ANAの2024年度の輸送計画が公にリリースされ、その中で特徴的な路線にフィチャーしてみました。
ANA2024年度輸送計画(国際線)
まずは、ANAの2024年度輸送計画の国際線をオーバービューしてみます。
北米についてはほぼ、現行と同じであり、JFKのダブルデイリーや成田=ホノルルのA380のダブルデイリーも実現されています。同社にとっては利益の源泉とも言える北米路線はほぼフル稼働といえます。
ただ、サンノゼ路線はしれっとと言うか、なくなっているのは不思議なところであります。ラウンジやサービス全般でそもそも維持するにはSFOで良かったのかもしれません。
アジア路線については中国路線が復活であり、パンダジェットがあったくらいであり、中国の需要回復は欠かせないといえます。
そして、かつての修業地の羽田↔︎クアラルンプールは2024年9月1日以降はデイリー(毎日運航)となる見込みです。MHの東京路線拡大も影響しているようではありますが、クアラルンプール修行がHND T2から行える光景は令和時代のスタンダードとなるかもしれません。まあ、運賃はどうなるかは未定でありますが。
一方で、個人的にはもっと便があってもいいと言えるパース路線は4月後半から夏休みというか、オーストラリアでは冬休みというか半年先まで運休となります。これはオーストラリアの夏の時期は観光需要が多いのかもしれませんが、現地の冬期間はビジネス需要しかなく、シンガポール航空とのJVで事足りると言うことかもしれません。
シドニーのダブルデイリーは確保されるので修行は専らシドニーとなりそうでもあります。
そして、気になる欧州では機材は不明ですが、ロンドンのデイリー維持、フランクフルトのダブルデイリー維持であります。
加えて、ミュンヘンとパリが7/1からデイリー運航となります。パリは明らかにオリンピック需要であります。ただし、パリ・オリンピック2024の開催式は周辺空域閉鎖から運休というおまけもあります。
ミュンヘンがデイリーというのは選択肢が増えて良いともいえます。寝台フライトのミュンヘン便は日本発では結構重宝するのですが、いつ運航していたかと検索するぐらいでしたが、7月以降は毎日検索できそうです。
そして、本日の題材でもあるウィーン路線は観光シーズンの8月1日から週3便(月・木・土)で再開されます。
さらに、これまで延期されていたストックホルム、ミラノ、イスタンブールは2024年度下期から初就航なる見込みであることもリリースされています。おそらく、2025年に入ってからの就航になりそうであります。
当初、2020年3月末で一気に開設する予定だった路線が2024年にようやく開花しそうであります。
ウィーン路線が復活
ウィーン路線の時刻表
先述の通り、ウィーン路線が復活となりそうであります。スケジュールは検索してみると以下の通りです。
日本発は羽田0:55に出発し、ウィーンには翌朝9時前に到着します。飛行時間は15時間とANAでは区間マイル数は別として、最長時間のフライトとなりそうです。復路はフランクフルトやミュンヘンの昼発便と同様に実質的な寝台夜航であります。
オーストラリア航空の成田→ウィーンのスケジュールからしても同様であり、東に向かって飛び、北極海、グリーンランドを抜けるフライトであり、ミュンヘン路線に匹敵するロングランとなりそうです。
ウィーンには早朝に到着し、ウィーンに自宅や知り合いでもあれば、朝から眠れそうでありますが、旅行者にとっては朝からフルタイムで旅行ができそうと思う人もいれば、疲れたと思う人もおり、判断は分かれると思います。
ウィーンからの直行便でアクセスできる都市
そうした朝からフライト接続ができる地の利を活かしたウィーンで直行便でアクセスできる都市を検索してみました。
今回はウィーン空港から8月10日の直行便のフライトの就航地と運賃をみてみます。
ウィーンから見て南や東側のエリアへの直行便が多く、且つ、運賃が安くなっています。千円台の運賃はおよそLCC(ライアンエアーかWizz Air)であります。それ以外はスターアライアンス加盟のオーストリア航空であります。
また、LCCは夕方便が多く、ウィーンでの乗り継ぎ時間が気になりますが、パワフルな人は朝からウィーン観光と言うのも選択肢にできそうであります。
ちなみにウィーン空港でプライオリティパスが利用できるのは第1ターミナルではVienna Loungeであり、第3ターミナルではSKY Loungeとなります。いずれもエアサイドにあり、早朝からオープンしているので利用できそうであります。Vienna Loungeはゲートによってはバスでの乗り継ぎがあるため、時間は気にする必要がありそうです。まあ、相当乗り継ぎ時間があれば朝のウィーンの散歩もいいかもしれません。その後にサ道の人は日本は違うサウナに行っても良いかもしれませんが。まあ、昼くらいからしか営業していないと思いますが。
他の欧州線は2025年からか
今回のウィーン路線の復活が週3便とは言え、華々しいところでありますが、他の欧州路線を見てみます。
かつては就航していたデュッセルドルフ便は今の所、2024年10月26日まで運休となっています。ボンやケルンに近いほか、アムステルダムにも近いデュッセルドルフへの直行便があると便利ではありますが、フランクフルト空港からダイレクトにドイツの新幹線であるICEでアクセスできることを考えれば見送りという事かもしれません。
まあ、ストライキの多いドイツ鉄道を考えると運航はあっても良いですが、ブリュッセルやパリやフランクフルトと近い場所に就航を考えると、代替もあるので、勘弁と言ったところかもしれません。
そして、未開設三兄弟のミラノとストックホルム・アーランダとイスタンブールであります。一応、2024年10月から2025年3月に開設と言うことですが、ミラノはありでもその他はどうなのだろうというところはあります。
ミラノはITAとローマとミラノで棲み分けができそうですが(昔はJALとアリタリアはコードシェアしたかと思いますが)、ストックホルムはストックホルム自体の需要はカバーできるとしても、近い将来にはスカイチームになるスカンジナビア航空との接続がうまく担保できるかと言うポイントとロシア回避路線でフライト時間が長くかかることを想定するとストックホルムが目的地以外で別に良いのではないかと言うところから先延ばしされそうでもあります。
イスタンブール路線については往路も復路もシルクロードルートで行けそうなので時間は早いので中東やアフリカ、強いては南米にも速達ルートになりそうですが、その需要があるのかと言う点では就航に値するのが言えそうです。ターキッシュエアラインの方が原価は安そうなので、そちらにも任せた方がまだ安泰にも見えます。
最後に
歴史に残るような出来事を起きた際の空路開設というのは国と国の関係が大きく影響することがよく見えるところであります。2020年から大きく開設しようとしたところでも2024年現在でもなかなかできないところを鑑みるとそうしたところが伺えます。
実質国内線のような北米路線はすでに回復している一方で欧州路線やオーストラリア路線はなかなかなかなか思うように増えないところかもしれません。
やはり、極東の国というのを実感します。