LCCであるPeach運航便の一部にANA便名が設定されることが決まっていましたが、オペレーションは8月27日から、予約は8月2日9:30であり、実際に検索してみましたのでお伝えします。
Peachコードシェア便
Peachコードシェア便だけ聞くと、飛行機に乗りなれているとピンク色の飛行機に乗って、ANAのマイレージが積算されるという事が端的ではありますが、LCCと世界最高レベルのフルサービスキャリアがコードシェアするというのはサービス格差があるので注意が必要です。
間違ってもトリトンブルーとモヒカンブルーの帯がデザインの飛行機にピーチのサイトで購入したフライトはないので注意が必要です。
前向きと言うか都合よくとらえる人がいますが、敢えて直截な言い方をすると座席が狭く、ネットでチェックインができなく、航空券の購入が出発時間の3時間前までしかできず、優先搭乗もできない、Peach便にANA便名で乗るという事となります。
サービスの差異は下記のとおりです。
項目 | Peach運航便 | ANA運航便 |
---|---|---|
幼児年齢 | 2歳未満 | 3歳未満 |
無料手荷物許容量 | 1個(20 kg)まで | 20 kgまで |
お支払場所/お支払方法 | クレジットカード、ピーチポイントでの支払いのみ可能 | |
現金での支払い不可 | ||
ペットのお預かり | 不可 | 可能 |
お手伝いが必要なお客様 | 搭乗5日前までに予約案内センター・おからだの不自由なお客様デスクへご連絡 | ANAウェブサイトまたはおからだの不自由なかたの相談デスクへご連絡 |
お子様一人旅 | お子様一人旅(ジュニアパイロット)の取り扱いなし | あり |
満11歳以下のお子様には満12歳以上の同伴者が必要 | ||
航空券購入手続き | 出発時刻の180分前まで | 出発時刻の20分前まで |
搭乗手続き | 出発時刻の90分前から30分前までに、eチケットお客様控(2次元バーコード)をご持参の上、Peachカウンター設置の自動チェックイン機にてチェックイン | オンラインチェックイン・スキップサービス・ANAカウンター設置の自動チェックイン機にてチェックイン |
オンラインチェックイン・スキップサービス利用不可 | ||
搭乗日当日空港での空席待ち | 不可 | 可能 |
スルーチェックイン(乗り継ぎ手続きおよび手荷物のお預かり) | Peach運航便から、またはPeach運航便へのスルーチェックインは不可 | 可能 |
乗り継ぎ空港にて手荷物を引き取りのうえ再度手続きが必要 | ||
保安検査場締切時刻 | 出発時刻の25分前まで | 出発時刻の20分前まで |
搭乗口 | 出発時刻の20分前まで | 出発時刻の10分前まで |
プレミアムメンバーサービス | 無料手荷物許容量優先、手荷物優先返却、優先搭乗:いずれもご利用いただけません | プレミアムメンバーサービスあり |
座席指定 | 出発時刻の180分前までに座席指定が必要 | 搭乗日当日までに座席指定、または当日オンラインチェックイン・自動チェックイン機にて指定 |
ANAホームページより
ラウンジおよび専用保安検査場は可能
ANAプレミアム会員の特権と言えば、専用保安検査場の利用とラウンジ利用でありますが、ANAではその利用は可能という事です。
ただし、今回、Peachとコードシェアしているのは成田、名古屋、札幌、福岡、沖縄であります。このうち、成田は国内線用のラウンジが休止しており、名古屋はそもそも国内線用はないため、実質、新千歳と福岡と沖縄となります。
いずれもスイートラウンジもあり、専用の保安検査場もあり、そのメリットはありますが、一部の利用に限られそうです。
まあ、復路は成田覚悟でピーチ運航を利用するというのもありますが、羽田便がそこまで空いていない、安くないという事例はこのコロナ禍では少なく、千葉県民以外はメリットは少ないかもしれません。
座席指定は
そして、一番気になるのが座席指定であります。国内線ではスカイネットやスターフライヤー、エアドゥなど資本的に傘下に収めているキャリアのシートは実質的にANAが制しているとも言え、最前列や非常口席はブロックがたまにあるものの、ANAプレミアム会員向けに空いていますが、それがピーチではどうなのかと言うのが一番のポイントでもあります。
シートマップを確認するどのフライトでも7列目のA,B,C,D,Eしか空いておらず、残席数と同一と言う不思議な光景となっています。
ピーチで販売する方が売れるためなのか、親会社のANAには割り振りが少ないようです。ダイヤモンド会員の特権の最前列や非常口シートはないので、エアドウやスターフライヤーとは同じではないようです。
気になる運賃は
サービスが削ぎ落されている中での運賃であり、気になるところでありますが、お初運賃は上記のとおりです。
スーパーバリューで約1.4万円とそれほどお手頃感はありません。 便名は4200番台であり、APJ運航と記載されています。
同一日のピーチ便の運賃を見てみると最安では4,290円と約3分の1であり、積算するマイルやプレミアポイントを考えてもピーチで予約した方が良いようです。
ちなみに特典航空券は満席表示となっています。有償で5席しか空いていない中、特典に空席があるのは考えにくいのでほとんど設定がないと言えます。
羽田が空いているなかで、サービスレベルも劣位で、成田まで行く必要のあるピーチ運航のコードシェアの必要性はあまりないかもしれません。
最後に
まずはスモールスタートと言った感じでのコードシェア開始であり、座席数の設定はそれほどないようです。サービスレベルも違うため、利用する場合は意外とあれっと思うことが多いと想定され、注意が必要です。
現状ではあまり利用の価値はありませんが、ANAが就航していないような奄美路線や関西発着でのコードシェアが出てくると利用価値があるかもしれません。
LCCとフルサービスキャリアとのコードシェアは日本以外でもあり、それ自体は真新しくないですが、日本市場においてどんな化学反応があるのか楽しみではあります。