時々ある上位クラスが下位クラスよりも安い逆転現象。その安さに従い、利用した方が良いのか、それとも敬遠して高くても下位クラスを利用した方が良いのか比較してみました。
マドリード=羽田往復
欧州発券では比較的安い、スペイン・マドリード発券をもとに試算してみました。2月の連休時期と3月の連休時期にエコノミーとプレミアムエコノミーを試算してみました。
スペイン発券がなぜ、安いのか考えてみると以下のことが考えられます。スペインの人口は約4700万人であり、EU加盟国では、5番目(ドイツ、イギリス、フランス、イタリア)であり、日本もスペインも観光資源も多く、両国の行き来は比較的多く、需要もありそうです。
スペインはワンワールドの牙城であり、イベリア航空が日本への直行便を就航しているほか、ロンドンやヘルシンキとの接続も良いため、ワンワールドの方が強いと言えます。
時間的なメリットを価格で対抗しようとしているのかもしれません。ANAの直行便は人手不足もあり、しばらくはなさそうです。
エコノミークラス
マドリードからミュンヘンはルフトハンザ、ミュンヘンから羽田はANA便となります。全区間エコノミークラスとなります。
プレミアムエコノミークラス
エコノミーと全く同じルートとなります。違いはミュンヘン=羽田間がプレミアムエコノミークラスとなります。
ちなみにどちらのチケットも全便NH便名であり、スカイコインを購入に充当することができます。
二つの運賃を徹底比較
二つのクラスを積算マイル、プレミアムポイント、単価ほかで比較してみました。
クラス | プレエコN | エコH |
---|---|---|
運賃 | ¥152,150 | ¥172,150 |
積算率(欧州内) | 100%+400PP | 70%+0PP |
積算率(ANA便) | 70%+400PP | 70%+0PP |
積算マイル数 | 10,074 | 9,514 |
プレミアムポイント | 11,674 | 9,514 |
PP単価 | 13.03円/PP | 18.09円/PP |
アップグレード | NG | OK |
プレミアムエコノミーNクラスの方が運賃、積算マイル、プレミアムポイント、PP単価いずれも優れており、利用価値はありそうですが、唯一負けているのがビジネスクラスへのアップグレードができない点です。
以前はプレミアムエコノミーは運賃は変わらずEクラスでアップグレードもできた夢のクラスでしたが、昨今はつまらない予約クラスとなっています。
エコノミーHは座席数が多いため、フランクフルト路線の選択ができるのがメリットでもあります。
今後、イスタンブール、ストックホルム経由とかもできるとアップグレード空席あり路線があると即決でビジネスUG確定と魅力的かもしれません。
プレミアムメンバーでは選択は変わるか
ANAプレミアムメンバーであれば、ボーナスマイルとして、ANA便とルフトハンザ便でボーナスマイルが積算されるため、マイルはもっとも貯まりそうです。
一方で、エコノミーHはPP単価を見ても、利用価値はなさそうですが、唯一の魅力がビジネスクラスへのアップグレードとなっています。
ちなみにビジネスクラスの最安運賃はPクラス(70%加算)で往復32万円とプレエコNで2往復できてしまいます。
プレミアムメンバーでアップグレードポイントが100ポイントとか付与されるようであれば、32万円のビジネスとほぼ同じ積算率(400PPの付与の違いはあるものの)であり、半額近くで空席があればビジネスに搭乗もできそうです。
また、ダイヤモンド会員の場合、2倍のアップグレードポイント(欧州路線の場合、10×2倍=20ポイント)をすれば、プレエコNクラスでもアップグレードは可能です。
ただし、この特典はフライト当日に当確が出るため、最後の最後まで悶々とするところです。
状況は刻一刻と変化しているため、参考にならないかもしれませんが、個人的な経験値ではアジア路線はNGがありましたが、欧州路線は無敗でした。
結局どちらを選択した方が良いのか
では、どちらのクラスを選択した方が良いと言うことになりますが、どちらも選択しないと言うのがベストかもしれません。
マイル修行としては、このようにクラス間で運賃がオーバーラップするようなルートを避け、結論がはっきりしやすいルートを選択するのが良いと言えます。
マイル修行の場合、最強なルートで攻めるのが良いと言えます。ANAの場合、アジア=太平洋が強いため、東南・南アジア発券で攻めるのがベストと言えます。
最後に
エコノミーより安いプレミアムエコノミーがある路線がでたら、必要性がなければ、その路線はあきらめ、悩まず一択できるルートを選択するのがベストでしょう。
マイル修行としては、最強なルートでプレミアムポイントを積算していくのが最も効率的でしょう。