西武鉄道の最新鋭の特急「ラビューちちぶ」に乗車しましたので、お伝えします。
ラビューちちぶとは
ラビューちちぶとは2019年3月16日にデビューした西武池袋線の特急列車であり、新型車両001系が導入されています。
これまでのニューレッドアローからの置き換えで開発された車両であります。愛称のLaviewには
L - 贅沢(Luxury)なリビング(Living)のような空間
a - 矢(arrow)のような速達性
view - 大きな窓から移りゆく眺望(view)
の意味が込められているとのことです。アローの文字はaとして生き残っています。また、秩父と言う名前も残っているようです。
運行が開始された翌年の2020年には鉄道友の会の第63回ブルーリボン賞を受賞しています。
乗車記
池袋駅
池袋に久しぶりに行ってみました。JRと西武と地下鉄と東武が交わる地下通路は昔のように混んでいます。地上に出てもやはり人が多いです。
城西では新宿が一番でありましたが、ひとり地盤沈下した感もあり、池袋の方が混雑しており、相変わらず埼玉からの流入が多いようです。
西武池袋線の池袋駅の特急ホームは一番JR側にあり、専用ホームであります。キセル対策なのか私鉄の特急は大体こういった感じが今も続きます。
Laviewのマークに001系がペイントされています。外装はベアメタルではありませんが、ほぼ素材に近いメタリック塗装であります。
laviewは8両編成となっています。終日この編成で運用されており、結構なキャパがあります。グリーン車のようなプレミアムシートはなく、モノクラス仕様であります。
シートは秋田新幹線E6系の普通席を彷彿とさせるイエローであります。今でこそブルーなイメージの西武ですが、以前は外観が黄色の車両であったことを想起させます。
ただし、シートピッチは新幹線よりも広く感じ、グリーン車に近いと思うくらいです。
1号車の車いす対応のシートは1人掛けであり、とてもピッチが確保されています。まるでファーストクラスのようです。
向かい合わせにしても、座席間の間は結構広く、グループで談笑が励みそうです。と言っても、こうした時代なので向かい合わせは遠慮くださいとアナウンスはありますが。
前の座席の背面にテーブルがついているのですが、さらに真ん中のひじ掛けのところに丸いカクテルテーブルがついています。円形であり、結構スペースがあります。
缶ビールとスマホを置くのに丁度いい広さであります。新幹線のシートと比較してもこちらも方が便利であります。
感染症対策の案内はいらすとやです。日本人大好きないらすとやとゆっくり音声はもはやないと不安になるくらいですね。だな。
そして、ラビューには各席にコンセントも配備されています。カクテルテーブルから近い位置にあるので充電ケーブルが長くなくても不便はなさそうであります。
そして、無料Wi-Fiも完備されています。
室内の証明です。秩父行きは西日が強すぎで参考にならなかったため、復路の夜間時のものを載せてみました。LEDが自由に使える今の時代ならではの直線的な照明と間接照明が居心地の悪い近未来さがなく、それでいてありきたりでないというのは非日常とリラックスを与えてくれます。
座席上部にある荷物棚は透明であります。荷物がなければ開放感、荷物があれば荷物があることを終始知らせてくれます。
車内をパトロールしてみます。トイレは5号車と1号車のみとなっています。その代わり対象号車の各設備は充実しています。
男女各トイレのスペースや洗面スペースは十分に確保されてます。
洗面台は新幹線を超える設備であり、拡大鏡までついています。
続いて、先頭車両に行ってみます。ラビューちちぶは飯能駅を境にして、進行方向が変わりますす。そのため、池袋=飯能間は下りの先頭は1号車、飯能=西武秩父間の下りは8号車となります。
ひのとりやしまがぜ、サフィール踊り子のように最前列のシートはどの席でもそれなりの眺望があるというわけではないようです。
1号車では1のCD席、8号車では12のAB席がベストのようです。
沿線の景色
池袋駅を発車した後の景色をまとめてみます。池袋からしばらく、西武池袋線はJRよりも立派なくらいの高架線を進みます。その間ほとんど、住宅地の景色が続きます。JRと比較すると緩衝地帯が少ないのか、アパートの表札も確認できるくらいであります。
そして、20分程で所沢に到着します。西武鉄道の最大のジャンクションである所沢駅は必ず停車する駅でもあります。所沢と言うとあらビックリの所ジョージ氏の生まれた場所であります。何となく、今では世田谷でありますが。
ラビューちちぶはこの後、入間市に停車して、国道16号線を跨いでいきます。この辺りから埼玉の自然豊かさが出てきます。
同列車のターニングポイントとも言える飯能駅に停車です。飯能駅ではスイッチバックして進行方向が変わります。
感染症対策として、座席の向かい合わせの遠慮が放送されますが、これは進行方向対策として座席の向きを変えることをやめて欲しいなのか良くわからないところです。
飯能から秩父まで45分ぐらいと全行程の半分くらいもあり、快適性を考えると回転させても良いようですが、不明です。
所沢でがっつり下車して、飯能までもかなり下車しており、ガラガラであり、一人でコンパートメント化してみましたが、何も言われませんでした。
武蔵丘車両基地を通過します。ここから秩父方面の電車が管理されているようであり、飯能を境として線路も景色も変わってきます。
線路は単線となり、カーブでガシガシ言うレールと車輪が印象的となります。速度もそれほど上がらず、川を幾度となく渡る景色はローカル線であります。
単線すれ違いでは旅するレストラン「52席の至福」が自分が乗るラビューちちぶを通過待ちしていたりします。
このあと西武秩父線では一番長いトンネルの 正丸トンネル(4,811m)に入ります。長大トンネルと言うのは意識しなくても入った瞬間、別物感を感じるのは自分だけでしょうか。
トンネルをあまた潜り、横瀬駅(よこぜえき)に到着するとチチビアンエリアであります。この後、間もなく、ラビューちちぶの終点の西武秩父駅に到着します。
池袋駅から81分後に終点の西武秩父駅に到着します。モダン化された駅舎は写真に納まりやすい構図であります。
駅舎をはるかに超える大木が駅前にあります。同駅あたりは再開発されたようですが、この木だけは残されたようであります。
秩父に行くと良く目にする武甲という文字ですが、その名を冠たる武甲山であります。標高は1,304mありますが、石灰採掘で山肌が削られたのかレゴブロックで築いた山にも見えます。
西武秩父駅と秩父鉄道の秩父駅はつながっているかと思いましたが、全く別であり、西武秩父駅から、ちちてつに乗り継ぎためにはちちてつの秩父駅の一つ手前にある御花畑駅で乗り継ぐこととなります。
西武秩父駅の目の前にちちてつの線路があるにも関わらず、200m弱西武秩父駅からちちてつ御花畑駅まで歩くという仕様であります。華麗なる接続であります。
西武秩父駅前の現状
西武秩父駅前は駅の新装とともに隣接してフードコートや日帰り温泉「祭の湯」ができています。西武と言えばプリンスホテルがあるかなと思いましたが、令和な今はもっと、地に足の就いた戦略なのかもしれません。
設備はかなりプレミアムにも楽しめることができるようです。現地の地下から湧いた温泉ではありませんが、高濃度の炭酸水の温泉やシルキーバスなど温泉でなくとも効能がありそうであります。
時期によっては温泉地から温泉そのものを運んでいることもあるようです。
こんなパラダイスが駅前にあると知り、行ってみます。料金は結構高いので朝から晩まで過ごす方が良いかもしれません。
今回はその日のうちに戻らないといけないので2時間ほどの滞在でしたが、良い汗がかけたと思います。


途中、食事処で一服します。秩父名産のしゃくしな漬(野沢菜に近い)とわらじカツを頼んでみます。
本来はわらじカツ丼でご飯もあった方がいいのですが、糖質を制限しているため、カツ本体のみとしてみました。
サウナでガッツリ発汗した後にビールと食べ物は格別であります。だから、旅がやめられないところでもあります。
最後に
日帰り温泉でサウナに集中しているといつの間にか日が暮れていました。同湯のライトアップは魅惑的ですが、24H営業ではなく、上りのラビューちちぶが終わるころには閉店となります。
夜の池袋行きではあり、ガラガラと思うと若い人が結構乗車していました。これから夜の池袋に消えていくのか不明ですが、特急料金が710円と安いというのも乗りやすいところかもしれません。
外の景色は真っ暗であり、転寝しているといつの間にか池袋駅に到着です。池袋駅には22時前の到着でした。駅前にス~があるのはキラーコンテンツであり、また行きたくなりました。
関東では駅と日帰り温泉の接近が多くなりつつあり、関東では良いと感じてしまいます。