スターアライアンス、ワンワールド、スカイチームにおいて、ヨーロッパ域内のフライトについて、大型機で運航されている主要なルートをまとめてみました。
- ワイドボティ機とナローボディ機
- ヨーロッパ域内のフライトはほとんどナローボティ機
- ビジネスクラスでもシートはエコノミー
- 世界のローカルフライト動向
- ヨーロッパ域内フライトにてワイドボティ機で運航されているルート
- 最後に
ワイドボティ機とナローボディ機
ワイドとナローの違いはボディ(飛行機の胴体)の大きさ(断面積の幅)であり、ワイドボティ機はエアバスA380やボーイング747型機などの大型機からボーイング787,767型機のような中型機までさしています。
これらの機体は胴体の断面積が大きく、幅が広く、客室内では、通路が2列設けられています。
一方でナローボティ機は胴体の断面積が小さい小型機のほとんどが該当します。エアバスA320,321やボーイング737型機が代表であります。一部例外としてはボーイング767並みの全長を持ちつつも、胴体の断面積が狭い機材のボーイング757型機はナローボディ機となります。
ちなみにトランプ大統領がプライベートで所有するシェット機はボーイング757であり、「トランプフォースワン」と呼ばれています。
ヨーロッパ域内のフライトはほとんどナローボティ機
日本の国内線では新幹線と競合または優位な大都市(大阪、札幌、福岡、沖縄を筆頭)との東京路線はいわゆるワイドボティ機でほとんど運航されており、日本で国内線に搭乗する人が大半の路線でもあります。
このため、ヨーロッパでも大都市間(ロンドン、パリ、フランクフルト、アムステルダム、ローマ、ミラノ、チューリッヒ、モスクワなど)では、ワイドボティ機で運航されていると想像してしまいますが、そんなことはありません。
欧州内のフライトはほぼ、フルサービスキャリアでもLCCでも、エアバスA320,321シリーズまたはボーイング737シリーズが大半であります。小型機で共通化することによる運営コストメリットと頻繁に飛ばすことで輸送力に対応しているようです。
欧州では飛行機のエンジンから大量に放出される二酸化炭素が懸念となり、鉄道利用の意識が高くなっています。巨大なエンジンを持つワイドボティ機を飛ばすのが運営上の問題に加えて、環境からの視点が影響しているのかもしれません。
ビジネスクラスでもシートはエコノミー
欧州のナローボディ機ではエコノミーは基本的に通路を挟んで3列と3列で構成されています。小型機では当たり前ですが、ビジネスクラスでも椅子は同様であります。
ビジネスクラスは前方から3から5列程度が割り当てられ、3席3席のシートの真ん中をつぶして、2-2配列にしています。
自動車で言うと、後席で肘掛を倒して、2人掛けにするようなイメージ近いと言えます。プレミアムクラスやファーストクラスなど進化した日本のプレミアシートと比較するとちょっとと感じてしまいます。
世界のローカルフライト動向
日本は前述のとおりですが、中国では人口が多いためか国内幹線ではワイドボティ機を結構導入しています。タイでも国内線ではバンコク=プーケット間ではワイドボティ機を導入しています。
人口の多いインドでは大空港のある都市(デリー、ムンバイ)間では国際線機材の間合い運用というか経由便でワイドボティ機を国内線で運用しています。入管システムで国内線客と国際線客を捌いているようですが、遅延は多いようです。
オセアニアではオーストラリア国内線はほぼナローボティですが、オーストラリアとニュージーランド間はワイドボティ機が割と多いようです。
アメリカでは東西に長い国でもあり、大陸間横断路線ではワイドボディ機が設定されていますが、メインはナローボティ機であります。
ただし、アメリカでは上級クラスはナローボティ機であっても徹底されており、ファースト(日本で言うとプANAのレミアムクラス相当、JALはファースト)では2-2配列のフルレザーのシートが主流です。
最新のナローボディ機材ではフルフラットシートも提供されています。
ヨーロッパ域内フライトにてワイドボティ機で運航されているルート
ヨーロッパ域内にて、ワイドボディ機で運航されているルートをアライアンス別にまとめてみました。
今回は主に欧州キャリアを中心にまとめています。ただし、コストメリットが高く、毎日運航されている以遠権もルートも掲載してみました。
スターアライアンス
トルコはまだEU未加盟ですが、航空会社のマイルのゾーン区分では欧州にカテゴライズされているところが多いため、欧州としてカウントするとワイドボディでのフライトは意外と多いです。
ターキッシュエアラインズ
イスタンブールとロンドン、パリ、アムステルダム、ブリュッセル、ベルリン、フランクフルト、ミュンヘン、デュッセルドルフ、ウィーン、マドリード、バルセロナ、ローマ、ミラノでは全便ではないもののA330を中心にワイドボティ機が設定されています。ロンドン・ヒースロー便ではボーイング777-300ERや787型機も設定されています。
その他
このほか、以遠権フライトではシンガポール航空がモスクワ=ストックホルム間、エチオピア航空がオスロ=ストックホルム間があります。
まれにスイスインターナショナル・エアラインズがチューリッヒとジュネーブ間でボーイング777-300ERを運用しているようです。成田=伊丹に77Wが投入されるのに近いかもしれません。
ワンワールド
ブリティッシュエアウェイズ
大英帝国のイメージから国際線と言うイメージがありますが、欧州内のフライトでも大きい機材を飛ばしています。
ロンドン・ヒースローとマドリード間をボーイング777や787を就航しています。全便ではなく、1日1便のみがワイドボディ機です。
以前はアテネやモスクワ、ハンブルグ、ストックホルムなどでワイドボディ機を就航していましたが、最新の検索ではマドリードのみのようです。飛行機の重整備施設をIBと供用しているのかもしれません。
イベリア航空
ブリティッシュエアウェイズと同じく、ロンドン・ヒースローに1便ワイドボディ機で運航しています。機材はA340であります。
フィンエアー
ヘルシンキ=ロンドン・ヒースロー間でA330とA350が1日1便ずつ計2便運航しています。JAL特典でヘルシンキまで行き観光して、その後、ビジネスでヘルシンキ=ロンドン間を利用するとお得かもしれません。
LATAM
LATAMは南米の航空会社ですが、マドリードからフランクフルトまで以遠権を保有しており、長らく、毎日運航しています。機材はボーイング787で運用されています。
マドリードからフランクフルトまで搭乗しようとすると、シェンゲン圏内ですが、一度パスポートコントロールで出国し、フランクフルトで再び入国と言う面倒くさいフライトであります。
しかし、その甲斐あってかビジネスクラスは最安で片道1万円程であり、LATAMピストン修行もありな程、安い日もあります。
スカイチーム
エアヨーロッパ
マドリード=バルセロナ間にA330が投入されているほか、スペイン領のカナリア諸島のテネリフェ・ノルテ空港にボーイング787が投入されています。
カナリア諸島巡りでは外せないフライトかもしれません。
最後に
欧州内のフライトはビジネスクラス利用でもエコノミー同等で、つまらないフライトと感じることが多いですが、選択を厳選すればワイドボディ機を利用することもできます。
特典航空券でも有償チケットでも自身のスケジュールと豪華機材がマッチすればいい旅となります。
ワイドボディルートと自身の計画取り合わせて、できるだけいい機材を選択するのも旅を良くするコツかもしれません。