山陰本線を完全乗車すべく、下関から益田まで観光列車に乗車してアクセスしてみました。
下関駅からスタート
山陰本線は幡生駅からでありますが、何かと便利な下関からスタートします。
前日入厩し、海峡ゆめタワーのライトアップがとてもきれいであり、中東の街にありそうなタワーとも感じました。
下関と言えばと言うものを口にします。東洋美人の飲食店限定の吟醸酒をいただきます。限定でとてもリーズナブルでしたが、味はさすがと言ったところでした。
〇〇のはなし号
〇〇のはなし(まるまるのはなし)はJR西日本の観光列車であり、下関と東萩間を往復している列車です。
特急ではありませんが、全席座席指定であり、普通車グリーン車の相当の存在であります。土日を中心に運行されています。
不思議な名称ですが、JR西日本ではコンセプトを下記のとおりまとめています。
美しい絶景が続く山陰線。そこには、見て、聞いて、感じてみたい「はなし」があります。
さぁ、美しい海岸線とともに、萩(は)、長門(な)、下関(し)の「はなし」を辿る旅にでかけよう!
昔、午後は〇〇、何とかと言う番組がありましたが、それとも関係があるのかもしれません。
時刻表は下記のとおりです。
着 | 発 | |
---|---|---|
新下関 | 9:59 | |
下関 | 10:08 | 10:20 |
川棚温泉 | 10:53 | 10:53 |
小串 | 10:58 | 10:58 |
滝部 | 11:26 | 11:26 |
特牛 | 11:31 | 11:32 |
阿川 | 11:36 | 11:37 |
人丸 | 11:53 | 11:57 |
長門市 | 12:16 | 12:18 |
萩 | 12:46 | 12:47 |
東萩 | 12:52 |
今回は上りを利用しましたが、比較的まっすぐな走りをする観光列車であり、 本数が少ない山陰本線下関=益田間をうまく乗り継ぐのにも丁度良い列車と言えます。
一方で、下りは支線の仙崎に立ち寄り、再びに長門市に向かい、本線で下関に向かうという面白さもあります。
座席指定はe5489でもできますが、詳細な座席指定ができないため、窓口で指定するのがベストと言えます。下関駅の窓口では手慣れており、海側の座席を指定してくれました。
下関駅の6-7番線の一段低くなったところに停車します。味のある下関駅のホームに普段とは違う雰囲気の気動車が登場します。
山口地区では一押しなのかホームに看板もできていたりします。
列車は二両編成であり、車両ごとに洋風と和風に分かれています。
1号車は和風であり、ボックス席の割合が高くなっています。海側のテーブル席は椅子の造りが肘掛付きでしっかりしているため、人気が高いようであり、窓枠の当たらない座席は空いていませんでした。
2号車よりにははぎ御膳や下関の特産品の赤間関硯、上臈人形、ふぐ提灯が飾られていたりします。
器の陳列もあり、欲しくなってしまいました。さらに自転車をつないでおくようなスペースもあります。
一方で2号車は洋風となっています。一号車よりもダークトーンであり、シートはソファタイプであり、ちょっとしたラウンジでもあります。
山側の座席も海側を向いているため、海を見ることができそうです。しかし、やはり、海側の席が人気でした。
ソファ席は隣席との仕切りがないため、他人同士で座る場合は気を使いそうです。自分のすわったの隣のソファ席は他人同士で座っていて、しかも、席は窓と窓の間であったため、途中からガラガラの山側の席に移動していたりしました。
足下にはコンセントもついており、仕事もできそうです。しかしながら、海側に座ってしまうとパソコンを開けるよりも目の前の絶景の連続に目を奪われて、仕事どころではなくなってしまいます。
とにかく海沿いを走る山陰本線
幡生から山陰本線となり、安岡を過ぎたあたりから海が見えてきます。しかも、かなり海に近く、いきなり絶景が始まります。
この後、川棚温泉駅までは内陸を進み、山側を振り返ると新緑のカーテンとなっていました。
特別停車もある
観光列車では景勝地を徐行したりするのですが、同列車も小串駅を過ぎたあたりでいったん停車します。響灘と厚島の景色を楽しんでもらうためであります。
今回、いったん停車の様子を動画に撮影しました。停止しているのは1分程であり、その間、この地にまつわるエピソードをアナウンスしていただきました。
動画はこちらです。
新潟の羽越線の笹川流れも良いですが、こちらも絶景でありました。
宇賀本郷駅を通過すると今度は二見夫婦岩が見えてきます。岩の奥は水平線であり、いにしえの時代を感じさせてくれます。
山口県のガードレールは黄色(写真は塩害のせいかオレンジに近いですが)と言うのを初めて知りました。半世紀前に国体が山口で開催された際にオリジナルを出すために県特産の夏ミカンをモチーフにしたとのことであります。
この後、しばらく、内陸を進み特牛(こっとい)に停車します。なんとなくAランクの肉を想像してしまいました。
そして、阿川を過ぎたあたりから再びを海岸線を走り、たくさんの鳥居で有名な元乃隅神社への最寄駅である人丸駅に停車します。停車時間は同列車では一番長い4分であったため、ホームに出てみると元乃隅神社の案内がありました。
長門市駅手前では青海島が見えます。本当に休む間もなく絶景が繰り返される路線であります。
長門市駅では〇〇のはなしを歓迎してくれたりします。長門市駅のホームにもたくさんの鳥居がありました。
三見駅手前では砂浜目前の車窓が楽しめたりします。海の色がこれほどきれいなのは日本屈指かもしれません。
萩駅の前では高台をすすみ、三玉付近では遠くの半島と島が良く見えるポイントもあったりします。
ここから少し、内陸を進みますが、今度は海ではなく川が見えてきます。
レトロな外観の萩駅はちょっと降りてみたかったですが、今回は山陰本線を進む旅であるため、終点東萩を目指します。
東萩駅には定刻通り到着となります。〇〇のはなし号はしばらく、ここで休憩となりました。
萩反射炉を見に行く
次の益田行きの列車までは1時間ちょっとあるため、世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産のひとつである萩反射炉まで行ってみる事に。
片道1.8kmであり、列車で座ってばかりいたため、徒歩で往復することに。
駅前にはミニ萩城がありました。国道191号線を道なりに行けば反射炉に到着します。時間があれば、途中の道の駅 萩しーまーとに寄りたかったのですが、列車に乗り遅れると取り返しがつかないため、急ぎます。
コンビニの駐車場の奥に入口はあります。小高い丘の上にあり、階段は1.8km歩いてきて最後の踏ん張りどころであります。
実物を見るときれいに残っている反射炉であります。そして、かなりの大きさであったことは意外と驚いたところでもあります。
高台にあるため、港も一望することができ、反対の山側は山陰本線がすぐそばにあります。
普通列車で益田駅まで
再び、東萩駅に戻り、普通列車で益田駅を目指します。1時間12分の道中ですが、こちらも絶景が見えます。
〇〇のはなしに別れを告げて、よく見かけるオレンジ色の西日本エリアの気動車一両で益田を目指します。
長門大井駅を過ぎると海岸を走ります。北長門海岸あたりが得に綺麗であり、山陰本線は絶景に恵まれていることを感じます。
外から見ると惣郷川橋梁を越え、再び内陸に入ると益田が近づいてきます。飯浦駅を過ぎると直線的な海岸が続き、これまでの山陰本線の絶景とは一味違う景色となります。
戸田小浜駅を出発すると益田駅まではラストランとなります。70分超の普通列車の旅も終わりです。
途中、石見空港の設備が見えます。滑走路はこの上にあります。
高津川を渡ると益田駅に到着します。羽越線の秋田到着手前にも似ている感じがします。
そして、益田駅に到着です。浜田行きのワンマンの列車がいます。キハ47とは違う第三セクターが走っていそうなコンパクトな車両が出発をスタンバイしていました。
益田からさらに山陰本線を東に進みますが、いったん益田駅で下車しました。
最後に
海岸線をは路線はたくさんありますが、これほど海岸を走る山陰本線はこれに代わる路線はないと言えます。
今回は観光列車を活用して、一気に下関から益田まで進んでみましたが、想像以上の体験ができた旅でありました。
益田で終わりではなく、この先も東に向かいますが、今日はここで句読点を打ちます。