
インド洋の貴婦人と称されるリゾート王国、モーリシャス。その玄関口であるサー・シウサガル・ラングーラム国際空港(MRU)にて、出発前のひとときを過ごすべくエア・モーリシャスの本拠地フラッグシップラウンジ「Amédée Maingard Lounge(アメデ・マンガール・ラウンジ)」を訪れました。
一見すると航空会社の上級会員やビジネスクラス客限定の厳格なラウンジに思えますが、実はここ、世界中のクレジットカード特典や会員サービスでおなじみのプライオリティ・パス(Priority Pass)でも入場可能という太っ腹な仕様になっています。
今回は、インド洋の離島とは思えないほど豪華でフレンチエレガンスが漂うこのラウンジの基本情報からアクセス、洗練されたインテリア、充実のフード&シャンパンバーの様子まで、お伝えします。
- 基本情報
- アクセス
- 象徴的な赤の螺旋階段を上り、開放的な2階ラウンジ空間へ
- 多様なニーズに応える贅沢なシートバリエーション
- 清潔なサニタリー設備とシャワー
- フード&ドリンク:インド洋に漂うフレンチのエレガンス
- 最後に:高い航空券代も納得できる、旅の価値を高める至高のラウンジ
基本情報
■ 場所・営業時間
・場所:サー・シウサガル・ラングーラム国際空港(MRU)国際線出発エリア(Gate 28向かい付近)
・営業時間:05:00 ~ 24:00(フライトスケジュールにより変動あり)
■ 主な利用対象
・エア・モーリシャス、エールフランス等のビジネスクラス搭乗者・上級会員
・プライオリティ・パス(Priority Pass)/ DragonPass / LoungeKey 会員
・有料エントリー(事前予約または当日購入・最大3時間)
■ 設備・サービス
・2フロア構成(1階・2階)
・ホット&コールドビュッフェ(ローカルフード含む)、アルコールバーカウンター
・シャワールーム(受付でタオル貸出)
・無料Wi-Fi、電源/USBポート、キッズエリア
■ ワンポイント
・プライオリティ・パスでの滞在制限は最大3時間。
・メインのビュッフェやシャワー設備は主に2階エリアに設置されています。
アクセス

国際線の出国審査と手荷物保安検査を無事に終えると、最近の近代的な国際空港でよく見かける「免税店(MDFP Duty Free)のショップ内を強制的に通り抜けさせる蛇行ルート」が現れます。色鮮やかな香水や地元のラム酒、お土産が並ぶショップを抜けてコンコースへ出たら、搭乗ゲート側へと進みましょう。

アメデ・マンガール・ラウンジの位置は、コンコースの最深部にあたる28番ゲートの真向かい付近です。
実は出発前、プライオリティ・パスの公式サイトで検索していた段階では「空港によくあるサードパーティ製(独立系)のカードラウンジなのかな?」という印象を受けていました。しかし、実際に現地に到着して入口の重厚な看板を目にして納得。
ここはサードパーティ製どころか、モーリシャスのナショナルキャリアであるエア・モーリシャス(Air Mauritius)が誇る正真正銘のフラッグシップ航空会社ラウンジだったのです。

当然ながら、自社便のビジネスクラス客や上級会員だけでなく、エールフランスをはじめモーリシャスに乗り入れる大半のフルサービスキャリア(FSC)の指定ラウンジとして機能しています。アライアンスを越えてプライオリティ・パスにもオープンしているのは、旅行者にとって大きなメリットと言えます。
象徴的な赤の螺旋階段を上り、開放的な2階ラウンジ空間へ

受付レセプションは1階(地上階)に設置されています。パスポートと搭乗券、そしてプライオリティ・パスを提示してスムーズにチェックイン完了です。
ラウンジ全体は1階と2階の2フロア構造になっていますが、私たちが訪れた日中の時間帯は1階エリアは利用制限(休眠状態)となっており、すべての利用客が2階へと誘導されていました。時間帯による混雑度や運用に合わせて開放エリアを調整しているようです。
レセプションの奥へ進むと、まず目を引くのが鮮やかなエア・モーリシャス・レッドの壁面に囲まれた美しい螺旋階段です。洗練されたモダンアートのような建築美に期待が高まります。なお、大きなキャリーバッグや荷物をお持ちの方や足元が不安な方のために、階段脇にはエレベーターも完備されているので安心です。

螺旋階段を上って2階へ足を踏み入れると、そこにはフラッグシップラウンジの名に恥じない、非常に広く天井の高い開放的な空間が広がっていました。
当日は搭乗客がかなり多く訪れていたのですが、敷地面積が圧倒的に広いためか、混雑感や圧迫感は一切ありません。座席同士の間隔もゆったりと確保されており、実に優雅で空いている印象さえ受けました。
多様なニーズに応える贅沢なシートバリエーション

ラウンジ内は利用者のスタイルやグループの人数に合わせて、実に様々なタイプのシーティングエリアが用意されています。

ファミリー&リラックスブース
小さなお子様連れの家族向けに区切られたファミリールーム的なスペースがしっかりと確保されています。クッション性の高いソファやローテーブルが配置されており、周囲に気兼ねなく靴を脱いで足を伸ばし、リラックスして過ごせる工夫が施されています

邸宅のリビングのようなラグジュアリーソファ
まるでヨーロッパのお金持ちの邸宅にお邪魔したかのような、贅沢で高級感あふれるリビングスタイルのブースも目立ちます。大きなふかふかのソファセットが囲むように配置されており、3世代の大家族や大人数のグループでも余裕を持って談笑できるスケール感です。

PC作業に最適なコワーキング・カウンター
ビジネスマンやノマドワーカー向けには、仕事に集中できる長机のカウンターテーブル席が用意されています。各席にはユニバーサルタイプの電源コンセントが配備されているのですが、私が座った箇所の4つの差込口のうち、2つは通電しておらず作動しないというお茶目な一面(海外空港あるある)もありました。充電する際は、刺した後に通電ランプや端末の充電反応を確認することをおすすめします。

また、一部のローソファ席のサイドテーブルや床面には、スマホを置くだけで充電できるワイヤレス充電器(Qi)が埋め込まれている箇所もあり、設備投資の先進性とモダンさが伺えます

数々の栄誉を物語るトロフィーコーナー
ラウンジの奥深い片隅には、これまでにこのアメデ・マンガール・ラウンジが受賞してきた国際的なラウンジ賞のトロフィーや記念の盾が静かに飾られていました。World Travel Awards等で高い評価を受けてきた実績があるようで、この豪華で洗練された空間作りを見れば、多くの賞を獲得してきた理由も納得がいきます。
清潔なサニタリー設備とシャワー

長距離フライトの前後に非常にありがたいシャワールームも完備されています。
また、お手洗いも非常にモダンなインテリアでデザインされており、清掃が行き届いていて非常に清潔でした。水回りの清潔感や設備のメンテナンス度合いは、どこか東アジアの高級ハイエンドラウンジに通じるクオリティを感じさせます。

ラウンジの窓側からは、吹抜け構造越しに下のコンコースを行き交う旅客の姿が見え、その先には開放的なガラス窓越しに飛行機が並ぶエプロン(駐機場)を遠望できます。搭乗口に直接面したダイレクトな滑走路ビューとまではいきませんが、もし自便が目鼻の先の28番ゲートから出発する場合は、搭乗開始の空気感を肌で感じ取りながら、出発ギリギリのタイミングまでラウンジ内で優雅に過ごすことが可能です。
フード&ドリンク:インド洋に漂うフレンチのエレガンス

続いて、気になるフード&ドリンクのラインナップです。モーリシャスは歴史的にフランスやイギリスの統制下にあった背景があり、食文化にも色濃くフランスの影響が残っています。


【圧巻のバーカウンター:プライオリティ・パスで「本物のシャンパン」が味わえる喜び】
アルコール類はセルフサービスではなく、専用のシックなバーカウンターでスタッフにオーダーするスタイルとなっています。
ワインリストを見て驚いたのは、一般的なスパークリングワイン(ヴァン・ムスーやカヴァ)ではなく、正真正銘のフランス産「シャンパン(Champagne)」が惜しげもなく提供されていたことです。
日本のANAで言えば、最高峰の「スイートラウンジ(SUITE LOUNGE)」に入らなければ本物のシャンパンにはなかなかお目にかかれません。それがプライオリティ・パスで入れるラウンジで日常的にサーブされているのですから、国やエアラインが変わればこれほど扱いが異なるものかと感心させられます。
【バラエティ豊かなホットミールと多国籍な料理】

ホットミールコーナーには、焼き立ての香ばしいピザをはじめ、熱々の料理がずらりと並んでいました。
お肉料理に関してはチキン、ポーク、ビーフと幅広く用意されており、宗教的な制約にとらわれない非常にグローバルで多様なメニュー構成です。味付けもアジア風のものからオーソドックスなヨーロッパ風のものまでバランスよく揃えられていました。アジアのエスニック料理にあるような「真っ赤で激辛のスパイス料理」は控えめになっており、全体的にマイルドで食べやすいヨーロピアンテイストに仕上げられています。


旅の序盤や移動中に海外で生水・生もの・強いスパイス等に手を出してお腹を壊すわけにはいかないため、今回の滞在では体調管理を最優先にして固形物の食事は控えめにしましたが、かぼちゃや野菜の温かいスープなど、長旅で疲れた胃腸に優しそうなメニューも用意されていました。
【焼きたてパンコーナーと人気のネスプレッソ】

パンのコーナーには、フランス文化の息吹を感じさせるクロワッサンやデニッシュ、ハード系のパンが並ぶ「焼きたてパンブース」が設置されていました。
また、なぜかラウンジ内で異常なほど混雑していたのが「ネスプレッソ(Nespresso)」のカフェブースです。「街中やホテルでもいつでも飲めそうなエスプレッソマシンになぜこれほど人が群がっているのだろう?」と少し不思議で微笑ましい光景でしたが、本格的なコーヒーでリフレッシュしたい旅客には大人気のようでした。
最後に:高い航空券代も納得できる、旅の価値を高める至高のラウンジ

今回は次のフライトを控えた体調管理の意味もあり、過度なドカ食いは避けて、冷えた格別なシャンパンと洗練された白ワインを中心に優雅なグラスタイムを過ごさせていただきました。
インド洋のど真ん中に位置する離島の空港でありながら、どこかフレンチエレガンスの香りが漂う非常にヨーロピアンで上質なラウンジ空間。提供されるワインのクオリティも高く、旅の締めくくりにふさわしい贅沢な時間を堪能できました。
モーリシャスのようなインフラ維持コストがかかる孤島路線は、エコノミークラスであっても航空券運賃がかなり高額になりがちです。しかし、搭乗前にこれほど豪華で広大なエア・モーリシャスのフラッグシップラウンジを利用でき、プライオリティ・パス1枚で極上のシャンパンやシャワー、快適なソファスペースをフル活用できるのであれば、航空券の価格にも十分に納得がいきます。