っても時間が変わらないところであります。地上交通費は高くなりますが、ビジネス利用であれば、建て替えと経費負担となります。

そして、道東方面は最早、JRは確実な乗り物でもなく、お金を払えば払う程赤字になるので、鉄道好きとして大きなアンチテーゼであり、悩みどころと言えます。この問題は多くの人が不幸になる問題であり、鈴木さんは若いうちに答えを出さないといけない事案と言えます。

ただ、ANAについては、新千歳に移行後にANAは釧路、稚内、女満別、根室中標津、利尻(季節運航)、函館は常に運航しているので、一応は仁義は有るようにも感じます。トクたびマイルでの設定路線も多く、JR北海道利用よりはメリット多そうです。

丘珠空港拡張計画

丘珠空港の拡張計画の肝は滑走路の延長であり、延長により、期間による縛りや、機材による縛りが、かなりフリーとなるため、延長一択と言え、長く伸ばすほど意義はあります。

とは言え、滑走路を長くするためには用地が必要であり、自前の土地で完結するとしてもその先の他の土地での騒音などの対策も有り、簡単には行かないところがあり、今回は1500m+300m、合計の1,800mとなりました。一般的にジェット機が通年離発着できるとなると2,500mは欲しいところであり、丘珠空港は現在と比較すると門戸は広くなるものの、制限はありそうです。

上図は札幌市が滑走路の長さ(現状1,500mと拡張1,800m、拡張2,000m)において、離発着できる機材を一覧化したものであります。

今回、落着した1,800m案では、FDA運航のERJジェットは通年に離発着可能であります。また、2010年に撤退し、後継機として、丘珠以外で運航しているANAのQ400も通年運航可能としています。勝手に撤退を決めて一時は、憤りさえ感じていた札幌市も背に腹は代えられないのか、ANAがローカルメインフレイターのQ400を記載するのはケイトウィンスレットが笛でカンバックと伝えるばりの必死さがあるのかもしれません。

やっばり、国内屈指のANAには利用してもらわないと丘珠の成長はないと思っているのかもしれません。

北海道新幹線延伸と高速バスの崩壊

h5系

北海道新幹線は文字通り、路線の道中(羊蹄山付近)のトンネル工事で化け物岩に遭遇し、工期が伸びると言うような発表がされています。昭和黎明期に確立した旧国鉄の在来線は、そのメンテナンスとしても、新しい気候変動に直面しては、最早ぎりぎりであります。余程、21世紀に開通している北海道縦貫自動車道(いまだに全通していませんが)の方が高規格でありますが、冬場は雪の影響を受けたりします。

しかし、整備新幹線の被災率は低く、震源地から遠かったとは言え、整備新幹線区間である東北新幹線の盛岡⇔新青森間、高崎⇔長野間は割と震源から近い場所(長野は14:46の後の夜に相当強い地震が直下で発生)にあったにもかかわらず無傷でした。その代わり、既存の福島・宮城区間は大きく被害を受けましたが、1000年に一度の被災でも文明崩壊は起きずに、数か月後に復旧したのは新幹線を企画する際に建設物を規定した人の偉業と言えるかもしれません。JRTTの人が凄いのか不明ですが、新幹線はやはりすごいですね。

1000年に一度の地震は除いても、台風、大雨、大雪でもさらりと運行してしまう新幹線はすごいのですが、その運賃の高さから、それを忌避して、直行で安い高速バスを利用する人も多いと言えます。

実際に、新幹線の路線がある地域は並行して高速バス路線が存在し、新幹線に負けることなく、存在感があるのはダブルスタンダードとも言えます。

そんな高速バスは東名阪でも、山陽区間、新潟区間、北陸区間でも存在しています。しかし、ここにきて、北海道では不思議な現象が起きています。

news.yahoo.co.jp

バンクーバー在住の鉄道系動画サイトの人のネタになりそうですが、札幌と函館を結ぶ高速バスが10月以降に半減すると言う内容であります。1便減は理解できますが、一気に半減となるとかなりのインパクトであります。これが新幹線延伸後であれば理解できるのですが、そうではなく、寝耳に水の翌々月からとなります。

競争力としては4時間かかる特急・北斗とコスパは全然良いので、競争力はあるのですが、それが問題ではないようです。

理由としては運転手不足という事であります。運行距離が長くドライバー交代制といはえ、走行距離の長い、北海道らしいとも言えます。また、働き改革と言うコスト削減強制も有り、長時間労働が厳しくなっていることも有ると言えます。新体制では要員をさらに確保する必要があり、そうしたことが無理であり、減便に繋がっていると言えます。

また、いままでは仕事時間は長いものの、高給取りでペイしていたスタイルが、労務環境の激変により、タフワークができなくなり、体調をセルフで整えても、稼ぎに寄与しなくなると。面倒臭い、いい年なのでリタイアするという人が続出するのは理解できます。

AIとか言いつつ、自動運転と言っても、テスラの車以外はそうなっていないのは、役人のスキルが低いと言えます。2000年ぐらいに上信越自動車道でASV実証みたいなことがありましたが、あれから20年たっても何も進展かせないのは役人が最終的にやる気がなかったと言えます。地震と原発と円高対策に忙殺されているのでしょうか。

道南と札幌を結ぶ路線は潤沢に

キハ263系

道南(函館)と札幌を結ぶ路線は下記になると言えます。

北海道新幹線(新函館北斗⇔札幌)

北海道縦貫自動車道

飛行機ルート(HKD⇔OKD,CTS)

在来線(貨物専門)

高速バス

マイカー

このうち、高速バスは高速道路のインフラが充実するとは言え、運転手不足であり、自動運転技術が実現しないと消滅して再起動はできなくなるでしょう。宝の持ち腐れであります。

北海道新幹線は本命と言えますが、今から8年先となると開通までは、かなりのロスがそれまで出るでしょう。時間がかかるとインフレで工費拡大を一蹴するような政治家がいないのは今の日本でしょう。大泉洋さんのお兄さんに期待したいところでもあります。

航路は丘珠空港の滑走路延長が実現できて、体制は変化するとは言え、勝手な撤退に憤りを感じつつも、カンバックを要請している市に応えたいところでありますが、道民の脚だけでは、リターンできないANAがどう出るかと言うところであります。

結局のところ、災害対策では世界一と言ってもいい程の可用性がある新幹線がないと21世紀後半の北海道はなりたたないでしょう。産業撤退が、人口減少の後に来るでしょう。国の存続を考えると北海道に住んで働くことを優遇してもいいかも知れません。

そして、ちゃんとした道路を造れば、経済は発展すると言ったモデルも21世紀後半には成り立たないのが、バスのドライバー不足からも見えてきます。

最終的にマイカーで移動と言っても、そもそも人が減っており、車で移動が面倒と思えば、首都圏に移り住む人が増え、高規格道路の投資効果が減ると言えます。

文字通り、どの道も明るくない未来と言えます。「安心して下さい」と言えない未来と言えます。

最後に

函館から札幌の区間はいつまでたってもストレスを感じる移動ですね。スーパー北斗が出来て2時間59分で早くなったと思ったら、それも21世紀になり、遅くなり、安い高速バス一択かと思うと人気ではあるものの、運転手不足で便数が半減と何だこりゃと思うくらいのディスコンであります。

丘珠空港の経緯から見ても現知事のみ問題はあるとは言えませんが、やばい導火線がどこで着火しているかなどわからないものですかね。権力はあるので、うまく行使して欲しいところであります。

北海道のモビリティーは現在が最も、困窮しており、一次受けのJR北海道や道内のバス事業者は悲鳴とも言えそうです。新幹線や丘珠空港拡張など明るい選択肢ができるまでにできるプランを早々に考えたほうが良いと言えます。ニセコがいつまでもプレミアムブランド化と言うのはわかりません。

まさかのANAがA220を採用して、脱プロペラ化をしたリするとサプライズであり、面白いかもしれません。ジェット化した方が時間もメンテナンスも良さそうであります。

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