2008年事前ダイヤからANAダイヤモンド会員を継続して、10年が経過。ライフタイムマイルももう少しで100万マイルを超えるところでそれなりに、ANAダイヤモンド会員として飛んできたマイラーがダイヤモンド会員の一番の特典とメリットを振り返ってみました。
マイレージ上級会員のメリットの3種の神器
マイレージ上級会員のメリットとして代表的な特典は、ラウンジ、ボーナスマイル、優先搭乗、空席待ち優先取り扱い、アップグレード特典などがありますが、3種の神器と言えるのは「ラウンジ」「ボーナスマイル」「アップグレード」特典ではないでしょうか。
ラウンジ
ラウンジは何よりも空港での待ち時間を喧騒から隔離された特別な場所で、食べ放題、飲み放題ができます。筆者も最初のころは食べ放題についつい、たくさん食べていましたが、加齢とともに食が細くなりました。飲む方は相変わらずです(笑)。
しかし、10年間ダイヤモンド会員を継続すると、ダイヤモンド会員専用のラウンジである「ANA SUITE LOUNGE」の黎明期から現在に至るまで比較することもでき、できた当初とは違い、ずいぶん雰囲気が変わったものです。以前は本当に飛ぶ人がいましたが、今はそうでないような雰囲気の人います。
国策のインバウンド需要取り込みもあるのでしょうがないのですが、世界中で年々ラウンジは混雑しており、ファーストクラスラウンジと言ってもこのようなものと言えます。
ボーナスマイル
ボーナスマイルはダイヤモンド会員にとっては実質的な一番の特典とも言えます。以前はボーナスマイルというと区間マイルに1.2倍から1.3倍を乗じたものがボーナスマイルでしたが、現在は搭乗クラスの積算率に1.2倍から1.3倍を乗じたものに変更となっています。エコノミーを利用しているダイヤモンド会員には改悪と騒がれましたが、冷静に考えると積算率が100%より上のクラス(つまりビジネスクラス)では、改善とも言えます。
実際、クアラルンプール発券のビジネスクラスでは、一往復でダイヤモンド会員ではボーナスマイルを含め、約2万マイル積算されます。
アップグレード
アップグレードについては、ダイヤモンド会員として優遇される点と物理的にアップグレードを支援してくれるアップグレードポイントの存在が大きいと言えます。
前者は国内線で圧倒的なパワーを発揮し、非ダイヤモンド会員が先にアップグレード申請していいても、後からダイヤモンド会員がアップグレード申請をすれば、非ダイヤモンドに先んじて、アップグレードされます。
しかし、ここ2-3年はダイヤモンド会員(1年限り)も増え、最優先のダイヤモンド会員が路線によっては20-30人待ち(実際は全便でアップグレードされたり、アップグレードされずに諦めて待っていない場合などあり、その半分くらいかそれ以下と推定)の場合もあり、当日2時間前に空港に行ってもアップグレードされることがあり、ダイヤモンドパワーと言えます。
後者は国際線で主に活躍します。東南アジア路線はダイヤモンド会員でも混雑している場合は、アップグレードされない場合もありますが、勝率は9割以上と言えます。
また、長距離区間では体調が悪くてしょうがない時など、エコノミークラスでアップグレードできないクラスでも前日までに2倍のアップグレードポイントを利用して、アップグレードを申請することができ、本当の最後の切札を切れることがダイヤモンド会員とも言えます。
気分のいい特典
以上のように、お腹を満たせたり、マイルが余計に積算されたり、快適なプレミアムクラスやビジネスクラスにアップグレードされる実利的な特典とは違いますが、気分のいい(完全に自己満足ですが)特典もあります。
特に感じるのは優先搭乗と言えます。長蛇の列に並ぶことなく、お手伝いが必要な搭乗者の次に搭乗できるのは何かしらの優越を感じます。
座席指定において、クラス最前列のシートを確保できる可能性が高いのもメリットと言えます。エコノミークラスでは最前列席とそうではない席は雲泥の差があります。最前列席は航空会社によっては長距離線で座席指定料金として@1万円ほど徴収している航空会社もありますが、それ以上の価値があると言えます。
マイルの有効期限なし
ダイヤモンド会員期間中はマイルの有効期限がなくなります。そのため、大量にマイルを保有しているのはこの目的のために会員を維持する人もいます。
個人的にはマイルはまめに吐き出した方が効率が良いのではないかと感じています。キャンペーンでは一時的にデフレすることはあっても、基本的には経年で1マイルで利用できることは低減していくものであり、早めに使った方が良いと言えます。
そうは言っても、有効期限なしは魅力的であります。
結局、一番の特典は何か
10年間ダイヤモンド会員を継続して、ダイヤモンド会員は何かと問われると何でしょうか。1年くらいしか体感していないと、プラチナとの差分を追求したりしますが、それではないと思います。
蓋し、
「予約から空港に到着し、チェックインし、手荷物検査を通過し、ラウンジを利用し、スムーズな搭乗をして、快適にシートでリラックスし、いち早く降機し、空港から目的地に向かい、翌日には大量のマイルが積算される。」
この一連の体験がダイヤモンド会員の一番の特典であり、メリットではないでしょうか。
ラウンジが混んだり、制度の改変はあるものの、一連の特典をつなぎ合わせるとスムーズになっており、これがダイヤモンド会員を続けてしまう理由かもしれません。
最後に
ネットで検索するとダイヤモンド会員とそれ以外の差分の記事が多いです。ダイヤモンド会員のメリットとか書いていても、ほとんどがエコノミークラス、しかも、最前列でもなく後ろの席だったりします。
ステータスはとっても、その使い方がわからいのがわかります。
10年間ダイヤモンド会員を継続していると、人間というものは単なる数値では割り切れないと言うのが理解できます。この先、AIが利用者の体験などに活用されると本当の良さをさらに体験できるようになるのを期待して、今年もマイル修行をしてみようかと再認識しました。