2018年5月18日、シンガポール航空は子会社のシルクエアーと統合する発表をしました。シルクエアーの持つ機材をアップグレードするということで、SQブランドに変更した場合のマイル修行のメリットを考えてみました。
シルクエアーとは
シルクエアーとはシンガポール航空の子会社であり、シンガポールを本拠地としたフルサービスキャリアです。東南アジアを中心に就航しており、ケアンズやカトマンズや重慶と距離のある路線もあれば、クアラルンプールやプーケット、デンパサールにも就航しています。日本では広島にも就航しています。
マイレージプログラムは親会社シンガポール航空のクリスフライヤーです。クリスフライヤーであるもののスターアライアンスには加盟していません。シルクエアーはSQ便とのコードシェア便も多いですが、搭乗した人は知っていると思いますが、スターアライアンスゴールドの資格を持っていて、SQ便名で搭乗する際、ビジネスクラス以外はチャンギ空港のラウンジは利用できません。
また、ANAマイレージクラブではマイルも加算されません。ルフトハンザの子会社のLCCのユーロウィングスはNH便名の場合、ラウンジが利用できるほか、予約クラスによりますが、マイルも加算されます。さすがにプレミアムポイントは付与されません。
統合について
機体のアップグレードが先行
2020年からシルクエアーが保有する41機の小型機の改装がスタートされ、シンガポール航空並みのシートになるそうです。統合は小型機が十分にリニューアルされてからということであり、3~4年後先と考えられます。SQペイントに塗り替えられた完全なSQ便になるのかタイスマイルなどのように、運航する会社はタイ国際航空ですが、ブランドを2つ使い分けるかはリリースだけでは不明ですが、「フルサービスのネットワークにおいて一貫したプロダクトとサービスを提供する」と記載されていることからSQブランドとなる可能性は高そうです。
統合の理由
統合する理由については、サービス品質アップと機材の需要に応じた最適化運用ではないかと思います。大型機の長距離フライトを終え、乗り換えるとLCCと変わらない広さであり、東南アジア以外の上客からするとがっかり感があると思います。スターアライアンスのマイレージプクラム利用者であれば、他のスターアライアンス便を利用する顧客の囲い込み強化が考えられます。また、いままでのシルクエアーがLCCとあまり変わらなかったことから東南アジア乗客にとっては中途半端な存在になっていたのかもしれません。
マイル修行へのメリットは
マイル・プレミアムポイント加算数が増加
仮に完全なSQブランドとなれば、SQ便としてアジア内で行ける都市が圧倒的に拡大し、これまで日本=シンガポール間だけであったルートに加えてマイルやプレミアムポイントが加算できます。
海外発券地の拡大による低価格ルートの可能性
現在、16カ国49都市にシルクエアーは就航しており、こうした都市において、プロモーションが実施されることが想定され、非常にお買い得なビジネスクラスのチケットを見つけることができるかもしれません。カトマンズ発券や広州発券といった珍しいルートも可能となるかもしれません。
ラウンジ利用
スターアライアンス便となるとゴールド会員はラウンジアクセス可能なため、マイル修行が快適になると思います。
特典の利用先が拡大
ANAなどのスターアライアンス系のマイレージの特典で行ける目的地が拡大し、修行ではありませんが、旅行が楽しみの人には使いやすくなると思います。
最後に
統合が早くても2020年からということであり、かなり先のため、不透明であり、どうなるかわかりませんが、SQ便となるようであれば、メリットがあると思います。ただし、最低2年先ということで、それ以前にシンガポール航空がスターアライアンスから脱退したり、ANAがスターアライアンスから脱退したり、そうでない場合でもマイレージプログラムの改悪があった場合、メリットは薄くなりますが、サービスがどれほど良くなるかは注目です。