ANAが世界初で就航させたボーイング787型機は11月1日で10周年となり、個人的な搭乗遍歴と10周年記念モデルとも言える次期モデルを考えてみました。
初就航は2011年11月1日?
ANAでは2021年11月1日をもってボーイング787型機の就航10年と言っています。これは定期便であり、定期便は2011年11月1日に羽田⇔岡山、羽田⇔広島の国内線が最初となっています。
しかし、実際は同年10月26日に成田=香港間のチャーターフライトが初就航のようです。定期便である点やコロナ禍で国際線を絡めたイベントができにくいこともあってか、11月1日となったのかもしれません。
ANAでは2021年10月31日に岡山、広島線で記念フライトを実施し、放水アーチや記念品を配布する予定です。
対象便は岡山発着が653便と656便、広島発着が679便と680便となっています。
現在のANAの仕様は何種類
現在、ANAで保有しているボーイング787はシリーズでは世界的に珍しく、3種類保有しています。下記のとおりです。
ボーイング787-8型機
ボーイング787-9型機
ボーイング787-10型機
違いは大きく言うと胴体の長さであり、国内線と国際線で座席数は前後あるものの、長いほど座席数を多くなっています。
エンジンは胴体の長さに関わらず、ロールスロイス製のTrent1000またはGE製のGEnxの二択となっており、これまでANAは一環としてロールスロイスを選択してきました。
さらに、国際線や国内線仕様さらに、座席配列で分けると下記のとおりです。
ボーイング787-8型機 国内線2仕様、国際線2仕様
ボーイング787-9型機 国内線1仕様、国際線1仕様
ボーイング787-10型機 国際線1仕様
787-8型機の国内線はプレミアムクラスのシートの仕様が異なるのみであり、基本的には同じ配列で座席数は同一となっています。
一方で、国際線はビジネスクラスではフルフラットになるシートやプレミアムエコノミーを設定した長距離路線仕様とリクライニングのシートのビジネスクラスでプレミアムエコノミー設定がない中短距離路線仕様に分かれています。マニアックにさらに分ける成田発最長距離路線のメキシコシティ線用にエンジンをチューニングしている違いもあります。
787-9型機については、国内線は現状2機のみとレア(と言っても沖縄線では良く当たる)な存在である一方、国際線は座席数は異なる仕様がありますが、短距離から長距離までこなすオールラウンダーで国際線ではメジャーとなっています。
787-10型機については国際線のみの仕様となっていますが、胴体が長くエンジンは同じであることを考えるとノンストップで飛べる距離は絞られてくるため、アジア路線がメインとなっています。
今後の導入予定については後述します。
搭乗遍歴
個人的に787の利用歴を調べてみました。下記のとおりです。
機材 | ANA | Other | 合計 | |
---|---|---|---|---|
国内 | 国際 | 国際 | ||
787-8 | 55 | 45 | 9 | 109 |
787-9 | 8 | 25 | 1 | 34 |
787-10 | 0 | 1 | 0 | 1 |
合計 | 63 | 71 | 10 | 144 |
累計144フライト搭乗しており、累計299,313マイル飛んでいます。うちANAは国内線が63回、国際線が71回搭乗しています。
全体では900超フライトで、累計は145万マイル超を飛んでおり、787の割合は低く、やはり最近の機材という事がわかります。
ANA以外は10フライトであり、エアカナダ、エチオピア航空、エアインディア、アビアンカ航空とすべてスターアライアンスのキャリアでした。
ルートととしては日本からはANAを含めて、欧州、北米、豪州を利用しており、その他、南米⇒欧州、アフリカ⇒アジアのフライトも利用しており、787で五大陸は制覇しています。
機材シリーズ最多はB787-8が圧倒的でありますが、一応すべてのシリーズに搭乗しています。
初めて搭乗したのは2011年11月の羽田⇒岡山ですが、11月1日の初フライトではありません。
そして、最長路線はNRT⇒MEXの7,003マイル、最多搭乗路線はTYO(HND,NRT)⇔KULの35回とマイル修行で相当お世話になったことがわかります。
10周年記念モデル
ボーイング787シリーズについて、ANAでは主に国際線での導入を進めており、最新の2021年4月に登録されたB787-9も国際線機材でありました。
そして、これまではすべてエンジンはロールスロイス製であり、2021年4月時点でもそうでありました。
節目の10年目に新規登録される機材を調べてみると国内線仕様で、しかもエンジンはGE製のものを搭載しているB787-9という事であります。
登録は2021年9月に終わり、この10月に日本に到着しており、おそらく11月前後にはお客さんを乗せた定期運航につきそうな感じてもあります。
国内線仕様は実に7年ぶりで、機内の仕様も7年前とは変化しており、新世代のシートが設置されているという報道もあります。
新しいプレミアムクラスのシートの座席数が数年前に出された計画通り増席され、マイナーアップグレードして新仕様となっているか気になるところです。
また、エンジンについては同社では初のGE製であり、過去にロールスロイスエンジンの不具合で全機材が飛べなく、大きな打撃となったことを教訓としているようでありますが、まだ一機であり、今後の積極的に機材入れ替えを進めていくのかもしれません。
コロナ禍がなければ、国際線をさらに増備したのでしょうが、大きく変わり、しかも、B777シリーズが空を飛べない状態が続いており、対抗のJALがA350を着実に国内線に進めているところから、計画変更が対応しているかもしれません。
これまでとはちょっと変わった787となる見込みで、まさに10周年記念モデルと言えそうです。
最後に
ボーイング787を知るきっかけはANAでの初就航であり、窓の大きさや機内での快適性や音の静かさなどを経験し、時間が合えば積極的に利用した機材でもあります。
気が付けば五大陸を跨ぐフライトで利用しており、しばらくは国内線での利用になりますが、最新の国内線機材が商用に入ったらすぐに搭乗してみたいところであります。
次の10年で787がどれぐらい活躍し、国際線の座席がどんな形で刷新されるのかも気になるところであり、期待は色々と膨らみます。