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ANAプレミアムクラス 新シート スペックから利用価値と2020年代の国内線を読み解く

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プレミアムクラス

ANAプレミアムクラスの新シートが発表されましたが、新シートは改善されているのか、今後の国内線がどうなっていくのかまとめてみました。

新プレミアムクラスシート詳細

新プレミアムクラスシート

スペック

主なシートの特徴は下記のとおりです。対象機材はボーイング777-200機(8機)、ボーイング787-8型機(11機)となります。

SAFRAN製の快適性・機能性が向上したシート

電動リクライニングシート

大型テーブル

電源コンセントとUSB端子

タッチパネル式15インチシートモニター

座席間の大型ディバイダー(仕切り)

座席横の小物入れ

 一部のB787-8、B737-800、A321では既に提供されていますが、B777-200型機やB787型機で本格的に採用される機能は太字にしています。

シートの色がA380-800やB787-10のビジネスクラスのシートと同様にチャコールと言うかグレーでまとめられており、今後のANAの上級クラスの色合いは落ち着いたものになりそうです。東海道新幹線のN700系のグリーン車にも色合いが近いとも言えます。

個人的には座席の横の小物入れが意外と便利ではないかと思います。現状ではスマホの置き場が意外となく、食事やトイレに行く際に重宝しそうです。

新シートは2019年秋からスタートし、2022年10月までには対象機材において一新される予定です。

シートピッチと座席幅

座席横幅は狭くなる?

プレミアムクラスシートピッチ

プレスリリースでは公表されていませんが、シートピッチと座席幅を想定してみました。

公表されているのは座席数であります。

B772では現行から7席増の28席

B788では現行から16席増! の28席

であります。両機材共に28席であります。

現行のプレミアムクラス現行のシート幅は20インチであり、シート配列は各列同じ並び(座席配列)となっています。新シートにおいても同様であると、座席配列は各機材で2-3-2配列の7席の4列となりそうです。

そうした場合、B772では現状維持、B788では列あたりの座席が一席増えそうです。

B787断面図

B772の室内幅は5.86m、B788の室内幅は5.49mであり、37cmの差があります。緊急時や速やかな乗降等の事を考えると通路幅はあまり狭くすることができないため、37cmの差はシート幅で解消することが考えられます。そうすると7席均等に37cmを負担すると5.29cm(約2インチ)ほど狭くなる可能性もあります。

もちろん、新技術により座る部分以外で幅を抑制するほか、形状の工夫により現状同等の快適性を維持するかもしれません。

もしくは、2-2-2の6席配列の5列編成とし、最前または最後の列は窓側のみ4席設置となれば、現行同等と言えます。

シートピッチは現状維持かそれ以上

プレミアムクラスシートマップ

プレスリリースでは各機材の普通席減少を以下の通り記載しています。

B772  ▲20席

B788     ▲39席

B772の座席は3-4-3であり、1列あたり10席であり、2列分をプレミアムクラスに割り当てと考えられます。普通席のシートピッチは31インチのため、31×2=62インチであり、1列増やすのに現状の50インチではなく、62インチ確保すると言うことは12インチ広くなるとも言えます。単純計算で1列あたり3インチ拡大となります。

普通席1列だと31インチのみとなり、シートピッチが狭くなるため、思い切った結果と言えます。

一方で、B788の普通席は3-3-3配列の1列あたり9席でありますが、プレミアムクラスの後から設置されている普通席は不揃いとなっており、シートの合計は39席となっています。

つまり、普通席の削減からするとB788では、最前方の区画はすべてプレミアムクラスになりそうです。降機の際、普通席の乗客が押し寄せてくることも少なくなるでしょう。

こちらも5列(155インチ)ですが、2列確保(100インチ)となるため、単純に考えると広くなりそうです。

提供する食事等の積載が増える分格納場所も増える可能性もあり、何とも言えませんが、普通席の削減から見るとシートピッチは(50インチ)現状維持かそれ以上の可能性があります。シートピッチは一番気になるスペックのため、この点は重要視したと言えます。

国内主要路線はB772とB788に統一。いずれはB788に収斂

ANA B772

ANAの国内主要路線ではB773、B772、B788、B789、B763で運用されていますが、今回のプレミアムクラス新シートはB772とB788に限定されています。

飛行機の寿命は20-25年くらいであり、2030年までの使用を考えると2005年頃から使用開始したされた機材となります。

B773は1998年から2003年に使用開始、B763(国内線)は1995年から2007年に使用開始されています。2020年前半にほとんどが退役するとみられます。新シートを設置してもすぐに寿命が来てしまうため、設置しないと考えられます。

日本の人口減少を考えるとB773は季節波動を考えても、過剰供給となるとも考えられます。B772も古い機材は多いですが、2020年代の季節波動をカバーするために新シートを導入し、頑張ってもらうと言えます。

しかし、2030年代には過剰供給となり、いずれ日本の空を飛ぶのはB788と単通路の小型機に収斂していくと言えます。

また、機体年齢が若く、国内線では2機運用されているB789は新規路線就航で機体を必要とする国際線に仕様を改造し、移籍するかもしれません。

幹線以外のプレミアムクラスは?

小型機プレミアムクラス

ANAでは小型機にもプレミアムクラスを設置し、新千歳、羽田、名古屋、大阪、福岡、那覇以外の路線でもプレミアムクラスを選択できる機会が多いです。

今回の新プレミアムクラスでは小型機への設置の発表はありませんでした。地方路線は切り捨てなのかと言うとそうではないようです。

既に今回発表と同等のシートスペックのシートを導入しており、シート生地の色が違うくらいであります。今後導入する小型機は色合いも茶色のシートが増えてくるかもしれません。

2020年代のプレミアムクラスは選択する価値はあるのか

プレミアムクラス機内食

前述のように、日本の人口が減少し、高齢化していくと飛行機を利用する需要は減少していくと言えます。一方で、比較的資産を持っている高年齢層が増えると快適な旅を求める人が増加すると考えられます。

そうした中で、プレミアムクラスを利用しようとしても満席であると利用できません。座席の幅がどうなるかは不明でありますが、着席出来て初めてプレミアムクラスであり、座席数が増えるのは利用価値が向上すると言えます。

おまけですが、少子高齢化すると大人比率が上昇するわけでありますが、マイル修行する大人も増えると考えられます。プレミアムポイントを効率的に獲得するために、プレミアムクラスに搭乗しようとする人も増えるとも言えます。7~16席増の一部はお金の取れるマイル修行対策かもしれません。

最後に

新しいプレミアムクラスのシートはシートスペックもさることながら、増席のインパクトが大きく、増席から色々なことが考えられます。

2020年以降のマイル修行においても、国内線は活用できそうであります。LCCが拡大する中で、プレミアム路線を打ち出すのは当然でありますが、サービスを拡充するのはポジティブと言えます。これ以上、高くなってほしくありませんが。 

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