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ANA国際線・関西発着路線はこのままなくなるのか

窓からの景色

ANAの関西空港からの国際線の存続について考えてみました。

JALは関西空港サクララウンジを再開

JALオリジナルカレー

JALは2023年6月1日より、関西空港の同社のサクララウンジを再開することを発表しています。出国審査後の制限エリアにあり、国際線搭乗客向けのラウンジであります。

サクララウンジと言えば、カレーであり、レトルトとは言え、風物詩でもあります。羽田でも成田でもありますが、関西からダイレクトに海外に行く際にも楽しそうですね。

ANAラウンジは営業を再開していないので、こうした楽しみは暫くさなそうです。

JALの関西空港発着の国際線

JALではラウンジを再開するとなると関西空港からの国際線のかなり運航するようになっているのか調べてみました。以下のとおりです。

バンコク 1往復/毎日

ロサンゼルス 1往復/月・水・木・土

上海(浦東) 1往復/水・土・日

ホノルル 1往復/火・木・金・日

バンコク以外は毎日運航ではないものの、いずれもボーイング787型機で運航しており、土日は各路線へのフライトが重なるため、結構な利用者が回復していると思われます。

また、キャセイパシフィック航空やマレーシア航空などのワンワールド加盟のエアラインの他にも、コードシェアをしているチャイナエアラインやエミレーツなど大型機で運航するキャリアの乗客を考えるとサクララウンジを稼働せざるを得ない状況にも見えます。

運休が続く、ANAの関西空港発着の国際線

一方で、ANAでは関西空港発着の国際線は夏スケジュール(~10月28日)ではすべて運休となっています。

もともと関西空港発着していた国際線は下記のとおりです。

関西空港発着

香港 1往復(NH873/874)

北京 1往復(NH979/980)

大連 1往復(NH945/946)

青島 1往復(NH977/978)

上海浦東 2往復(NH973/974 NH975/976)

上海虹橋 1往復(NH969/970)

杭州 1往復(NH951/952)

ほぼ、中国路線のみであり、機材については香港線がボーイング767-300ERでかつては運航されていたぐらいで、他の路線はA320かB737で運航されていた感じてあり、JALが北米路線やバンコク路線があるのと対照的であります。また、羽田空港から世界各地に飛び、中には1日2往復運航している路線があるのとは対照的であります。

現状、ANA運航便を利用して香港や中国各地に行こうとすると関西空港または伊丹空港から、一旦、羽田に行き、そこから戻る形で香港などに行くこととなり、時間的なロスが大きくなり、関西圏からの搭乗客にとっては利便性は良くありません。

そして、JALが関西空港から香港線がないので、スターアライアンスとして飛ばしてもよさそうなものですが、なぜか運休としています。

もっとも、そもそもの香港間の需要の回復がこれからとなるので、羽田線でさえ、かなり運休していたのでまだ、何とも言えないところは有りますが。

スターアライアンスではエバー航空やアシアナ航空、ユナイテッド航空が運航しており、加えて、スターアライアンス加盟ではないものの、コードシェアをしているフィリピン航空やベトナム航空も運航しており、NH便名だけみれば、関西空港では結構な座席提供は有ると言えます。

ただ、こうなるとサービスよりは安くて早い直行便の方が良くなり、利用者はそちらに流れる可能性はあります。

ピーチの国際線はたくさん運航

Peach A321

また、グループ会社であるLCCのピーチアビエーションは以下の国際線を関西空港から運航しています。

関西空港発着

ソウル仁川 3往復/毎日

台北桃園  1往復/毎日

高雄    1往復/毎日

香港    1往復/毎日

上海浦東  1往復/毎日

バンコク  1往復/毎日

ピーチはもともと関西空港が本拠地であり、ハブでもあるので路線が多いのは当たり前ですが、グループ会社であるANA運航の国際線ゼロでピーチが多く運航と言うのは対照的でもあります。意外と使う人も多いのか直前だと強気な運賃だったりします。

関西空港、ANA国際線はこのままなくなるのか

以上のように、フルサービスキャリアのANAは関西から現状、国際線をひとつも運航していない一方で、グループ会社のピーチではアジアの大都市に毎日運航しており、その差にインパクトがあります。

ANAとしてはビジネス渡航や家族連れで利用して欲しいのですが、関西空港からアジア方面への需要が細く、香港や中国本土の大都市のみ、辛うじて利便性を考えて運行してきたようです。しかも、需要が限定的とはいえ、全便運休にしているのは元々、あまり儲からないという事なのかもしれません。

それがこの3年での渡航制限や緊急事態宣言などにより、蒸発してしまい、最早、なくても良いのではと考えているかもしれません。

収益も利益も薄く小さい関西空発着にリソースを割くよりも、全国各地から羽田に集めて、ビジネス渡航者を海外に送り、また、海外から羽田で全国各地に送る方が優先度が高いのでしょう。

加えて、新型機の航続距離が伸びているとはいえ、地理的に東南アジアと北米を結ぶのには有利であるので、大量の需要を成田と羽田を使って獲得しないわけには行かないと考え、関西空港ではそれは無理という事にも見えます。

いわば、関西空港は見捨てられたと言っても過言ではありませんが、関西圏に観光でアジアから来るインバウンド需要はあり、そうした人は高額なフルサービスよりもコスト重視であるため、LCCであるピーチを活用した方が儲けやすいのでしょう。

採算の取れないフルサービスはコードシェアにより、ネットワークは維持しつつ、利便性などから他のアライアンスに奪われても、他のアライアンスとLCCで過当競争をさせておいて、フルサービスは羽田と成田に集中した方が近道(搭乗客は遠回りですが)と考えているのかもしれません。

最後に

第2ターミナル3階国際線エリア

JALは関西空港発着の国際線を再開し、同社自営の国際線ラウンジを再開している中、ANAは関西発着の国際線を稼ぎ時のサマーダイヤでも全便運休としているのは対照的であります。国際線のANAラウンジも休業中のままであります。

加えて、グループ会社のLCCであるピーチは本拠地でありつつも、関西空港からアジアの大都市に飛ばしています。

こうしたことを紐解いてみると、関西圏からANA利用客の利便性が多少損なわれても、羽田と成田に集中する方が今後の新しい需要から利益をより上げていくためには最優先課題と考えているように見えます。そこには利益の源泉があると考えているのが伺えます。

利便性が悪いので競合に多少、利用客が流出しても、LCCでインバウンド需要を取り込む方が結果的にプラスとしては大きいと考えているのかもしれません。

あまり、一極集中は事変のような社会全体が大きく影響を受けることがあると良くない気もしますが、使えるリソースをリニアに且つ、最大限に利益貢献をしたいと言うのが見えてしまいます。遠回り分、プレミアムポイントたくさん加算してくれれば、良いのですが。

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