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【羽田空港アクセス線】ANAの方が便利そうだ

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羽田空港

JR東日本は東京・新橋・上野方面から羽田空港まで直結する羽田空港アクセス線について正式に工事を始めることをリリースしたため、その件について考察してみました。

JR東日本が本格的に羽田空港アクセス線に着手

羽田空港アクセス線

今回、発表されたのは「東山手ルート」であります。概要は下記のとおりです。

同路線は東京駅から羽田空港まで進むとすると上野東京ライン(東海道線)にて田町まで進み、田町駅付近からから単線区間で半地下から地下に潜り、東海道線下りと東海道新幹線を渡り、もともとJR東日本が保有し、遊休となっていた線路と接続します。この際に、並行して東海道新幹線が多い車両基地への引き込み線があるので、新幹線の景色がある意味楽しめるでしょう。

トンネル

そして、ドクターイエローがよくいるJR東海の大井車両基地の横にある東京貨物ターミナルを経て暫くすると、ここからは膨大なコストがかかる海底下に潜る新線となります。

最大深度約 50m、延長約 4.2㎞の複線シールドトンネルと言う、現代の都心部では当たり前になりつつある工法で進めていくと言う工法であります。

B滑走路の端とほぼ垂直に交差するので地下しか選択はなかったのかもしれませんが、高架橋であるとターミナルとの平面移動ができたかもしれません。

海の下を通すとなると最近は一択の工法でもあり、結果的にコストが高いのかもしれません。一方で羽田空港の設置される駅は大深度ではなく、上下移動は少なくなっています。羽田空港は現状、上下移動も大きい(国内線ターミナル)のでそれを考慮したのかもしれません。

総事業費は約 2,800億円であり、東京貨物ターミナルから羽田空港のエリアまでの区間が最もコストがかかりそうであります。新幹線と比較すると安いですが、まあ、都心でないと決裁が降りない案件である金額であります。また、津軽線の廃線見込みの中小国=三厩間の復旧のための数億円を出し惜しむのと対照的です。

東京駅からの時間は18分

東京駅

東京駅からの所要時間は約18分という事で東京モノレールの空港各ターミナルまで浜松町駅からノンストップの空港快速の所要時間は18分と同じであります。

ただし、東京駅と浜松駅間は山手線・京浜東北線で6分かかり、浜松町駅での乗り換えは導線の改善により便利とは言え、空港快速は日中は10分おきなので5分ぐらいの待ち時間は必要となり、トータルで見ると東京駅から29分かかるので11分の短縮と乗り換えなしは便利となります。

よく言われる4時間の壁で計算される場所でありますが、羽田アクセス線が開業する頃に同じく開業する北海道新幹線・札幌延伸と比較してみたいと思います。

飛行機

東京駅⇒羽田空港駅 18分

羽田空港駅ホームから改札 1分

改札から保安検査場通過 10分(混雑無しの場合)

保安検査場から搭乗口 5分(幹線なので保安検査場に近い前提。JALやADO便は+2-3分)

余裕時間 5分(出発時刻10分前にゲートが閉まるので)

飛行時間 95分(時刻表ベース)

新千歳空港搭乗口から新千歳空港改札まで8分

快速エアポート待ち6分(12分おきなので中間をとると)

新千歳空港駅⇒札幌駅 39分

トータルでは179分(2時間59分)となります。ほぼパツパツな旅程なので、ラウンジで飲んだり、お土産を買ったり、トイレに行ったりすると+15分ぐらい加算するとなると3時間15分ぐらいとなりそうです。

新幹線

H5系

一方で北海道新幹線は下記のとおりです。北海道庁のホームページに記載されていた最速達の所要時間です。

東京駅⇒札幌駅 4時間30分

かなりの高速化をして実現する時間のようですが、飛行機との差は1時間15分であり、マイルが貯まることを考えると飛行機の方が有利と言えます。

ただし、飛行機ははらはらする旅程スケジュールなので、最初か座って時間通りに到着する新幹線は魅力的かもしれません。

とどめとして、1両をラウンジとしてアルコールの提供(えきねっと上級会員みたいなものが出来たら、その会員は飲み放題)があると乗り換えなしもあり、個人的には一択となりそうです。JR東日本としては新幹線でも空港アクセス線でも収入を増やしたいようです。

京浜急行への影響

京浜急行

今回の発表では新橋にも停車するようなので新橋以北の東京都心部及び、上野東京ライン沿線(宇都宮線・高崎線・常磐線)の都市(浦和、大宮、北千住、松戸、柏など)のアクセスは抜群になりそうです。

これまでこうした方面から浜松町で東京モノレールに乗り換えが必要でしたが、それが必要なくなるため、東京モノレールにとっては大打撃と言えますが、東京モノレールはJR東日本の連結子会社(ANAも大株主ですが)であるので、JR東日本はモノレールを天王洲アイルや大井競馬場前、流通センターなどの通勤・ビジネス需要に転換することが予想されます。

今でも天空橋で乗降する人が多いので空港アクセス以外の需要は高いのかもしれません。

そうした中でもう一つ羽田空港に直結している京浜急行にも影響がありそうです。京浜急行は品川が東京都心からゲートウェイになっており、目黒・恵比寿・渋谷方面からはメリットがあるものの、新橋・東京・上野方面はちょっと遠い印象があります。まあ、都営浅草線でつながっているので銀座・日本橋・浅草方面からは揺るがないと思います。

そして、京急の真骨頂は川崎、横浜方面であり、この地位は揺るがないでしょう。さらに、リニア中央新幹線が開業するとリニアからのアクセスで橋本・山梨・飯田方面からの需要も増えるでしょう。名古屋から品川まで40分になることからセントレアの需要まで吸い込むかもしれません。そうなるとますますセントレアの地盤沈下が進行しそうです。

以上からすると京浜急行は影響はあるものの、横浜方面にシフトやリニア中央新幹線効果があり、中長期的(2040年以降)にはあまり影響がないのではないかと思います。むしろ、羽田空港需要増をJRと京急で棲み分けすることとなりそうです。

ホームは地下1階で第2ターミナル寄り

そして、今回驚いたのが羽田空港における駅の位置であります。

まず、地下1階にホームが設置されるという事で第 2 旅客ターミナルへ高低差なく、移動することが可能という事であります。モノレールの第3ターミナル駅のようにエスカレーター等で上下移動がなくなるという事です。

ただ、第2ターミナルは出発階が随分高い2階なのでその高低差は変わらないようです。そして、駅の位置は第2ターミナル寄りとなっており、ANA便搭乗の方が国内線でも国際線(一部路線)でも有利のようです。

第1と第2の各ターミナルの中間地点には高速湾岸線が走っているため、どちらかのターミナルに寄せるしか選択肢はなかったようでありますが、先述のとおり、東京モノレールはJR東日本の連結子会社ですが、ANAホールディングスは東京モノレールの株式の9%を保有する大株主なので、それも影響したのかもしれません。

支配関係だけでなく、第2ターミナルの方が需要的には大きく感じるので、そうしたのかもしれませんが。どうせであれば仙台空港駅のように高架にして出発フロアと平面移動にすればと思いますが、地下トンネルからの勾配とか問題があったのかもしれません。近年の設計は導線とかも考慮されているので、上野駅の新幹線ホームみたくならないようであります。

最後に

上野東京ラインや相鉄・東急新横浜線もそうですが、時間と事業費がかかるもののゲームチェンジャーになりうる路線である羽田空港アクセス線です。

8年ぐらいはかかるのでまだ先の話ではありますが、ますます羽田空港が強くなりそうでも有ります。

湘南新宿ラインや上野東京ラインのような愛称も気になるところであります。エアポートラインやスカイラインが想定されていますが、カタカナの駅名が不評な前例があるので、羽田空港線とか単純になるのかなぁ。

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