ユナイテッド航空は2019年3月31により、プレミアムエコノミーを導入し、ANAマイレージクラブでも新たに積算が開始となります。そこで、ユナイテッド航空便利用でANAマイルの積算が他のスターアライアンス便より有利な点と注意点をまとめてみました。
プレミアムメンバー向けのフライトボーナスマイルはANAと同一
ユナイテッド航空とは
ユナイテッド航空は言わずとしれた世界トップクラスの規模を起こる航空会社であり、欧州、中東、南米、アジア、オセアニアに就航している航空会社であります。そして、ANAが加盟しているスターアライアンスの設立メンバーでもあります。
予約クラスと積算率がそっくり
ANAとユナイテッドのマイル積算率をクラス別に比較すると下記のとおりです。
Class | United | ANA | 積算率 |
---|---|---|---|
First | F/A | F/A | 150% |
Business | J | J | 150% |
C/D/Z | C/D/Z | 125% | |
P | P | 70% | |
Economy | Y/B/M | Y/B/M | 100% |
U/H/Q/E | U/H/Q | 70% | |
V/W/S/T | V/W/S/T | 50% | |
L/K/G | L/K | 30% |
プレミアムプラスとANAプレミアムエコノミーの比較は後述しますが、そっくりであり、ANA国際線を頻繁に利用している人であれば、わかりやすい積算率とも言えます。
ANAにおけるプレミアムエコノミーのE/Gクラスをユナイテッドはエコノミー割引運賃で利用しているところのみ相違点であります。
プレミアムメンバー向けのフライトボーナスマイルとは
ANAマイレージクラブでは、同社の上級会員(ダイヤモンド、プラチナ、スーパーフライヤーズ会員、ブロンズ会員)向けに、上級会員特典として、通常のフライトマイルに加えて、フライトボーナスマイルを提供しています。
積算率は会員のクラスが上がる程、高くなり、ダイヤモンド会員でボーナスマイルだけで最大130%も積算されます。
各会員の下記のとおりです。
スーパーフライヤーズカード(SFC)会員では、ANAガードプレミアム保有し続けるだけで50%のフライトボーナスマイルを積算可能です。(乗らないと貯まりませんね)
通常、このような上級会員向けのフライトボーナスマイルは自社のフライトだけを対象にするマイレージプログラムが多い中、なぜかユナイテッド航空も対象となっています。ANAとコードシェアをしているフライトだけでなく、UA便(ただし、UAとANA以外が運航するUA便は不可)が対象となっています。
フライトボーナスマイルが貯まる理由
ANAとユナイテッド航空は共同事業を実施しており、太平洋路線、東南アジア路線、日本国内線、アメリカ国内線において、共同運賃を販売していすます。
北米・中南米360都市以上、日本国内40都市以上、アジア7都市以上において、時間帯や目的などでANAとユナイテッド組み合わせて購入することが可能です。
そして、この共同事業において、予約クラスのマイル積算率の統一、各プログラム上級会員の向けの両便でのボーナスマイルの提供を実施しています。
ANAはルフトハンザグループとも共同事業を実施していますが、ユナイテッド航空とはマイレージプログラムレベルまで強化していると言えます。
プレミアムポイント積算は注意
すべてがすべて、ANA便においてユナイテッド航空便が同一というわけではなく、大きな違いとしてはプレミアムポイントの積算方法が少し違うと言う点であります。
具体的に言うとANAマイレージクラブではアジア・オセアニア路線では搭乗倍率というANA便に限定して、1.5倍の積算率が加算されますが、ユナイテッド航空便ではそれが対象になりません。
以前、ユナイテッド航空は成田の以遠権を活用し、香港、バンコク、シンガポールなど就航しており、こうした時代には注意点でありました。
しかし、現在はアメリカ本土からアジア各地の直行便が増えたため、プレミアムポイントに差はないと言えます。
また、プラチナ会員やダイヤモンド会員になるためにはANA便で半数のプレミアムポイントを積算する条件があり、予約クラスやボーナスマイルが積算されても、そこは違うという認識が必要です。
アップグレードポイントの対象クラスと計算方法が違う
ANAの上級会員に付与される、「エコノミー・プレミアムエコノミーからビジネス」、「ビジネスからファーストクラス」へのアップグレードが可能なアップグレードポイントですが、ユナイテッド航空便でも使えるのは驚異的ですが、その対象や計算方法が違います。
対象クラス
ビジネス→ファースト C/D/J/Z
エコノミー・プレエコ→ビジネス G/E/Y/B/M/U/H※
黒字は両便対象、青字はANA便のみ対象となっています。
※Hについては日本発券アップグレード対象外
ポイント計算方法
ANA便 対象エリアごとに設定
ユナイテッド便 対象フライト距離(区間マイレージ)ごとに設定
ユナイテッド便の場合、ビジネスでは4,000マイル超は一律10ポイントとなっており、シンガポール=サンフランシスコ直行便などはお得とも言えますが、予約クラスがYとBのみのため、高い運賃のため、現実的ではないかもしれません。
ユナイテッド航空プレミアムエコノミーのANAマイルへの積算が開始
UAプレミアムエコノミー「プレミアムプラス」
ユナイテッド航空では、2019年3月30日からエコノミーとビジネスの中間クラスであるプレミアムエコノミー、同社名称「ユナイテッド・プレミアムプラス」を開始します。
以前からユナイテッド航空には「プレミアムエコノミーあったのでは?」と思う方もいますが、エコノミークラスと同じシートでシートピッチが3インチほど広い「エコノミー・プラス」であり、いわゆるプレミアムエコノミーは新設と言えます。
シートスペック
シートスペックはシートピッチが96.5cm(38インチ)、シート幅は48.3cm(19インチ)となります。13インチのシートモニターが配備されるほか、レッグレストフットレストも設置されています。また、高級百貨店チェーン「SAKS FIFTH AVENUE」の寝具(枕、ブランケット)やノイズキャンセリングヘッドフォンが提供されます。
さらに、アップグレードダイニングオプション(有料でより豪華な機内食を選択可能)が可能となっています。ANAでは同時期に「有料機内食メニュー」を提供開始しますが、これも共同事業の一環かもしれません。ANAは日本発欧州やアジア行きでも展開するようですが。
このほか、プレミアムプラスの特典は下記のとおりです。
預け手荷物2個まで無料(通常サイズ)
同社ラウンジ「ユナイテッドクラブ」への割引価格でのアクセス
優先搭乗
おすすめシート
プレミアムプラスが設置される機材は中型から大型機(合計151機)が対象となっています。ボーイング777シリーズ、787シリーズ、767シリーズに設置されます。
シート配列は下記のとおりです。
777では2-4-2配列
787では2-3-2配列
767では2-2-2配列を予想(コンフィグは未公開)
おすすめシートは最前列の座席であり、足元が広く、長距離便では選択して間違いないシートと言えます。
対象路線
アジア発着のプレミアムプラスが設定される路線は下記のとおりです。
成田=ニューアーク、サンフランシスコ
香港=ニューアーク、サンフランシスコ
台北=サンフランシスコ
北京=サンフランシスコ
ムンバイ=ニューアーク
成田は香港と並び2路線対象となり、優遇されていると言えます。上記機材はいずれもボーイング777シリーズであり、2-4-2のシート配列となります。2019年5月までに設定される見込みです。
ANAマイレージクラブ積算への積算
ANAマイレージクラブでのプレミアムプラスの積算率は2種類となります。
O/A 100%
R 70%
プレミアムプラス普通運賃(O/A)が100%,割引運賃(R)が70%となります。
Aはファーストで使われる予約クラスでありますが、3月30日よりプレミアムプラスに鞍替えして利用されます。
ANAのプレミアムエコノミー普通運賃(G/E)が100%、割引運賃(N)が70%と規則的には似ています。
ただし、プレミアムポイントについて、Nは搭乗ポイント400ポイントが付与されますが、ユナイテッドのRについては、400ポイントは不加算です。また、Rはビジネスクラスへのアップグレード不可であります。
ここでもプレミアムエコノミーも積算率低下の波が押し寄せていると言えます。
最後に
ユナイテッド航空の真のプレミアムエコノミーの設定がリリースされてしばらくはANAでのマイル積算が出されなかったため、どうなるか気になっていました。
しかし、結局ANA便と同様の積算率になりました。共同事業を展開しているので当然ではありますが、ユナイテッド航空はプレミアムプラス設定の就航先として、香港や北京、台北があるため、安い運賃も出てくる可能性もあり、プレミアムプラスでPP単価が良い案件がある場合は記事にしてみたいと思います。