ANAプレミアムポイントとJAL FLY ONポイントの計算方法の違いを知らないとマイル修行の資格なしANAとJALの上級会員になるためのステータスポイントの計算方法で違う点をまとめてみました。どちらの方が上級会員になりやすいかまとめてみました。
ANAとJALのステータスポイントの共通点
ANAのプレミアムポイント(以下PP)とJALのFLY ONポイント(以下FOP)の共通する点は多くあります。
ポイントの計算式は同じ
その前にPPとFOPでは意味は同じでも用語が違いますので、整理してみたいと思います。PPもFOPも共通しているのは1フライトあたりの計算方法(計算式)は同一であります。
とANAの方が単直であり、JALの方は丁寧な説明であります。いずれにしても、初めての人には?な用語です。
ANA | JAL | |
---|---|---|
実際搭乗したマイル数 | 区間基本マイレージ | フライトマイル |
フライト地域別倍率 | 路線倍率 | FLY ON ポイント換算率 |
搭乗毎のボーナスポイント | 搭乗ポイント | 搭乗ボーナス FLY ON ポイント |
そして、計算式は下記のとおりです。
ステータスポイント=実際搭乗したマイル数×フライト地域別倍率+搭乗毎のボーナスポイント
であります。算数のルールからすると×が先で+が後であります。人間は都合よく考える人もおり、実際搭乗したマイル数に搭乗毎のボーナスポイントを足して、フライト地域別倍率をかけたりする人もいますが、そうではありません。
この公式はANAでもJALでも、国内線・国際線でもコードシェア便でも共通であり、この数式を土台として色々な運賃を見るといいでしょう。
搭乗倍率はANAもJALも共通していて、
日本国内は2倍
アジア・オセアニアは1.5倍
その他地域は1倍
アジア・オセアニアは1.5倍
その他地域は1倍
であり、共通しています。
計算方法の違い
では、計算式は同じですが、その違いは因子と係数の考え方に大きな違いがあります。
搭乗毎のボーナスポイントは付与方法が違う
搭乗毎のボーナスポイントは主にフライト距離に関係なく、割高な運賃に対して、付与される傾向があるのはANAでもJALでも同一でありますが、細かく見ると違います。
ANA
国内線では、運賃体系ごとにほぼ同じでありますが、唯一違うのが国際航空券を基とする国内区間の積算方法です。国際線航空券の国内区間(例 福岡=成田など)については搭乗毎のボーナスポイントが付与されません。
そして、国際線ではANAは搭乗毎のボーナスポイントはANA便ではエコノミーでは100%積算率の運賃、および、プレミアムエコノミー、ビジネス、ファースト運賃で付与されます。
さらに、スターアライアンス加盟の航空会社が運航するフライトでは、100%積算率以上の(エコノミー、プレミアムエコノミー、ビジネス、ファースト)でも付与されます。
ここで注意したいのが、ANA便ではプレエコ・ビジネス70%でも付与対象、スターアライアンス便は70%プレエコ・ビジネス対象外となります。
JAL
国内線では、運賃体系ごとにANAとほぼ同じでありますが、違うのは国際航空券を基とする国内区間の積算方法です。国際航空券に付随する国内線区間でも搭乗毎のボーナスポイントが付与されます。
国際線では、50%以上の運賃で搭乗毎のボーナスポイントが付与されます。搭乗毎のボーナスポイントは両社とも400ポイントは共通しており、比較的短距離の区間では有利なボーナスであります。
一方で、JAL便名の場合、コードシェア便でもマイルが積算されます。
積算率が高い(それなりに航空会社にお金が落ちる)運賃では搭乗毎のボーナスポイントが貯まるANAとJALであれば安い運賃でも搭乗毎のボーナスポイントがたまるで違いがあります。
搭乗毎のボーナスポイント狙いの観点では、日本発の運賃で考えるとJALの方が貯めやすいと言えます。
コードシェア便が大きな違い
ANAはスターアライアンス、JALはワンワールドに加盟しています。加盟している各社と直行便がない路線を補完したり、お互いのハブ空港で得意な路線をコードシェアすることにより、ワンストップにサービスを提供していますが、ステータスポイントにおいてはANAとJALで大きな違いがあります。
ANA
コードシェア便は運航する航空会社のマイルの積算率がベースとなり、運航会社がスターアライアンス加盟の航空会社でない場合、プレミアムポイントは積算されません。
例えば、ANA便名のベトナム航空運航のハノイ行きの場合、マイルは積算されるものの、プレミアムポイントは積算されません。
一方でユナイテッド購入し、UA便名ではあるもののANAの運航の場合はANA便の積算率に基づき、プレミアムポイントが付与されます。
以上からすると、スターアライアンス加盟便のチケットでANAが運航するコードシェア便を見つけるとお得と言えます。
しかし、スターアライアンスはアライアンスとして歴史が長いためか、こうした考えに基づくチケットはあまり安くないのであります。たまにありますが、それを狙うには日頃パソコンと睨めっこが必要となります。
JAL
ANAと対照的で共同運航便であっても、JAL便名であれば、JAL便としてFOPが積算されます。JAL便名で発券する場合、JALが大元で販売することがほとんどのため、あまり安くないケースが多くあります。
一方で、マレーシア航空の海外発券ではJAL運航便でも安く販売しているケースがあり、JAL便に乗りたい場合はステータスポイントの積算は厳しいですが、快適かもしれません。
ANAとJALどちらがポイントを貯めやすいか、以下の観点からANAとJALの優位点を整理してみました
国内線区間ではJALの方が国際線と絡めると有利
安いクラスでも搭乗ボーナスポイントが付与されるのはJAL
コードシェア便名でもJAL便名であればJAL扱い
JALの方が難易度は低く、上級会員を目指すのであればJALの方が良いかもしれません。あくまで上級会員を目指す言う観点であり、その質は個人の受け止め方によります。
さらに、JALではマイルでビジネスクラス搭乗した場合に、マイル消費が高い特典利用でFOPがたまるキャンペーンを展開しています。
有償でマイル修行をする人にはモチベーションを下げる一方で、陸マイル時代の終焉の予兆も言える出来事であります。
タカドマリするANAに対してのお金のあるJALのメッセージかもしれませんが、ANAの国際線ネットワークが盤石になりつつある証拠かもしれません。
JALの方が囲い込みに熱心である観点からするとJALマイル修行の方が有利でありますが、高飛車とも言えるANAにはそれなりの満足もあるとも言えます。
あとは人間として、サービスとキャリアの姿勢に対してどういう選択をするのかの違いかもしれません。
まとめ
ANAもJALも世界的にサービスレベルは高い航空会社であり、こうした航空会社に接する機会が多い日本はある意味、贅沢かもしれません。
海外ではフルサービスキャリアであってもIATAで決められたサービスを提供するところ以下もあり、トイレを見ると良くわかります。
財務諸表から見るとJALの方がおっとりした日本人らしく、ステータスポイントの積算も高く、マイル修行が楽しいと言えます。財務体質が優れたJALを優遇して、KPIの優秀なANAを刺激して、双方を盛り上げるのが次世代に向けたマイル修行基盤をカンフルするのかもしれません。
ANAの方が現時点では圧倒的優位なため、海外のライバル以外は相手待ちでもいいかもしれません。
JALにはFOP単価4円台とかのビジネスを出すなど頑張って欲しいものです