山陰本線の旅の後半、益田駅から米子駅まで、そしてプラスモアで足を延ばしてみましたのでお伝えします。
爆走の「スーパーまつかぜ」
東萩から普通列車で乗り継いできた益田駅であり、小一時間程の乗り継ぎ時間があります。到着した時間が15時過ぎであります。
下関のホテルでは朝食し採らずに出発し、その後の車内では飲むしかしなかったため、さすがに空腹となり、食べるところを探します。
しかし、時間帯があいにくであり、徒歩圏内ではどこも開いておらず、駅に戻ることに。過去に石見空港への連絡バスまでの待ち時間が小一時間あった際も食べ損ないだったことがあり、2連敗です。
駅の中にはセブンイレブンが併設されたているため、待合室で全国どこでも同じ味で胃袋を満たし、乗り継ぎ時間となります。
今回は出雲まで一気に「スーパーまつかぜ」でワープすることとします。
「スーパーまつかぜ」はキハ187系気動車で運行されており、おおよそは2両編成であります。まつかぜに限らず、「おき」「いなば」でもおおよそ2両編成で運行されています。いみじくも、「おき」「いなば」は乗車済みであり、今回はキハ187系気動車は三度目で「スーパーまつかぜ」の乗車となります。
指定席1両、自由席1両であり、指定席はガラガラであります。
益田駅を出発し、市街地を抜けるとすぐに海岸線が見えてきます。しかも、結構な近距離で砂浜が見えたりします。
キハ187系気動車が爆走といたるところで記事や動画で言われているのは、その地味なフォルムに反して、加速感とコマツ製のエンジンが奏でるサウンド、そして振り子の体感、また、単線ゆえに行き違いがあり、その際に見える反対側からくるキハ187系のアプローチ具合などトータルで爆走とイメージさせているのかもしれません。
表定速度としては往年のスーパー北斗には全く及ばないですが、公道を走るホイールローダーやクレーン車の雄叫びのようなエンジン音がF1とまでは行かないものの、小気味よくシフトアップしていき、それをカーブでも関係なくこなしていくのが爆走の真骨頂かもしれません。
今回、益田駅からの出発と下りのスーパーまつかぜとの行き違いからの出発の様子をまとめてみました。行き違いからの加速感はかなりのものです。
動画はこちらです。
営業キロは鳥取 - 益田間で284.2 kmキロもあり、益田から出雲までも結構な距離があります。
ようやく大きな街である浜田に到着となります。港湾施設も大きく、大きな街であることを感じます。
ここからは江津、大田市と停車していきますが、江津を除くと区間の走行時間は長く、その遠さを実感できます。
益田駅を出発してから2時間弱でようやく内陸部に入り、出雲駅が近づいてきます。田園風景が見えてくると非日常な絶景が終了し、ちょっとほっとした景色でもあります。
アルファワンが見えるともう出雲市駅であり、降車となります。スーパーまつかぜはすぐに慌ただしく、鳥取に向けて出発していきます。スーパーまつかぜにとっては出雲市駅は折り返し地点のようなものであり、まだ2時間近く走り続けます。
出雲駅に到着です。これまで島根県は津和野に行った後に益田駅を経由して石見空港まで行ったのみであり、念願の出雲で途中下車します。
当然、出雲大社まで足を延ばしてみます。ばたでん(一畑電車)ではなく、バスでアクセスしてみましたが、バス乗り継ぎの旅でも言っていたように、ぐるぐると経由するためか意外と時間がかかるというのが第一印象であります。ICカードが使えるのはメリットであります。
米子まで「ゆったりやくも」で
出雲で一泊し、翌日は遅めの出発として昼過ぎ、特急やくも号からのスタートです。意外だったのがグリーン車まるまる1号車接続で岡山までトータル4両編成であります。同編成だと6両かそれ以上かと思っていたのですが、岡山まで4両編成と言うのも時代の変遷を感じさせます。
曲線の多い路線の高速通過するパイオニアである381系が現存する路線でもあります。しなの、くろしおはまだしも、スーパーあずさでさえ、既に置き換えられているなが生き残っており、最後の聖地であります。しかし、やくもも新型置き換えられることが先日発表となっています。
カーブ通過の乗り心地に慣れない人にとっては、「ぐったりやくも」の乗り心地も残りわずかとなりそうです。
海岸沿いのイメージの強い山陰本線の中で島根県をイメージさせる宍道湖の沿いを走るのも同路線の醍醐味と言えます。
出雲を出発して間もなくすると、宍道湖沿いをしばらく走行というアナウンスがされるほどであります。
終始というわけではありませんが、宍道湖沿いを走り抜けると島根県の県都・松江に到着します。鳥取と島根では最大の都市であり、大きなビルが目立ちます。
宍道湖ともお別れで中海が少し見えた後に米子に到着となります。
ゲゲゲの境線
やくもでの小一時間の旅が終わり、米子駅で下車、次は境線に乗り継ぎます。水木しげる氏の故郷に通じる境線とは言え、ゲゲゲ一色であります。猫娘塗装のワンマンカーに乗り込みます。
車内放送も鬼太郎、ホームも鬼太郎と鬼太郎だらけです。以前、富士見町から米子空港まで利用しましたが、虫食いとなっていたため、今回は境港まで行ってみることとします。
今日は米子発の羽田行き最終のため、時間があります。そこで、米子市街に近い富士見町駅で途中下車します。10年以上前、皆生温泉から米子空港まで短時間且つ安く行こうとして、タクシーでこの駅までアクセスして利用していた記憶が呼び起こされました。
列車は気動車ですが、架線があるのはなぜかと思うとこの先に車両基地があり、やくまやサンライズ出雲も来たりするようです。
再び、富士見町から乗り込み、小一時間の旅となります。車内は乗客が多く、タイ語の会話が飛び交っていたりします。何か関係があるのでしょうか。
そんなこんなで、境港駅・通称鬼太郎駅に到着となります。こちらも鬼太郎だらけであります。
単線の終点駅の趣がありますが、何もないというわけではなく、鬼太郎のお陰で観光地でもあるため、駅周辺はきれいに整備されています。これでまたひとつ路線を完乗となりました。
境港駅に隣接するみなとさかい交流館には妖怪巨大壁画があります。下は回転寿司店となっています。4階にはサウナがあったりと全国的にも珍しい終着駅かもしれません。
みなとさかい交流館の先は堺水道が見えます。ここからフェリーが発着しているという事です。なんとなくコトルに行ったことを思い出してしまいました。
京都=福知山、豊岡=米子、豊岡=福知山、そして、幡生=米子と一気には行きませんでしたが、これで山陰本線と境港線の完乗の旅が終わりとなりました。
最後は米子空港までコミュニティバス(100円)でゆっくり時間をかけてアクセスしてみました。境港の歴史を感じるような小路を抜けて、途中にはベタ踏み橋(江島大橋)を境港側から見上げることができました。
境港側は緩やかな傾斜であり、時間があれば対岸から見てみたかったところです。
最後に
これで二路線の制覇(境線、山陰本線)と言いたいところですが、山陰本線については本線としては京都=幡生間は問題ないのですが、仙崎支線(長門市=仙崎)がまだであるため、美祢線とあわせての旅となりそうです。 また、課題が増えてしまいました。