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世界一周で失敗③ 最大の失敗 前編

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世界一周 リオデジャネイロ

本日は100記事目となります。世界一周で失敗の第3弾(前編)をお伝えします。

とある年の9月、夏休みを含めて3週間の休暇を取得することができました。人生においてこうした機会は稀で、これまでどちらかというと短い休暇を利用して、弾丸スケジュールでさまざまな旅行をしてきた自分にとってはとてもありがたいことでありました。

行きたい国

このありがたい3週間の休暇をどう過ごすか考えてみると、やはり海外旅行ということになり、弾丸トラベルでは行くのが厳しいところに行ってみようということに決めました。そこで行きたい国をピックアップしてみました。ピックアップした国は下記の通りです。

ブラジル、アルゼンチン、南アフリカ

ブラジルについてはリオのコルコバードのキリスト像とその足元から見える景色を一度見てみたい、アルゼンチンは南米のパリと呼ばれるブエノスアイレスでゆったりとした日々を過ごしてみたい、南アフリカではテーブルマウンテンと喜望峰の上に立ってみたいとそれぞれ思い、上記3カ国を候補としました。

フライトプラン作成

上記3カ国に行くためには、世界一周でのルートが効率的であると考えました。3週間という長期間に及ぶ旅行となると宿泊費や食費などもそれなりにかかるため、移動費用である航空券はマイルを使うこととしました。過去2回、世界一周をした際に利用したように東回りのルートの方が偏西風を追い風として飛行時間が短縮できるため、今回も東回りのルートで検討しました。また、マイル数を極力抑えてルートを考えると太平洋を渡り北米、そして南米から南アフリカにダイレクトに飛び、南アフリカから香港、そして東京というルートがもっとも短いため、そのルートで検討に入りました。まず、考えたのが以下のルートです。

すべてビジネスクラス特典航空券のルート

成田=ワシントン・ダレス=リオデジャネイロ=ブエノスアイレス=ヨハネスブルグ=ケープタウン=ヨハネスブルグ=香港=成田

(NRT-IAD-GIG-EZE-JNB-CPT-JNB-HKG-NRT)

北米からリオデジャネイロへ直行便で就航しているフライトは少なく、ワシントンを夜10時に出発するユナイテッド航空のフライトを発見し、ANAのワシントン行きNH2便と接続で検討しました。また、南米ではまずブラジルに行き、その後、逆方向の西側のアルゼンチンに行き、ブエノスアイレス・エセイサ国際空港から南アフリカ航空で首都ヨハネスブルグまで南大西洋をノンストップで飛ぶフライトを選択しました。大西洋は北大西洋しか渡ったことがないため、当時とてもこのルートに憧れた覚えがあります。経路上はヨハネスブルグに2回立ち寄ることになりますが、いずれも24時間以内の乗り継ぎのため、ルールが適用され発券可能です。

以上のルートでマイル計算すると27,886マイルで、人生でおそらく一度きりになるだろう世界一周ルートのため、ビジネスクラスとして計算すると17万マイル必要となり、最低旅行期間や途中降機回数は満たすので発券可能でしたが、燃油サーチャージ・税金を含めるとその代金だけで13万円を超えるため、再検討となりました。

【参考】世界一周特典航空券利用条件(ANAホームページより)

世界一周の旅程のみ、全旅程の距離(区間基本マイレージの合計。地上交通区間は移動マイルとして計算に含めません。)に応じて必要マイル数を算出します。太平洋、大西洋を1回ずつ飛行機を利用して横断する必要があります。ルートは東回り、あるいは西回りのどちらかで逆回りはできません。出発地と最終帰着地の間で最大8回の途中降機が可能です。(ただし欧州での途中降機は3回まで、日本国内での途中降機は4回までです。)また、出発国に戻る最後の国際線搭乗は、最初の国際線搭乗から10日目以降になります。旅程は最大12フライト区間に加え、最大4区間の「地上移動・同じ都市での異なる空港間移動」が可能です。※ANAウェブサイトではご予約になれません。ANAマイレージクラブ・サービスセンターにご連絡ください。

特典航空券と海外発券片道を組み合わせたルート

世界一周ルート

再検討にあたり、燃油サーチャージの費用を抑制することとマイルを抑制することが課題となりました。エアカナダ利用し、アメリカ合衆国・南米に行くと燃油サーチャージが不要になると知り(当時)、トロント経由でのルートを検討しました。

トルコ航空 ビジネスクラス運賃

また、南米から南アフリカそして香港に移動する際に利用する南アフリカ航空も燃油サーチャージがかなり必要なため、他に何かいい方法がないか検討するとケープタウンから東京までトルコ航空(当時名称)のビジネスクラス片道が当時コミコミで1,381ユーロと円高もあり非常に割安で、マイル加算も125%とANAダイヤモンドを修行している身としては非常に魅力的でした。そこで、この二つの方法を利用して以下のルートを作成しました。

利用したルート
ルート 航空会社 クラス
NRT-YYZ エアカナダ C
YYZ-IAD ユナイテッド Y
IAD-GIG ユナイテッド C
GIG-MVD TAM C
EZE-JNB 南アフリカ C
JNB-CPT 南アフリカ C
CPT-IST トルコ C
IST-NRT トルコ C
ICN-NRT アシアナ C

青色がANA特典航空券区間、赤色がトルコ航空片道発券

空港コード一覧

NRT 成田
YYZ トロント
IAD ワシントン・ダレス
GIG リオデジャネイロ
MVD モンテビデオ
EZE ブエノスアイレス
JNB ヨハネスブルグ
CPT ケープタウン
IST イスタンブール
ICN ソウル(仁川)

エアカナダにてトロントまで行き、リオデジャネイロへの直行便があるワシントンまで1区間多くなりますが、ユナイテッドを利用します。その後、ブラジルからはブエノスアイレスへ直接ではなく、ウルグアイの首都モンテビデオに行き、そこからバスとフェリーでブエノスアイレスに入ります。このルートではバス・フェリー代は安く、マイルも抑制でき、さらに途中にはウルグアイの世界遺産も観光できるため、このルートとしました。

その後、ブエノスアイレスからケープタウンまでは南アフリカ航空を利用し、ここでいったん特典航空券でのフライトは中断です。アフリカ滞在中は南アフリカのほか、ナミビア、ボツワナへの訪問も検討しました。

そして、1週間後にケープタウンからトルコ航空でイスタンブールに向かい、3日間空けて、同じくトルコ航空で東京に向かいます。イスタンブールで3日間滞在を設定した理由としては、トルコ周辺のどこかの国にノープランで立ち寄ろうと思ったためでした。その後、東京に戻り、世界一周旅行は完結しますが、特典航空券の残りの最終区間は翌月10月のソウル(仁川)から成田としました。

一筆書きでないフライトプランの理由

世界一周航空券なのに、一筆書きしていないと思われる方もいらっしゃると思いますが、特典航空券のルールでは、「太平洋、大西洋を1回ずつ飛行機を利用して横断する必要」「最大4区間の地上移動・同じ都市での異なる空港間移動が可能」とあり、太平洋と大西洋をフライトすれば、その間またはその前後においては地上移動も可能となります。今回の特典航空券上は、ケープタウンからソウルまで地上移動する(現実的には無理だと思いますが)ということで発券しています。その部分にトルコ航空の東京行きのチケットを挟みあわせて世界一周を実現しています。翌月のソウルから東京行きのフライトに搭乗のため、翌月ソウル行きのLCCを利用して、ソウル観光をするとともにソウルからの復路である特典航空券の消化をすることとしました。

費用

この方法でかかる費用は以下の通りです。特典航空券諸費用5万円、トルコ航空運賃14万円、総額19万円とすべて特典航空券で発券の費用と比較すると6万円高くなりますが、特典航空券で計算される距離は19,429マイルで使用するマイルは11,5万マイルと5,5万マイルセーブできるほか、トルコ航空の搭乗により1.35万マイル獲得できるほか、プレミアムポイントも1.43万ポイント獲得できます。

以上のルートで発券し、北米、南米、アフリカ、ユーラシアの4大陸を股にかけた旅行はスタートしました。

トロントへ

エアカナダ ボーイング777-200LR

残暑のきつい東京を離れ、成田空港に。トロントまでのエアカナダ機材はボーイング777-200LRという世界最大の旅客機用エンジンであるGE90を搭載した超長距離型の機材でした。(LRはLonger Rangeの略)

エアカナダシートマップ

シートマップ(Seat Guruより)

ビジネスクラスのシートはヘリンボーン(魚の鰊の骨の意)タイプで進行方向に対して斜めに設置されることでシートピッチを拡大でき、フルフラットベッドを実現しているシートです。

エアカナダ ビジネスクラス 機内

定刻通り出発し、機内食の後は消灯され、熟睡するとあっという間にトロント・ピアソン国際空港(YYZ)に到着しました。

トラブル発生

ピアソン国際空港ではターミナル1のコンコースEに到着し、米国線のコンコースFに移動します。途中には世界一速い動く歩道があり、感心しながらコンコースFに到着。米国への入国は同空港で事前に入国審査と手荷物検査を受け、到着地の米国での入国審査は不要なシステムとなっており、問題なく通過。

手荷物検査の後は長いエスカレーターを降り出発フロアに。エアカナダのラウンジに入ろうと搭乗券とパスポートをバッグから取り出そうとすると搭乗券はあるもののパスポートが見当たりません。ポケットやスーツケースまで探してもありません。搭乗券はなくしても再発行とかできそうですが、パスポートはなくすと旅行が続行できなくなり、しかも場所はカナダでありながら米国出国審査後という微妙な場所でどうなるのだろうと焦るばかりでした。落とした可能性が高いため、床をくまなく見ながら戻り、エスカレーター横の階段を足早に駆け上り、手荷物検査場まで戻りました。係員に聞くと係員の手には赤いパスポートが。パスポートを開いて本人確認をするとすぐに渡してくれました。ホッとしてエアカナダのラウンジに入り、階段を昇った時に掻いた汗と冷や汗をシャワーで流し、気を取り直してワシントン行きのユナイテッドの小型機に搭乗。大きなトラブルに発展しないでひと安心でした。

リオデジャネイロへ

トロントからダレス空港へは予定通りに到着し、リオデジャネイロ行きの出発をユナイテッド航空のラウンジで待つことに。UA便はリオデジャネイロへの直行便ではありますが、サンパウロ(GRU)を経由します。

ユナイテッド航空 ビジネスクラス 機内

当時、最新式のビジネスクラスは満席に近く、夜行便のため消灯も早く、この便でも熟睡し、サンパウロに到着。サンパウロではいったん降機し、小1時間ほどラウンジに滞在後に搭乗。サンパウロからはガラガラの状態でリオデジャネイロに到着しました。

リオデジャネイロの観光

コパカバーナ海岸

オリンピック間近であったものの治安が良くないと言われているリオデジャネイロですが、同市の主要観光地であるコパカバーナ海岸では、警官が常に立っていたり、夜間もパトカーが巡回していたりと安全対策はされていました。旅行の目的でもあるキリスト像があるコルコバードの丘に登ったほか、数日間滞在してリオ気分を満喫し、次の目的地であるウルグアイ・モンテビデオへ向かうこととなりました。

コルコバードのキリスト像

モンテビデオへ向けて

出発当日の朝、トラブル回避のためホテルで用意した車で空港に。フライトは朝8時前の出発で、搭乗時間の90分前に空港に到着するように夜明け前に出発。ハイウェイで強盗が出てこないか気にしつつも無事に到着。モンテビデオまでのフライトは当時スターアライアンスに加盟していたTAM便(現LATAM、ワンワールド加盟)でした。

TAM

カウンターは列ができていたものの時間に余裕があるので待っていると手際が悪いのか、思いのほか待たされ、順番まで20分以上待たされることとなりました。いざ自分の番になると「チェックイン時間は終了しているので搭乗できません」と言われ、たった10分の遅れでも融通が利かず、何度もお願いするも暖簾に腕押しでした。

さらに、カウンターにルート変更か日付変更の依頼をするも、発券元(特典航空券なのでANA)に依頼してくれの一点張りで、「遅刻したおまえが悪い」みたいな感じでした。とりあえず、ANAのサービスデスクに電話をしてみることに。ブラジルと日本の時差は12時間あり、ブラジルの時間は朝7時30分で日本の時間は夜7時30分と当時の受付終了時間間際でした。何とか電話がつながり日程を翌日に変更してもらうことができ、別途航空券購入するなど余計な費用を発生させずに、旅行を続行できることとなりました。

世界一周 リオデジャネイロ

その後、同空港の1階にあるフードコートのWi-Fiを利用してホテルを検索し、もう1泊リオデジャネイロに滞在。朝10時前にホテルに到着し、チェックインをお願いすると笑顔でOKしてくれて、ブラジルもいろいろな人がいると思ってしまいました。

今回は幸い、アルゼンチンでの滞在時間を長く設定したため、1日遅く到着しても問題はありませんでしたが、日本では10分程の遅れでも、融通が利きそうですが、海外ではそうならないということを痛感しました。

翌日、早めにホテルを出て、空港に到着。カウンターは相変わらず混雑していましたが、ふと目を横にやると誰も使っていなそうな自動チェックイン機があり、試してみるとすんなり搭乗券が発券されました。昨日気づいていればと少し後悔しましたが、ブラジルにいるためかポジティブになり、結果オーライでラッキーとさえ感じてしまいました。こうして、1日遅れではありますが、モンテビデオに向かうこととなりました。

モンテビデオ空港

しかし、今度の世界一周の旅は今回のような失敗では済まされず、この先も大きな失敗が待ち構えていました。

つづく 

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