小田急ロマンスカーの「えのしま」EXE車両に乗車しましたので、お伝えします。
小田急ロマンスカー「えのしま」
えのしまは小田急新宿と片瀬江ノ島を結ぶ特急列車であり、小田原線と江ノ島線を走る列車であります。
平日5.5往復、土日10往復(朝晩のモーニングウェイ、ホームウェイ含む)で運転されています。一部は東京メトロの千代田線に乗り入れており、最北は北千住まで到達しています。
車両についてはEXEα(30000形)がメインであり、近鉄でいうとスタンダードタイプの22000系に近い感じであります。
レアな存在では展望席のあるGSE(70000形)も一部で運転されているほか、MSE(60000形)で運行される列車もあります。
停車駅
停車駅は以下のとおりです。
えのしま号
新宿駅-新百合ヶ丘駅-相模大野駅-大和駅- 藤沢駅-片瀬江ノ島駅
メトロえのしま号
北千住駅-大手町駅-霞ケ関駅-表参道駅-成城学園前駅-相模大野駅-藤沢駅-片瀬江ノ島駅
JR湘南の新宿発の場合、渋谷と大崎の後は藤沢までノンストップであるのに対して、えのしまは都心部は新宿のみで郊外で降車するタイプの列車であります。
メトロえのしまは大手町や霞が関に停車するのでJR湘南の東京始発ともライバルであります。
JR湘南との所要時間比較
新宿と藤沢間のJR湘南と小田急えのしまの所要時間を比較してみました。
小田急えのしま 50~68分
JR湘南 49~54分
この比較はJR湘南は新宿に乗り入れている2.5往復、小田急は朝晩はモーニングウェイ、ホームウェイを含んだ5.5往復で所要記載しています。
いずれも小一時間の50分台が多く、時間的にはあまり変わらないと言えます。
JR湘南との運賃比較
新宿から藤沢までのJR特急の運賃を比較してみました。以下のとおりです。
運賃 | 特急料金 | 合計 | |
---|---|---|---|
えのしま | 600 | 630 | 1,230 |
湘南 | 990 | 660 | 1,650 |
JRの特急券はえきねっとチケットレス割引きであり、紙のチケットよりも▲100円となります。それでも、小田急の方が420円も安く、メリットはありそうです。
ただし、2022年10月より小田急ではロマンスカーの特急料金の値上げを予定しています。同区間では紙の特急券は+120円の750円、チケットレス特急券では+70円の700円となっています。
それでもJRよりは安いのですが、同区間を定期券で利用する場合は運賃は気にならなく(学生は別として)楽々に帰るのにどちらが安いかと考えてしまい、定期ルートを変える人がでるかもしれません。
乗車記
小田急藤沢駅
藤沢駅前は一応、小田急エリアでもあり、小田急の商業施設もあります。
JR藤沢駅は橋上駅ですが、小田急は地上駅であり、昔からの駅と言う感じがします。
小田急と言えば箱根そばでありますが、藤沢駅にも改札の目の前(改札外)にあります。隣はセブンイレブンとなっていました。
今回は19:49発の6号に乗車です。始発と勘違いしていましたが、片瀬江ノ島からの途中停車です。と言っても藤沢駅の構造からするとスイッチバックであります。
となりにはライバルであろう下りのJRの湘南が停車しています。結構人は乗っています。
ロマンスカーEXE車内
途中停車なので、3分停車であっという間の出発です。多目的トイレがあり、デッキのデザインは最近の特急列車の感じであります。
反対側から見てみます。バリアフリー対応が採られており、客室内へのドアも広く設計されています。
PASMOが使える自動販売機も設置されています。ただし、ソフトドリンクのみです。
車内全景です。小田急30000形は1996年に登場した列車であり、25年年以上経過したオールドでありますが、2017年からリニューアルをされており、もともとのデザインが良かったこともあり、コンテンポラリーなデザインの列車であります。
小田急の特急にはグリーン車のようなアッパークラスはなく、すべて普通車でありますが、カーペット敷でシートはふっくらとしています。
反対側から見てみます。背面テーブルはありません。窓が大きいのも特徴であり、統一されたデザインのJR特急とは一線を画すところがあります。
シートピッチは広いというわけではありませんが、狭いというわけでもありません。小田急の特徴として二つの座席の間に可倒式ひじ掛けはありません。
2017年のリニューアルと言うこともあり、電源コンセントやWi-FIが装備されています。これはJR湘南も同じであります。
背面テーブルがない代わりにひじ掛け内にテーブルが収納されています。カクテルテーブルにしては大きく、弁当を食べるにはちょっと狭い感じがしますが、おにぎりやパンぐらいだと十分です。
出発
藤沢を定時に出発して14分で大和駅に停車します。相鉄との接続駅でもあり、ここでも新宿駅バトルが発生する駅であります。
続いて、大和駅から5分程で小田急にとって重要なジャンクションである相模大野駅に停車します。無情にも20:09発の新宿行きの快速急行がすれ違いで発車して行きます。
これに接続できると町田、登戸、下北沢、代々木上原には最速なのですが。
代々木上原駅まで来ると千代田線の香りが漂い、東京メトロとJRの車両がいます。ライバルでもあり、パートナーでもあるというJRと小田急であります。
新宿駅到着
どん突き駅の新宿に到着し、旅はこれで終わりです。世界一の乗降客数の新宿駅は京王(一部)とあわせてどん突きだから世界一なのかもしれません。
外に出てみます。この景色ももう少しでなくなり、東京駅みたいな超高層の建物ができることでしょう。その頃の新宿の勢力がどうなっているのか気になるところですが、とりあえずインバウンド復活すれば、何とかなりそうでもあります。
反対側を見ると元祖日本の摩天楼の西新宿であります。太陽にほえろ!など刑事ドラマでは頻繁に出てきた光景ですが、21世紀では丸の内や六本木、虎の門がはるかに高層ビルが多いわけでありますが、大人な日本人にとっては刷り込まれた景色なのかもしれません。
最後に
今回は小田急ロマンスカーの江ノ島線特急のえのしまに乗車しました。JRとの対決が藤沢と大和であり、随分時代も変わった感じがします。
車両自体は昔からありますが、最近、リニューアルされたこともあり、近代的であり、ある意味E257系と同等かそれ以上な感じも醸成されています。
都心の人口が減るとどうなるかわかりませんが、意外と沿線に住む人が増えると都心や都心の先の田園地帯に行く需要が多くなり、まだ活路はありそうです。