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ドイツ鉄道がスターアライアンスに加盟。日本の鉄道の加盟の可能性は?

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スターアライアンス

スターアライアンスにエアライン以外では初めて鉄道事業者が加盟することとなったので、仕組みや日本での鉄道の加盟の可能性を考えてみました。

ドイツ鉄道がスターアライアンスに加盟

2022年8月1日より、ドイツ鉄道は初のインターモーダルパートナーメンバーとして、スターアライアンスに加盟します。

後述するルフトハンザ エクスプレスレールとして鉄道にフライト便名がつけられており、ルフトハンザ便では一気通貫でチケットが購入できるのは知っていましたが、スターアライアンスへの加盟はちょっと驚きであります。

www.lufthansagroup.com

ドイツ鉄道とは

ドイツ鉄道ICE

同一鉄道はドイツ最大の鉄道会社であり、線路の保有から旅客・貨物列車の運行をする会社です。株式会社ではありますが、国が100%株式を保有する国有企業でもあります。

ドイツ国内に路線網を持ち、大都市間は高速専用線路もあり、日本の新幹線のようなICEと言う高速列車が運行されています。

また、地続きの近隣国に国際列車として乗り入れているのも特徴であり、オランダ、ベルギー、フランス、スイス、オーストリアに乗り入れています。

ルフトハンザ エクスプレスレール(鉄道)とは

ルフトハンザエクスプレスレール

ルフトハンザ エクスプレスレールはフランクフルト空港で乗り継ぐことができるドイツ鉄道の高速列車(ICE)がルフトハンザとコードシェアをしており、LH便名がナンバリングされた列車のことをいいます。

例えば、ニューヨークからフランクフルトまでルフトハンザ運行の航空便、フランクフルト空港からケルンまでは高速列車と言う旅程を一気通貫で発券できます。

また、ビジネスクラスやファーストクラスのフライトを利用する場合、高速列車のファーストクラスも利用できます。

便名ではLH3000番台が充てられているようであり、フランクフルトでの乗り継ぎ時間は有りますが、100分程度持たせているようです。

ただし、現在はドイツ国内に限定されており、国際列車のアムステルダムからフランクフルトで乗り継いでルフトハンザのフライトを一気通貫では発券できず、通常のICEのチケットを購入することとなります。

現在、フランクフルト空港乗り継ぎで利用できる都市(駅)は下記のとおりです。

都市一覧

アーヘン、バーゼル、ベルリン、ブレーメン、ケルン、ドルトムント、ドレスデン、デュッセルドルフ、エルフルト、フライブルク、ゲッティンゲン、ハンブルク、ハノーバー、カッセル、カールスルーエ、ライプツィヒ、マンハイム、ミュンヘン、ミュンスター、ニュルンベルク、オスナブリュック、シュトゥットガルト、ウルム、ヴュルツブルク

ルフトハンザ エクスプレスレールのマイル加算

そして、気になるマイレージですが、ルフトハンザのマイレージプログラムであるMiles & Moreでは下記のマイルの積算がされます。

ビジネスクラスでは予約クラスに関係なく500マイル(アワードマイル、ステータスマイル、セレクトマイルとHON Circleマイル)の獲得ができ、エコノミーでは予約クラスに関係なく、125マイル(アワードマイルとステータスマイル、セレクトマイル)を獲得できます。

ステータスポイントにも寄与するのでマイル修行はできそうです。たたじ、ドイツ国内に限定されるため、大きく貯めようとするのは厳しいところであります。

ちなみに、ANAマイレージクラブでもフトハンザ便名の列車は2019年2月1日よりマイル積算対象となっています。ANAマイレージクラブの積算の原則からするとコードシェア便は運航会社の便名で積算であることから、ドイツ鉄道として積算となり、積算不可となりそうですが、飛行機でないから積算可能としているのかもしれません。

ドイツ鉄道のスターアライアンス加盟での日本人へのメリット

上記のようにドイツ鉄道がスターアライアンスに加盟することでスターアライアンス加盟のマイレージプログラムにとってのメリットを考えてみます。

次の年のステータスに向けたステータスポイントは同列車がドイツ国内に限定されることから、ポイントは多く稼ぐことは厳しいと言えます。

一方で、フランクフルトからのフライトがファーストやビジネスの場合、ドイツ鉄道の駅のラウンジを利用することができることが挙げられます。しかし、ラウンジがある駅となるとドイツ国内でも大都市となり、そうした都市には空港もあり、結局はあまり変わらないかもしれません。

強いて言えば、街の中心部からワンストップでフランクフルト空港に行けるのでタクシー代等があまりかからないという程度となるかもしれません。

その他として、多くのニュースでも記載されていますが、ANA運航便とドイツ鉄道の高速列車のチケットを一気通貫で発券できるようになるでしょう。さらに行くとNH便名のICEも出で来るとANAスカイコインで購入することもできるでしょう。

先述のとおり、プレミアムポイントも付与されるようになるとANA便としてプレミアムポイントがつくと一回一回の乗車は小さいですが、頻度が多いと結構メリットがあるかもしれません。

日本の鉄道のアライアンスの加盟の可能性

成田エクスプレス

JRや私鉄が加盟する意義

日本は鉄道大国でもあり、地方ローカル線は厳しいですが、新幹線や大都市圏の鉄道は不可欠なインフラとなっています。

北海道から九州まで新幹線が走り、一部府県を除いて、定期フライトが就航しており、飛行機もたくさん飛んでいます。

エアラインアライアンスに加盟すれば、鉄道側から見ればインバウンド需要取り込みの促進、空港アクセス列車の利用拡大等が期待できます。

エアライン側から見ると新幹線との競合で路線を廃止した都市から海外へのアウトバンドに自社エアライン利用のバンドル強化ができるでしょう。

しかし、日本の玄関口と言える空港で新幹線が直結している空港はなく、成田空港の成田エクスプレス(JR東日本)、スカイライナー(京成電鉄)、関西空港のはるか(JR西日本)、ラピート(南海電鉄)が空港アクセス高速鉄道と言えます。

日光

成田エクスプレスは首都東京に直結しており、横浜にもアクセスしています。その気になれば、富士山や日光まで一応は行けます。そうなると東武鉄道も新型車両に合わせて新宿から成田空港まで走らせてくれと言うかもしれませんが。

また、羽田空港アクセス線ができれば、特急に限り、コードシェアの可能性もあります。そして、東京駅乗り継ぎに限り、長野、新潟、福島、仙台、山形、盛岡など東北、山形、上越、北陸新幹線にコードシェアをするかもしれません。

JR西日本に関しては、はるかは大阪と京都が目的地であり、そのままコードシェアできそうです。さらに新大阪接続に限り、博多までの新幹線にコードシェアは可能そうであります。

以上のように、JR東日本やJR西日本と空港乗り入れの特急や世界遺産にダイレクトに行ける特急を運行する私鉄には、アライアンス加盟の可能性はありそうです。

ただし、いずれも国内地方空港のフライトとの共存を考えると羽田や成田や関西からの国際線との接続に限ることも想像できます。

別に空港直結に拘る必要はないですが、高速バスなどにより骨抜きとなり、意義が薄れてしまう可能性もあります。やはり、空港直結の優等列車が前提とした方がしっくりきます。

ちなみに気になる大動脈の東海道新幹線について、同新幹線の利用体系を変更するような案については、いつもリニア開業後と言っているので、アライアンス加盟もリニア開業後と言いそうであり、しばらくは何もしないでしょう。

ドイツと日本の交通事情の違い

フランクフルト

ドイツはアライアンス加盟キャリアが一社(過去には2社ありましたが破綻)で国内の鉄道もドイツ鉄道が最大手で全土にネットワークがあるため、近寄りやすかったという側面があります。

一方で、日本では大手エアラインは二大化しており、それぞれ違うアライアンスに加盟しています。鉄道の大手は地域ごとに分かれており、東日本はスターアライアンス、西日本はワンワールドと言うことになると、海外から来る利用者にとっては困惑してしまうかもしれません。

こうしたねじれの解消がないとなかなか進まないでしょう。

むしろ、スカイチームのハブ空港に直接乗り入れているTGVやタリスを運航する鉄道事業者が加盟することは何となくわかりそうです。また、スペインでもレンフェがワンワールドへの加盟が予想できます。

と言っても、欧州のアライアンス地図を見るとドイツや北欧はスターアライアンス、イギリスやスペインはワンワールド、フランスとイタリアとオランダと中東欧はスカイチームと塗分けられているので、日本でも全く厳しいということでもないかもしれません。JALもANAの全国各地に就航しているわけですから。

事情は違いますが、事業として成り立つのであれば、進むケースもあり、前向きに捉えていった方がよさそうです。

最後に

東京駅

ドイツ鉄道のエアラインアライアンスの加盟は衝撃的でありますが、飛行機と鉄道は競合という概念が薄い、欧州ではこうした加盟は今後も増えてくることでしょう。

様々な社会的課題の中でエアラインも鉄道も生き残りのため、手を組めるところは組み、両社とも必要不可欠存在となろうとしていることかもしれません。

ドイツと日本は取り巻く環境は異なりますが、アライアンス加盟で飛行機も鉄道も活性化が図られるかもしれません。

まずは、グローバルアライアンス加盟以前に日本国内で鉄道とエアラインの協業の土台が構築されることが重要であり、その後にアライアンス加盟となるでしょう。

時間をかけて熟成もいいでしょうが、インバウンド需要は時間が経つと雲のように他の国に移ろうものであり、時機と言うものが重要かもしれません。

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