デルタ航空は第二次大戦後に獲得した成田空港の以遠権を破棄して、羽田発着にシフトする予定ですが、それが成功するのかまとめてみました。
デルタ航空
過去のデルタネットワーク デルタ航空ホームページより
世界第2位の航空会社であり、前身はデルタ航空とノースウエスト航空であります。以前、ノースウエスト航空は成田空港を中心に以遠権を多く保有しており、ソウル、台北、香港、上海、北京、香港、マニラ、シンガポール、バンコク、サイパン、グアム、パラオ、そして、ハワイなど日本の航空会社と代り映えしないくらい路線を運航していました。現在は、経済力の趨勢もあり、中国本土とアメリカ本土を直行便で結ぶ路線にシフトしています。
そして、2020年3月末からは以遠権フライト、すなわち、日本からアジアに飛ぶフライトは絶滅します。航空連合は、スカイチームに加盟しており、どうしても北米から直行便で行けない地区(マニラ)は成田からソウル変えています。
東京はアジア路線最重要と言うものの
デルタ航空ホームページより
デルタ幹部は羽田就航シフトに関して、東京は最重要路線と言うものの、これは2020年に限ったことと言えます。東京オリンピックが最盛期(書き入れ時)であり、こうしたことから最重要と言っているようです。
マニラ路線を見ると仁川に変更しており、ソウルと東京の人口を比較すると、最低需要を考えた場合、原価ベースでは成田より仁川の方が得と言うことを明らかにしているようなものです。
羽田路線に北米からの路線をシフトしていますが、ソウル仁川の大韓航空とのハブ化は着々と進めているほか、上海・新サテライトターミナルでの中国東方航空との連携も強化しており、書き入れ時はいただき、その後も取りこぼすことな中韓にシフトしますと言うのが伺えます。
両空港ともアジアでは最大規模で、利用者にとっても目的地が多いのは満足な空港でしょう。
人口1.2億とその10倍以上では、どんなアドバンテージがあっても、後者の言うことを聞く方が多く、アジア支線のネットワーク拡充に向けた再編成なのかもしれません。
スカイチームに加盟している日本のキャリアがいないため、加盟しているキャリアからすると日本の空港利用はデメリットが多いため、そうしているのかもしれません。
JALとANAにそれ以上のメリットが日本の内側から降ってくるかもしれません。
最後に
デルタが羽田に絞ったことは吉か凶と言えば、吉でしょう。オリンピック需要の上記のように、成田を捨てることを宣言して、羽田を最多獲得し、書き入れ時に最多路線獲得しただけでも大メリットでしょう。
オリンピックが終わったことを考えると、供給過多になるかもしれませんが、東京のビジネス需要を確保しつつ、北米からの仁川、上海ルートを盤石化しており、抜け目ないと言えます。
一方で、ANAとJALにオリンピック需要に期待するスターアライアンスとワンワールドをはじめとして、外部圧力により、ポストオリンピックでは、ANAとJALにその足かせが来ることも想起されます。
日本にアライアンスパートナーを持たないデルタだからこそ、大鉈を振るう決断をしたのかもしれません。
デルタ航空ホームページより