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「落ちてきた ! ビジネスクラス」は日本人だけのアドレナリンなのか

航空業界において「落ちる」という言葉は、極めて重い意味を持ちます。にもかかわらず、アップグレードの世界では「落ちてきた」という表現が当たり前のように使われています。なぜ禁句に近い言葉が、喜びの瞬間を表す言葉として定着したのでしょうか。今回は、その背景を業界構造と言葉の文化から紐解いていきます。

禁句としての「落ちる」と、システム用語としての「落ちる」の違い

まず大前提として、航空業界において「落ちる(墜落)」は、安全運航を至上命題とするスタッフにとって最も避けたい言葉です。機内サービスや地上業務において、スタッフがこの言葉を口にすることはまずありません。

おそらく、機内でコーヒーをスーツにかけてしまい、シミが残らなければ、CAさんは「シミが残らず(シミが落ちて)に良かったですね」とか言うでしょう。

しかし、その一方で、予約や発券を司るIT・システム部門の視点では、「落ちる」という言葉は全く別の意味を持ちます。

データの反映: 予約管理システム(ホストコンピュータ)で処理されたデータが、手元の端末や個別の予約記録(PNR)に反映されることを「データが落ちてくる」と言うらしいです。普段使う、メールの受信でもダウンロードと言う方がしっくりきます。

また、リストからの移行: 空席待ちリスト(Waiting List)に並んでいた乗客の名前が、座席が確保された瞬間に「空席待ちリスト」から消え、「確定者リスト」へと移動します。この「リストから外れる=処理が完了して下りてくる」動きを、現場のスタッフやシステム担当者が「落ちる」と表現されていたようです。まあ、これはウェイティングリストに顧客がいることは悪として取り扱いされている前提と言えます。

この「システム上の処理完了」を指す業界・界隈での用語が、航空ファンやヘビーユーザーの耳に入り、いつしか「アップグレードが確定すること」を指す専門的な用語の響きとして、「落ちてきた」が定着したと考えられます。

厳格な会員ヒエラルキーと「棚卸し」の構造

航空会社の座席管理は、非常に緻密なピラミッド構造になっています。アップグレードの空席待ちは、単純な先着順ではなく、会員ステータス(ダイヤモンド、サファイア、JGC、SFCなど)によって明確な優先順位が決まっています。

上位からのトリクルダウンがあります。 航空会社は出発直前まで、高い運賃を払ってくれる顧客のためにファースト・ビジネスクラスの席を保持します。しかし、出発が近づき「これ以上は売れない」と判断したタイミングで、その席を空席待ちの乗客に開放します。

「落ちてくる」感覚は、この開放された座席は、ピラミッドの頂点にいる最上位ステータスの保持者から順に割り当てられます。自分のステータスの階層まで順番が回ってくる様子は、まさに上の階層から権利が「降ってくる」「落ちてくる」ような感覚を伴います。

このように上空を移動する飛行機には一番、耳障りが良いと言うのもあるかもしれません。

もう一つは、日本ならではとしては、高僧などの宗教用語も関係していることも想起されます。天国は上空、地獄は地底的なイメージもあり、天から授かるとなると空から下への物理的な移動となり、やはり落ちていると言うイメージが強いのかもしれません。

過去の高僧にも、空海や悟空という存在も空というイメージを想起させているのかもしれません。

「棚からぼた餅」的な幸運のニュアンス

アップグレードは、自分の意思だけでコントロールできるものではありません。自分の前にどれだけライバルがいるか、当日のビジネスクラス等の販売状況はどうなっているかなど、不確定要素が多分に含まれています。

日本語には「棚からぼた餅」という言葉があるように、自分ではどうしようもない「上のほう」から、予期せぬ幸運が転がり込んでくることを「落ちる」という動作で表現する土壌があります。

「アップグレードが落ちてきた」と言う断面では、そこには「たまたま運良く、貴重な一席が自分の手元に転がり込んできた」という、謙遜と喜びが混じったニュアンスが含まれているのです。

これは、先述の仏教的な背景を含みつつも、「ラッキーですいません」的な周囲に気を使うと言う事も含まれているかもしれません。公共なエリアに行くといつも、譲り合い側面で、頭を軽く(連鎖反射的でも)掲げる日本人は大好きであり、出来る限りそうしますが。まあ、しかし、最近のSNSを見ると、自慢フルスロットルでありますが。その前後で、謝意を示している人も多いとは思いますが。

言葉の持つ力と験担ぎ

落ちるとは

さて、ここでは「落ちる」という言葉にフォーカスです。航空会社や受験生、立候補者にとっては落ちると言うのは最禁句級のフレーズであるのは自明です。

「落」という漢字が持つ二面性
⚠️ 忌み嫌われる(負のイメージ)
  • 墜落
  • 落第
  • 落選
  • 堕落
  • 都落ち
  • 奈落
  • 落雷
  • 落書き
  • 落ち武者
  • 蹴落とし
✨ 歓迎される(正のイメージ)
  • 落着
  • 落札
  • こけら落し
  • 腑に落ちる
  • 顎が落ちる

言葉には陰陽のエネルギーを持つと思い、落をピックアップしたのですが、落は、そのバランスをしても、負のイメージが多いようであり、やっぱり使わない方が良いのかなと感じてしまいました。

正のイメージでは、落札や落着、腑に落ちるは、落ちるまでは悶々とした時間が経過され、その後の時間の経過でマイナスからプラス増分と言う意味でいい響きだけかもしれません。

ただ、こけら落とし顎が落ちるはスタートを切ったり、感覚的な言葉なので、こちらは専ら良いでしょう。

落ちると言う言葉を回避して、降りるや引くと言うのも良いでしょう。降りるは無事に降機できると言う意味では良いでしょうが、ダイヤモンド降格、急降下と言う意味ではあまり良くないでしょう。

引くは当たりくじを引くと言う意味では良いですが、引火、ドン引き、我田引水、引き潮 などネガティブもあるので、落や降とは、相対的にネガティブな意味が少ないようなので、アップグレードを引いた!! であれば、マイラーとして、航空会社が最も忌み嫌う言葉にも当たらず、当たり障りがないとも言えます。

験担ぎ

洋の東西を問わず、数字や言葉に験担ぎと言うものはあります。海外のホテルでは13階や13号室と言うものが、かなりの確率でなかったり、666や17が避けられる数字であったりします。アジア圏でも2,4,9が避けられたりします。

一方で7や8は好まれるところであり、ボーイング777とA380は機材・行方不明や明らかな撃墜を除くと、全員犠牲がないと言うのも数字が持ち得るパワーかもしれません。

さて、日本のような漢字含みの言語の国でも験担ぎはさらに今でも見られます。代表的なのが鉄道会社であり、登記上は鉄道としていても本社の銘板では、鉄(金へんに失う)ではなく、金へんに矢としている事業者も多いようです。JRだと北海道、西日本、四国、九州とかそうであります。

一方で、JR東日本は新宿と言うか代々木の本社の石材の銘板には東日本旅客鉄道株式会社と刻まれており、金へんに失うの鉄で刻印されています。東海も名駅ではそうであるようです。

JR東日本では、銘板が鉄製ではなく、石材と言うのがキーでもあるのかと思ってしまいます。鉄には頼らず、土(不動産)やICチップ(ケイ素、電子マネー)にしたのは、今にしてみれば、同社の戦略を感じてしまいますが。まあ、その当時そう考えた人はいるのでしょうか。

このように、鉄道会社は金を失う危惧へのこだわりが大きいのですが、鉄を扱う鉄鋼業では、最近は再編も進み、そもそも企業名に鉄を使わないところもありますが、鉄は鉄として使うところ増えています。日本製鉄や日鉄興和不動産などはそれにあたります。以前は鐵としていた企業が多いですが。まあ、今後は違うかもしれませんが。

ちなみに、鉄道会社が金へんに矢を使用した要因を振り返ると、赤字により解体された、日本固有鉄道(JNR)であります。国鉄はそのまま金へんに失うで、その通りにしたからと言う呪いも空くならずあるかもしれません。まあ、国のパーツに責任をしたのは仕方ないですが、その後の経済はどうだったのでしょう。

いみじくも、税金の無我遣いと言われた、青函トンネルの入り口の扁額を筆入れしたのは、国鉄を解体した中曽根と橋竜が揮毫したと言うのも何ともパラドックスですが。

「降りる」への言い換えはあるが、マナーまでとは

現代では、SNSの発達により、こうした隠語が一般の人の目にも触れるようになりました。そのため、航空事故を連想させる「落ちる」という言葉を公の場(特に機内やカウンター付近)で使うことを避ける動きもあります。

空席待ちではなく航空会社の都合で突如アップグレードされる「インボランタリー・アップグレード(インボラ)」の場合は、「落ちてくる」よりも「当たった」「引いた」という宝くじに近い表現が好まれているようです。マグロ一本釣りみたいですね。

日本であれば、毎年正月に必ず放送されるテレビ東京系の大間マグロ番組みたく、「アップグレード、食った、食った!」の方が、言葉に対するインパクトと当たり障りもないかもしれません。あのテレビ番組の醍醐味はやはり、マグロが餌を食べたとこにありますから。

最後に

言葉は単なる音や文字ではなく、文化や心理、そして歴史を映す鏡でもあります。「落ちる」という一語にも、禁忌と幸運、システム処理と棚ぼた的歓喜という二面性が同居しています。

とは言え、刺激がないと継続しない趣味でもあり、そこが要諦でもあります。アップグレードが降りてくるのか、引き当てるのか。それをどう表現するかもまた、空の旅を楽しむ私たちの流儀なのかもしれません。

落ちてきたというのは、個人的にはアップグレード意外には使わない気がします。まあ、色々、面白いですね。

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