ANAホールディングスがピーチアビエーションを100%子会社化したことについて考えてみました。
ANA HDがPeachを100%子会社化
2024年12月20日に以下のようなプレスリリースが出ていました。
ピーチアビエーションの株式を全株式を取得したと言うリリースであります。創業以来のパートナーであったファーストイースタンアビエーションホールディングスが所有する7%の株式を取得し、100%子会社になったと言うものであります。
これまでPeachが築き上げてきた企業文化やブランドの強みを活かし、アジアを代表するLCCを目指すPeachをサポートするとともに、PeachとANAグループ各社との連携、協業を更に深め、「エアライン事業領域の拡大」と「事業性の更なる向上」をはかりANAグループの企業価値向上を目指してまいります。
とのことです。
ファーストイースタンアビエーションホールディングスはこれまで段階的にPeach株を売却しており、投資資金の回収および利益の獲得をしており、Peachに関しては元が取れたので、今回すべて売却と言う事なのでしょうか。ANAHDにとっては他社に保有されるよりは業績も良いので自社で保有した方が物言う株主のような邪魔が入ってこないと言うので良いと言う事なのかもしれません。
適時開示は出していない
先述のようにANAHDはPeach全株式の取得であり、Peachの株主構成が変わる案件ではありますが、適時開示情報閲覧サービス(TDnet)でANA HDの証券コードである9202を打ち込んで検索してみましたが、出てきませんでした。
適時開示は資本業務提携や業績の修正など経営に大きな影響を与える事案については開示すべきとしてTDnetに掲載するところであります。
今回の案件はPeachは既に連結子会社化しており、7%の株式の取得と言う事で大きな話ではないと言う事で適時開示を出すべき案件ではなかったと言うところであります。
今回の完全子会社がこれまで取り込めなかった7%分の持分利益を取り込めたことにより、軽微かもしれませんが増益につながると言う話であります。
適時開示は不要ながら、敢えてプレスリリースを出したのは完全子会社化してPeachを積極的に成長と言うか変化させると良しさなのかもしれません。
合併の可能性は
100%子会社化すると他の株主にお伺いを立てることなく、事業を展開できるため、何かしらのアクションは出てくるかもしれません。
スマートフォンを見ているとソフトバンクはサブブランドとして、ワイモバイルやLINEMOなど同じ会社で特性をそれぞれ変えて違うブランドを提供しています。以前は資本関係のある会社が運営していたものをすべて整理して、ソフトバンクで3つのブランドを提供しています。
これは管理系コストの削減やカバナンス強化、他社との競合において、各ブランドをそれぞれ駆使して対抗し、利益へのインパクトを抑えているようにも見えます。
電波と航空では監督省庁が異なり、事業運営の仕方が全く異なるので、一概に言えませんが、全日本空輸とPeach Aviationを統合してしまい、ブランドはそれぞれ維持すると言うのもありかえるかもしれません。
ANAの機材とPeachの機材で使用する燃料は同じであり、整備についても基本的にはエアバスでは同じとも言えます。
一方で機内の座席数やサービス提供にあたって使用するシステムは異なります。また、人材についても全日本空輸とピーチではコストやトレーニングは異なるところであります。
まとめることで得られるメリットと独自に維持しなければならないコスト、システムを統合するためにかかる一時的なコストとの天秤にかけることとなりそうですが、ブランドは維持しつつも、合併して統合できるところは統合と言うのはあるかもしれません。
一方で、LCCとしてアジアなり太平洋なりで大きな地位を占めるまで成長すると、最終的には大きな売却益も考えられて、現在の座組で成長させていくと言うのもあるのかもしれません。ヨーロッパを見ているとLCCは随分大きくなったものであり、そうした事が極東アジアでもあり得るかもしれませんが、どうなのでしょう。
まあ、その前にエアージャパンをどうするのかと言う問題がありますが、統合してブランドを維持すれば、管理コストの削減と柔軟なマーケティングなどはできるとも言えます。まあ、エアラインで一つの会社で複数のブランドを提供しているところは少ないのでご会社で維持すると言うのが続くかもしれません。
最後に
今回はANAホールディングスが連結子会社であるピーチアビエーションの株式をすべて取得し、100%子会社したことについて、妄想を含めて考えてみました。
Peach株式の7%であり、すでに連結子会社化しているので座組に大きな変化はありませんが、ブランドを維持し、一つの会社でそれを提供していくと言う可能性についても考えてみました。
マイレージについては、100%子会社となっても貯まることは一生ないかもしれませんが。うーん。