弾丸トラベルは怖くない!

マイル、飛行機、鉄道、海外・日本国内トラベル情報、ホテル、海外発券など

エアージャパンの運賃はどれくらいになるのか考えてみた

スポンサーリンク

エアージャパン

ANAホールディングス完全子会社であるエアージャパンが2024年から就航を計画している新サービスが発表となりました。

サービスのチェックしてみるとともに、運賃がどれくらいになるか考えてみました。

エアージャパンのサービス

シート全景

発表されたエアージャパン(Air Japan)のサービスの概要は下記のとおりです。

  • 2024年2月就航予定
  • 成田との発着でアジア(東南)方面からスタート
  • 機材はANAのお古のB787-8を利用、機内はリノベーション
  • 座席クラスはエコノミーのみのモノクラス
  • シートはサフラン社製でシートピッチ81インチ、エンタメ機能(モニター)なし
  • シートにはUSB-A,Cポートとタブレットホルダーを装備
  • 訪日外国人をターゲット
  • 機内食は和食が中心であり、有料(事前予約メニューと当日機内で購入可能なものがある)

ZIP AIRのようにフルサービスキャリアで言う、ビジネスクラス相当のシートも設定した2クラス制かと思いましたが、エコノミーにだけに振り、モノクラスであります。座席数は324席とさすがにフライングホヌの500席オーバーには勝てませんが、787よりも大きなB777-300ERよりも多くなっています。

シート配列は3-3-3とANAの787と同じであります。ビジネスクラスで利益確保と言うよりはエコノミーで席あたり一定水準の利益が確保する仕組みにして座席数掛け算でソロバンをはじていて、先読みしやすくしているのかもしれません。

ブログやYou Tube的にはZIPAIRのビジネスクラスに乗るのは有りですが、実質的には8時間程度のフライトだとエコノミーで良いと言う結論かも知れません。

就航エリア

ANAホールディングス中期経営戦略説明会資料より

エアージャパンのスタート時のエリアは成田から東・東南アジアでありますが、オーストラリア北部にエリアが被っているのが意味深でもあります。ケアンズやダーウィンも考えているのかもしれません。一方でインド方面は絶対ないと言う印象もあります。

太平洋路線を拡張しているZIPAIRとはちょっと違う立ち位置にも感じます。

FAQから見るサービスの全体像

新サービス発表とともに特設サイトを開設しており、FAQも記載していました。同社が用意したQA問答集は以下のとおりです。

Q.AirJapanの就航はいつですか。
A.2024年2月の予定です。

 

Q.エアージャパン とAirJapanの違いについて教えてください。
A.エアージャパンはANAグループの国際旅客便を運航する会社の名前です。
AirJapanは、アジア路線を中心に就航し、お手頃な運賃を提供する、ANAグループの新たなブランドの名称です。

 

Q.ANA便の運航は引き続き行う予定ですか。
A.エアージャパンではANA便とAirJapan便を運航します。                              

 

Q.運航路線は決まっていますか。
A.決定次第発表いたします。

 

Q.AirJapan便の航空券発売開始はいつですか。
A.決定次第発表いたします。

 

Q.クラス、座席について教えてください。
A.全席エコノミークラス、324座席です。                                        

 

Q.デザイン、シートはどの会社が開発しましたか。
A.デザインは常に革新的で洗練されたデザインを創造する、グローバルに活躍するイギリスのデザイン会社Acumen、シートは付加価値の高いソリューションにより世界中の航空会社にシートを提供する、世界有数のサプライヤーSafranです。

 

Q.シートピッチ、リクライニングについて教えてください。
A>シートピッチは一般的なエコノミークラスシートを上回る32インチ(約81センチ)。広めの足元と深めのリクライニング設計により、お客様にはより快適に機内でお過ごしいただけます。

 

Q.座席の装備はどのようなものがありますか。
A.スマートフォンやタブレット端末を快適にご利用いただけるよう、Type-A及びType-CのUSBポートとタブレットホルダーを装備しました。

 

Q.「環境にやさしい」とはどのようなものですか。
A.シート素材には本革や塩化ビニールと比べて大幅に軽量な合成皮革(Ultraleather®)を採用。機体を軽量化し、運航により排出する二酸化炭素を削減します。また、カーペットには再生ナイロンを使用し、ESGを意識した客室にしています。
*Ultraleather®・・・素材メーカーであるUltrafabricsグループが日本の技術を使って開発した、植物由来原料で製造された合成皮革。耐久性と実用性に優れたこの素材を、航空機用の生地を開発するパイオニアであるTAPIS社が加工しています。


Q.機内食は提供されますか?
A.多彩な機内食(有料)をご用意しております。

 

Q.事前予約メニューとは具体的にどのようなものですか。
A.メニューコンセプトは、"日本の「美味しい」を楽しむ、日本の「文化」を感じる"です。
詳細メニューについては、販売開始時期に合わせてご紹介いたします。今後の発表にご期待ください。また、ESGの観点から、機内でのフードロスをなくすため、事前予約を承ります。

 

Q.当日購入可能なメニューとは具体的にどのようなものですか。
A.スナックから軽食・お食事まで、お客様の気分に合わせてお選びいただけるラインナップをご用意します。

 

Q.飲食物/アルコール類の持ち込みはできますか。
A.飲食物の持ち込みは可能ですが、機内で召し上がるアルコール飲料の持ち込みは不可です。

エアージャパンホームページより

座席の素材や機内食の残飯対策を意識しているのは最近なSDGsでありますが、そもそも機内食を食べない人も有り、コスト削減と言えます。

また、合成皮革については、最近のPCケースでも天然のレザーよりも耐久性や導入コストでメリットがあるという事を証明しているかもしれません。

また、アルコール飲料持ち込みは世界の空の常識のように持ち込みとなっています。機内でどれだけ販売されるか不明ですが、かっ喰らって睡眠したい人にはどうなるのか気になるところです。

以上のようにFAQを用意していますが、個人的には下記を聞いてみたいところであります。

  • ANAとのコードシェアは有りますか。その場合、プレミアムポイントを含めたマイル加算はできますか。ライフタイムマイルも積算対象ですか。
  • 将来的に太平洋路線を開設となった場合、エアージャパン完結で、成田にて際際乗り継ぎの可能性はありますか。
  • 日本発券の場合、海外発券と大きな値差はありますか。
  • ANAマイレージの特典航空券にてNQ便を予約発券することは可能ですか。
  • 現在、設定されているNRT⇔SINのNQ便はの扱いはどうなりますか。

やはり気になる点としては、ANAマイレージクラブとの関係であります。先行した事例を見るとJALは基本的にはJMBとは分離しており、JMBに絡めていますが微妙でもあります。

エアージャパンについては新たな収益源を確立と記載があり、トップラインから開拓となるとANAとは別次元で展開されるかもしれませんが、ANA並みのシートスペックとなれば、都合が合えば、コードシェアも有りそうです。

SQについても、スクートとのセット的な旅程が予約検索では当たり前のように最近は出てきますし、それで囲い込みができればマイレージクラブの道も有るかもしれません。

運賃はどれくらいに

際際需要のANA便と訪日目的のエアージャパンのパラドックス

今回の発表の記事を見ているとタイ国際航空やシンガポール航空と言うフルサービスキャリアの文字が出ています。

現状、ANAと同じアジア系のスターアライアンス加盟キャリアであるタイ国際航空やシンガポール航空と比較した場合にエコノミークラスについては、タイ国際航空は運賃優位、サービスはANAの方が優位と見えます。コードシェアしていますが、値差は結構あります。

シンガポール航空については運賃はシンガポール航空が優位で、サービスはANAが優位かもしれません。(エコノミーの場合)そうした中で、LCCともフルサービスとも、差別化すると言うのは結構、難しいかもしれません。

搭乗率解決に運賃をダンピングすると本来の目的を失い、成長が進まないことも考えられます。なかなか難しいそうです。まあ、人口が多く、インバウンド需要が溜まりきってドバドバと出てくれば、波に乗れるかもしれませんが。

また、経費最小でサービスにより、利益率を上げるという事であると言えますが、もともと絶対値が少ない中で経費削減しても、利益は限定され、LCCと明らかに違う品質を共有できないと埋没してしまう可能性も有ります。

もしも、それが可能であれば、全て揃っているフルサービスで改革を断行した方がいいわけであり、そうではないと言えます。煮詰まった汁からは新しいものができないので、鍋を変えて真水から沸々と煮込むようにも見えます。

そして、ANAの国際線としてはアジアとアメリカの際際需要が今後の源泉でもあり、それに傷をつけず、日本止まりのインバウンド需要にて利益確保を考えているようにも見えます。

そうしたことからすると東南アジアからANAで羽田・成田を経由して北米に行く人の運賃とエアージャパンで日本を観光目的に来る人の運賃がどうなるか楽しみであります。

ANAの東南アジア発券で北米行き運賃はマイル積算率30%とかありますが、運賃は東南アジア発券の日本行きと遜色はなく、そのあたりはどうするのかも注目です。

タイ国際航空などと比較すると

TG運賃

タイ国際航空(TG)のバンコク発券の東京往復は最安で8.67万円であり、ANAと比較すると安いものの、エコノミーとしては激安と言うわけではありません。

往路便だけでも3便あり、行先も羽田と成田があり、時間帯は同じなものの、かなりの需要があってもカバーできそうであります。

エアージャパンについては就航時点から1日3往復とかは厳しいので、良さそうと思っても予約ができず、確実に予約が取れて日本に行けて、タイ語でやり取りができる手頃なTGの選択と言う結果になってしまうかもしれません。

VN運賃

続いてはベトナム航空(VN)運賃です。経由便という事も有ってか、TGよりは2万円程度安くなってきます。これくらいの運賃となると魅力的と感じるかもしれません。

経由便でフルサービスと言うとフィリピン航空(PR)も安く、5万円台であります。VNについてもPRについても、ANAとはコードシェア(ホーチミン・ハノイ、マニラなど)としている中でちょっと不思議な立ち位置になるかもしれません。

ZIPAIR運賃

そして、ZIPAIRは直行便でありつつも、6.64万円であり、この辺りが落としどころとなるのかもしれません。

ZIPAIR Tokyoはビジネスクラス相当にあたるシートもあり、収益モデルとしてはフルサービスキャリアに近いものの、エコノミー運賃はLCCに近く、オールエコノミーのエアージャパンはZIPとは差別化するかもしれませんが、色々なキャリアが存在する中で埋没してしまうそうな感じもします。

まあ、運賃としてはLCC的な立ち位置も有るので、日本発でも東南アジア発でも値差はなく、往復5-7万円ぐらいとなるようにも感じます。

その市場で一番になれないかもしれませんが、猛烈なインバウンド需要がこれから起きれば、ANAだけでは取りこぼしていた需要を掬い新たなヒントを得られると考えているようにも見えます。

最後に

各地域の監督当局の体制や昔からの慣習もありますが、フルサービスキャリアがつくったLCCとしてはピーチのように今のところ大成しているところも有りますが、シルクエアやJoonのように結局統合されてしまったケースも有り、フルサービスキャリアが新興資本のLCCが台頭してきた中で、フルサービスでもなく、LCCでもないブランドを立ち上げるのは、潮目が目まぐるしく変わる時代の戦略かもしれません。

まだ就航していないので何とも言えませんが、エアアジアジャパンやバニラの前例があっても、チャレンジするのは過去をみて、未来を明るくしたいと考えられます。

人間はタイムマシンがあり、過去と未来のどっちに行くかと問われたら、過去の方が圧倒的に多いと思いますが、そうしたことかもしれません。過去に行って、あの時の自分の決断を変えて未来を変えたいと思いますが、実際にそれを過去で実行すると、過去に戻った自分はなくなり、結末はわからなくなるでしょう。

Copyright ©Dangan-Lucky All rights reserved.