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さらば、キハ281系「北斗」乗車記・グリーン車

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キハ281系

2022年9月30日で定期運用を離れたJR北海道のキハ281系に乗車してみましたので、お伝えします。

キハ281系

キハ281系

キハ281系は1994年3月1日にスーパー北斗として投入されたJR北海道の肝いり、且つ鳴り物入りで車両であります。

同車両は日本の鉄道史ではかなり革新的な車両であります。いまでこそ、色々あって120km/h運転ですが、1994年3月では日本初の気動車で130km/h運転をしています。

また、同列車運用以前は3時間29分かかっていた(令和の今よりも早い)のが、2時間59分と新幹線でも開通したような時短を実現しています。

そして、表定速度は106.8km/hと化石燃料搭載で身重にもかかわらず、在来線では日本一となり、当時は何が起こったのだろうと思うぐらいでした。

現在の在来線での表定速度トップは線形の良い湖西線と北陸線を電力で走るサンダーバード37号が106.33km/hであり、28年も前からトップランナーだったのは、地元・北海道出身のウルフと言われた横綱・千代の富士に近い存在かも知れません。

そうしたキハ281系も「体力の限界!!」と言わんばかりに2022年9月30日で定期運用を外れてしまい事実上の引退となりました。

この先は、セレモニー的な運用として2022年10月22日と23日に、当時の名前のままの「スーパー北斗」として、1日1往復して大円団となりそうです。

ただし、所要は3時間切りではなく、現行の北斗と同等ですが、停車駅は東室蘭のみと尖っています。

乗車記

南千歳駅 キハ281系

今回は南千歳駅から北斗16号にてキハ281系に乗車します。動画系の人たちが長崎に行っている中、逆張りのをしたためか、ホームは静かでしたが、それでも撮り鉄の人たちは多かったです。

キハ281系グリーン車設備

キハ281系グリーン車位置づけ

北斗16号函館行き
281系グリーン車

今回はグリーン車であります。珍しく7両編成でありましたが、グリーン車は2号車でした。

キハ281系グリーン車

グリーン車は10年ほど前に183系とともにリニューアルされた座席であり、1-2配列であります。ハイデッカーではありません。また、振り子式の加重配分を考慮してか、前方と後方では1-2と2-1とシート配列が変化しています。

これはオーシャンアローとかでも同様でした。

キハ281系グリーン車窓

グリーン車は1列1窓のため、外れはありません。今回は一人席の海が良く見える7Dでした。

キハ281系グリーン車インテリア

全体的に高級感は昔からありますが、改装はしても、出来た当初の面影を残しています。

キハ281系グリーン車電源
キハ281系グリーン車読書灯

令和なので電源や読書灯も装備されています。

キハ281系グリーン車デッキ部

キハ281系のグリーン車のデッキ部であります。乗務員のブースが多いですが、どう見ても車内販売であったようなブースがあります。いかめしとか売れば売れそうなブースであります。森の名物は載せても、長万部は旅客在来線の存続にポジティブではないので、長万部名産のものはNGで搭載しない方がいいかも知れません。

個別ブース

談話ブースなのか携帯ブースなのか微妙な広さのブースも有ります。繁忙期は自由席券で占拠する人がいたかもしれませんが、既に過去となっています。

キハ281系先頭部

これも鉄道史とは珍しい281系の先頭部であります。貫通扉のある先頭車であり、その扉はガラス張りであります。もともとはアクセスでき、前面展望が堪能できていましたが、最近はコンプラと安全性からアクセス禁止となっています。

その昔から、在来線こだまができた時点から前面展望は危険と言うことでなかったのですが、それを塗り替えたという点では歴史的だったかもしれません。

しかし、乗務員なのか、そうでないのか誰かいました。

停車駅は多いが海岸ビューだらけ

白老駅
登別駅

苫小牧駅を出発して、白老、登別に停車し、既に海岸線は走行しているのですが、やはり東室蘭を過ぎたあたりからが絶景と言えます。

苫小牧駅

特急・北斗は千歳線、室蘭本線、函館本線を経由する特急であり、東室蘭駅あたりからは室蘭線・函館線は噴火湾沿いをしつこく走る路線でもあります。

東室蘭駅はJR貨物の拠点でもあり、折角電化されているのであれば、電気機関車を利用すればと思うのですが、DF200形が沢山います。千歳線もDF200形が多く、こちらの方がトータルコストでは効率的なのかもしれません。

白鳥大橋

遠くに白鳥大橋が見えます。サンフランシスコのような景色でもあり、地震大国でもスレンダーな姿は結構珍しいかもしれません。西日が15時くらいですが、きついところでもあります。

撮り鉄1
撮り鉄2
撮り鉄3

また、引退間近と言うことも有ってか、沿線には撮り鉄の人が多く、列車からも認識できるくらいでした。海岸沿いとか風が強い中でもベストショットを探るのはさすがと言えます。

室蘭本線

線路と海岸も近く、臨場感は格別であります。また、281系はやはり振り子フリフリが絶妙であり、261系のように雑にGが持っていかれることがないのは良いです。

そして、騒音も281系の方が静かに感じてしまいます。バイアスかもしれませんが。

昭和新山

車掌さんが昭和新山の案内をするので反対側から撮影してます。新幹線はトンネルがで出来てしまえば、令和新山が新たに出来ても運行上は影響なしかも知れません。新幹線万歳なのでしょうか。

駒ケ岳(北海道)が北極星

駒ケ岳

室蘭本線と函館本線においては駒ケ岳が常に見えるのも特徴的であります。噴火湾が大きくカーブしているため、それを実現しているのですが、とにかく印象的であります。

洞爺を過ぎたあたりでは遠いですが、だんだん大きくなってきます。

長万部に向かって大きくカーブ

この辺りまで来ると道南と言った感じであります。振り子のフリフリも心地よくカーブしていきます。地図を意識するような地上からの景色はここくらいです。

iphone14pro

これは最近新調したiPhoneですが、なかなかの描写であります。まあ、中古のフルサイズミラーレス一眼よりも高いのでこれくらいは当たり前であって欲しいですが、リクエストには応えています。

長万部駅

長万部駅に到着です。長万部と言うと古畑任三郎の部下の今泉慎太郎が飼っていた猫の名前とか思い出してしまいます。

新幹線駅確定なので、在来線はどうでもいいみたいですが、どうかと思います。室蘭方の需要も有りと試算してるようですが、本州からノンストップの新幹線だと札幌から、苫小牧、室蘭需要はありそうであり、長万部は倶知安以下となる可能性もあります。結果的にどうなのでしょう。

噴火湾 函館本線

函館本線に入るといよいよ駒ケ岳が近くになってきます。それでもまだ対岸な感じがします。噴火湾の湾曲具合が地上でもよくわかります。

黄昏時期

北斗16号は札幌発15時前であり、函館着は18時半過ぎであり、森近くとなると黄昏景色であります。東室蘭辺りは西日バリバリで眩しいかったですが、この時間になると印象的であります。

駒ケ岳の黄昏

黄昏と駒ケ岳であります。北斗にとっては駒ケ岳が2/3以上、見え、航路であれば、進路羅針盤の北極星のような存在と言えます。もっとも線路はつながっていればその通りに走り、星のような目印は必要ありませんが。

大沼公園駅

スーパー北斗はスルーしていた大沼公園駅にも到着します。ここまで来ると薄暮となり、空の明るさと照明が印象的であります。

新函館北斗

新幹線駅の新函館北斗駅に停車です。かつての青函航路のような連絡性はないものの、新幹線に乗り継ぐ人は多く、現地現物を確認しないライターには意外なパフォーマンスかも知れません。

まあ、人流と経営は別であり、答えはどこにあるかわかりません。

北斗281系

反対側には下りの北斗281系とすれ違いました。夜勤業務をこなし、札幌泊のようです。夜鳴きラーメンとか食べればよいのですが。

終着・函館駅に到着

函館駅の281系

どんつき駅の函館駅に到着です。乗車した乗客の1/4は札幌方の先頭車両の撮影に向かいます。私もそうですが、回送で同ホームを離れるまで離れません。

たしかに、これで見納めとなると離れがたいところであります。列車は到着後事務的に出発しますが、なぜか、すぐに停止します。何かのトラブルかサービスタイムかわかりませんが、撮り鉄の方々はひたすらシャッターをきっていました。

キハ281系

こんな感じでラストショットとなりました。

函館駅

はるばると言う感じもなく、よく来ている函館駅であります。北海道新幹線の札幌開業で近くなるようで、札幌開業時の並行在来線の問題で新函館北斗と函館市内の距離感はどうするか未決なのは怖いところであります。

ANAとJALが次の世紀も東京便を担うこととなるかもしれません。

最後に

281系振り子

鉄道史を塗り替えた特急も粛々と消えていくのは残念でありますが、それでもJR北海道の計らいで10/22,23日には臨時ではありますが、往年の「スーパー北斗」の名がついた特急が函館⇔札幌間を走ります。

これがラストですが、座席数が限られており、満喫できないために9月内に乗車し、今回早めに卒業しました。四半世紀前に今に通じるような記録を残し、乗り心地も絶対的には良いものがなくなるのは残念であり、それを後継する車両がないのは残念であります。

もともとはHEAT281であり、 Hokkaido Express Advanced Train(当初は少し違いましたが)であり、まさにアドバンスの車両でした。加えて、鳴り物入りと言うことで当時はJR北海道ではTVCMも作り、その印象があります。

復権とは言いませんが、こうした時期の魂を新幹線など妥協せず、組み込んで欲しいところであります。今は天晴と送り出したいところであります。

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