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ANA 2026年度輸送計画 国際線強化と国内線再編、具体的な路線をピックアップしてみた

ANAグループの2026年度輸送計画が発表されました。この中で、マイル修行にも関わってくるANA(全日本空輸)の国際線および国内線の輸送計画を深掘りし、そこから見えてくるポイントを考察していきます。

国際線

いまやANAグループの花形であり、最も収益を稼ぎ出す事業が国際線です。2026年度における増便・減便・運休、新設(いずれも期間限定を含む)は以下のとおりです。

区分 エリア 路線 便名 変更内容 実施時期・詳細
新設
(期間限定)
アジア 成田=バンコク NH807/808 新規設定
(週4往復)
7/18〜8/31は運休
新設
(期間限定)
北米 成田=バンクーバー NH136/135 新規設定
(週7往復)
6/5〜8/31の期間運航
新設
(期間限定)
アジア 成田=シンガポール NH803/804 新規設定
(週7往復)
4/20〜5/8, 9/1〜10/24
増便 欧州 羽田=ミラノ NH207/208 週3 → 週7 2026年度下期中に毎日運航
増便 アジア 成田=ムンバイ NH829/830 週5 → 週7 ※7/18-8/31は週3に調整
増便 欧州 成田=ブリュッセル NH231/232 週2〜3 → 週3 月・水・土に固定
減便 オセアニア 成田=パース NH881/882 週7 → 週3 4/20より月・木・土に減便

※スケジュールは予告なく変更される場合があります。

そして、2026年度の輸送計画のポイントは以下のとおりです。

ようやくビジネスクラスシートの刷新

2026年8月より、最新ビジネスクラス「THE Room FX」を搭載したボーイング787-9型機を順次受領し、投入を開始します。これは単に座席数を増やすだけでなく、長距離路線におけるプレミアム需要を確実に取り込む狙いがあると言えるでしょう。

現時点では具体的な投入路線の言及はありませんが、これまでの「THE Room」シリーズは、ビジネス需要の高い羽田発着のロンドン線、フランクフルト線、ニューヨーク線、ロサンゼルス線、サンフランシスコ線、シカゴ線などに投入されてきました。この流れからすると、次はフランクフルト線が有力ではないかと考えられます。また、アメリカの政治の中枢であるワシントン・ダレス線も候補に挙がるかもしれません。

欧州直行便の利便性向上

羽田=ミラノ線の毎日運航化(週7往復への増便)や、成田=ブリュッセル線の週3往復への増便など、欧州主要都市へのアクセス強化が図られています。

ミラノ線については、JALが2010年に撤退して以降、旧アリタリア(現ITAエアウェイズ)が実質的に独占していましたが、ANAが参入したことで想定以上の需要があったのか、今回の毎日運航化に至っています。

ITAエアウェイズはアフリカ方面への路線網も充実しているため、ローマ経由との競合や乗り継ぎ需要の動向も気になるところです。

繁忙期集中型の路線設定と需給最適化

成田=バンクーバー線の夏季限定運航(6〜8月)や、成田=シンガポール線、バンコク線の特定期間での増便など、繁忙期に供給を集中させる柔軟な運航戦略が目立ちます。

この背景には、2026年8月以降の機材繰りも関係していると考えられます。新シートを搭載したB787-9が増備され、高単価な長距離路線(羽田=フランクフルト線など)に優先投入されることで、既存機材をムンバイ線やブリュッセル線といった増便路線へ振り向ける余地が生まれます。

機材繰りを前提とした柔軟な路線運用

Perth Airport Departure

また、夏季に成田=パース線の減便(週7→3往復)によって生じた余剰機材を、夏休み期間の成田=バンクーバー線などに充当し、年間を通じた機材稼働率の最大化を図っています。これはまるで渡り鳥が季節に応じて移動するかのような運用とも言えるでしょう。

さらに、シンガポール線・バンコク線の期間限定新設については、過去の決算発表で明らかにされたAirJapan便の休止を補完する意味合いが強いと見られます。オーガニックな新規就航というよりも、需要の取りこぼしを防ぐための戦略的措置と考えられます。

4〜5月、9〜10月といった特定期間に限定されている点からも、AirJapan運休後の機材整備期間や、ANA機材の余剰時間を活用したピンポイントな代替輸送であることが示唆されます。儲からない時期は飛ばさず、稼げる路線へ柔軟に機材を回す姿勢が明確です。

フライングホヌ情報

フライングホヌについては、今年度同様に便数ですが、2月3日に追加発表された情報では、以下の通り、減便されます。

✈️ 成田=ホノルル線(NH182/181)運航情報

【減便対象期間】

  • 2026年5月11日 〜 7月16日
  • 2026年9月2日 〜 11月5日
  • 2026年11月21日 〜 12月16日
  • 2027年1月11日 〜 3月18日

基本減便曜日: 月・水・木・土

⚠️ 5月・9月のイレギュラー設定:

▼運休:5/15(金), 17(日), 19(火) / 9/18(金), 20(日), 25(金), 27(日), 29(火)
▼運航:5/14(木), 18(月), 20(水) / 9/19(土), 24(木), 26(土), 28(月), 30(水)

国際線主力化がより鮮明になった2026年度計画

以上のように、2026年度の国際線では全く新しい地域への新規就航はありませんでしたが、主力事業として「質」と「量」の両面で着実な拡大を図っていることがうかがえます。

個人的には、更なる納入遅延などにより「THE Room FX」に座れないだけでなく、輸送計画そのものが崩れないことを祈るばかりです。

国内線

羽田T2

ANA(ALL NIPPON AIRWAYS/全日本空輸)は、日本国内線の雄として長らく国内線を主力事業としてきましたが、現在でも大きな割合を占めるで春亜ものの、国際線に抜かれ、路線によっては赤字を抱える国内線も増えています。地域インフラとしての役割も担うだけに、厳しい判断を迫られているのが現状です。

2026年度の国内線輸送計画を見ると、ANAブランドとしてはかなり思い切った施策が打ち出されていることが分かります。

増便・減便・運休、新設(いずれも期間限定も含む)は以下のとおりです。

区分 路線 現行 変更後 実施時期/備考
増便 伊丹=沖縄 3往復/日 4往復/日 3/29〜
減便 羽田=福岡 20往復/日 19往復/日 3/29〜
減便 伊丹=札幌 6往復/日 5往復/日 3/29〜
運休 関西=札幌/沖縄/宮古/石垣 各便 運休 3/29〜
※1 一部日程除く
運休 静岡=札幌/沖縄 1往復/日 運休 10/1〜
期間増便 羽田/中部/小松/福岡=札幌 - 増便設定 夏の多客期中心
期間減便 福岡=沖縄 9往復/日 8往復/日 3/29-6/30, 9/1-10/24

※1 一部の日程は 1 往復/日程度運航いたします。最新の空席状況をご確認ください。

国内線は“量”から“収益性”重視へ

ファストシート

2026年度の国内線計画(前年比98%)であり、前年割れとなっています。単なる現状維持ではなく、「収益性の徹底追求」と「拠点(伊丹・中部・小松)の強化」、そして「関西(関空)路線のPeachへの役割分担」という明確な意図を感じます。

関西空港発着路線の大胆な整理

関西空港発着の4路線が、一部日程を除き運休となります。もっとも、関西=札幌線、沖縄線についてはPeachで増便されており、実質的にはグループ内での役割分担と言えるでしょう。

一方、宮古・石垣線についてはPeachへの移管もなく、事実上の撤退と見られます。関西発で沖縄方面の修行をしていた人にとっては、痛手となりそうです。

地方路線の選別と静岡路線の撤退判断

期間限定ながら、札幌路線の増便が目立ちます。羽田に加え、中部、小松、福岡からの増便は、インバウンド需要や地方間移動の取り込みを意識したものと考えられます。

小松=札幌線の増便は一見意外ですが、北陸観光と北海道観光を組み合わせたい需要が一定数存在するのかもしれません。

一方で、下期(10月)からは静岡=札幌・沖縄線が運休となります。地元メディアでも大きく取り上げられていますが、利用実態を踏まえた判断であることも事実でしょう。

これでもう静岡空港の地下に東海道新幹線新駅を設置すると説もなくなりそうですね。まあ、そもそも、リニア開業後と言うのがいつになるのかわからないところではあります。

需要構造の変化や費用増加により、国内線事業の収益環境は厳しさを増しています。今回の計画からは、不採算路線を整理し、収益性の高い路線へ機材と人員を集中させることで、国内線事業を再びプロフィッタブルな事業へ再構築しようとする意図が読み取れます。

新機材B737-8導入と国内線サービスの行方

2026年6月には新機材B737-8を受領予定です。年度内に旅客運航へ投入されるかは不明ですが、久々の新機材導入でもあります。ただ、海外で搭乗した印象では、B737-800と大きな違いは感じられず、A321neoのようにシートモニター付きとなれば、なおさら、これまでのナローボディ機と変化は少なく感じるかもしれません。

それよりも、アップグレードが落ちてきたは喜ばしいですが、海外での事故も多いだけに、少し怖いところです

ANA国内線再編が示す選別の論理

以上のように、2026年度のANA国内線は「稼げる路線はANA、レジャー・低価格需要はPeach」というグループ全体での最適化を、これまで以上に推し進めた計画に見えます。その一方で、Peachにも移管されず、事実上の撤退となった路線が増えている点は印象的です。

またまた余談ですが、今回撤退・運休となる路線を見てみると、トクたびマイルで頻繁に設定されていた路線が多いことが分かります。直前まで空席が残りやすい路線であったことが、結果として浮き彫りになったとも言えるでしょう。

逆に言えば、2026年4月以降(トクたびマイルは一時休止となるため、実質的には夏以降でしょうか)には、トクたびマイルの設定路線自体が絞り込まれていく可能性を示唆しているのかもしれません。

最後に

ANA A321neo

2026年度のANA輸送計画は、国際線・国内線ともに収益性と資源配分の最適化を主眼とした構成となっています。

国際線ではTHE Room FX導入機材を軸に欧州・北米の高単価路線へ供給を集中させ、期間限定運航を組み合わせることで機材稼働率と単価の最大化を図るが伺えます。

国内線では不採算路線の整理と拠点空港への集約を進め、レジャー需要はPeachへ移管することでグループ全体の効率化を高めています

一方で、こうした路線再編はマイル修行の動線にも影響を与え、従来有効だったルートが使いにくくなる可能性もあります。今後は路線数よりも単価や運賃種別を重視し、限られた選択肢の中で効率的にポイントを積み上げる視点が、より重要になっていくでしょう。

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