
最近は紙の搭乗券を空港カウンターで貰う事も減りましたが、ルフトハンザの紙のエコノミークラス搭乗券になぜMと印字されているのか考察してみました。
ワールドスタンダードなクラス別の搭乗券での表記
搭乗券での各搭乗クラス(ファースト、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミー)の表記は以下の通りとなっています。これはどこかの機関が定めて、守らないとルール違反で罰せられると言うものではありません。
ファースト F
ビジネス C
エコノミー Y
先述のとおり、厳密なルールはないのですが、ファーストクラスは文字通りFirstの先頭の文字のFからです。飛行機でも一番前に座席があり、文字もFirstの先頭から採用しているので、文字通りファーストな体系であります。
ビジネスクラスについては飛行機に乗る人だとCとすぐに想起されると思います。BusinessのBより格下のCはいかがと思いますが以下のとおりです。
これはかつて世界の空を席巻していたリーディングキャリアのパンナム航空のビジネスクラス相当のクラスがクリッパークラス(Clipper Class)の頭文字から採ったと言われています。まあ、それ以外にも効果はあったと思います。
そして、エコノミー(Economy)は本来であれば、Eでありますが、ファーストのFとEが似ていることから最後の文字のYを採っているとも言われています。
こうしてみると、ファースト、ビジネス、エコノミーの各クラスの先頭文字を見るとF,B,Eと見間違いが出来そうなので、F,C,Yという棲み分けが出来たようです。パンナムのクリッパークラスは偶然の産物だったのかもしれません。
ただ、ヴァージンアトランティックが1992年に導入し、21世紀になって普及してきたプレミアムエコノミーだけは座席数も少ないこともあってか各社で分かれているようです。ANAやルフトハンザはEとしていますが、JALはWとしており、各社好き放題のようです。
ルフトハンザのエコノミーのMはなぜ

ルフトハンザ便に空港カウンターで搭乗手続きを終えた際にいつも気になっていたのが、Mの文字であります。ミッションインポッシブルの制作会社のパラマウントのオープニングばりに*でMが印字されており、とても違和感を感じます。ANAではYの印字があるものの、Mとは何かとなってしまいます。
予約クラスかと思いつつも、ルフトハンザ運航便でMクラスを購入するメリットはANAダイヤモンド修業ではないので絶対になく、欧州周遊のピースとして格安のモノしか購入していないので不思議であります。
まあ、あまり搭乗したことは有りませんですが、ビジネスはCですし、プレミアムエコノミーはEであります。ちょっと不思議であります。
ドイツでYと言うのはなにか歴史的に使いづらい背景があると言うとそうした事もないようです。ドイツ語でのYの発音はユプスィロンであります。スィが国によってはCに聞こえてビジネスと勘違いされやすいためなのでしょうか。個人的には大学ではおフランス語だったので、Yの発音はイグレックだった記憶があります。
単純にエコノミーと言うのがそれ以上のアッパークラスに対して、格下のクラスとなり、国民平等の戦後下で卑屈感を与えないために機内では一番座席数が多い主流派のシートとして「メインキャビン」としたのかもしれません。その頭文字をとって、Mとしているのかもしれません。
敗戦からの復興と言う命題で、日本とも似ているような国民総中流を目指したのかもしれません。日本では飛行機自体がそもそも贅沢なものであり、1980年代初頭でも黒板五郎は元妻の葬儀にようやく工面したお金で汽車と連絡船で来京した時代なので、飛行機と言う存在があまり薄かったのかもしれません。大滝秀治の語りは予定調和にも感じてしまいましたが。まあ、協力では当時のJALでもない、ANAでもない、TDA(東亜国内航空)がいたみたいですが。
その後、バブルが来て飛行機と言うものが国内線でも国際線でも一気に自由になり、海外でも通じるようなプロトコルが至る所で普及した結果でY,C,Fが業界用語のように海外渡航の頻度の高い利用者間で普及して、それがある意味定着したのかもしれません。
ドイツと日本ではその起源は違いますが、第二次世界大戦後からの復興と言う中でのプロセスは関与しているようです。
いみじくも戦勝国のアメリカでもエコノミーとは言わずにメインクラスと言うキャリアもあり、不思議なものです。日本人からするとエコノミーは節約=質素・倹約となりますが、海外ではケチと言う事なので、エコノミーと言う文字は避けているのかもしれません。
電子搭乗券(Walletなど)はどうか

最近はチェックインカウンターに行くことも減り、スマホで搭乗券をかざして通過することが多くなっています。特にルフトハンザではフランクフルトとミュンヘンでは乗り換え時間が短いケースも多く、スマホ搭乗券の機会が増えています。
過去のルフトハンザのスマホ搭乗券ですが、MもYも表示はなく、ECO FLEXと運賃種別が書いているのみであります。FLEXが出るのかと思ってしまいます。
こうして考えると紙の搭乗券のMはあまり関係ないようでもあります。

続いてはANAです。CLASSの表示欄がない代わりに座席番号のところに(C)と記載があり、係員向けに各クラスの選別が出来るようになています。こうしてみるとAppleの規格で統一されているように見えますが、航空会社各社で表示はかなり異なっているような気がします。
以前と比べてデータベースに格納できる情報が多くなり、それを検索したり、表示する機能も格段と増えたため、こうした様に利用者フレンドリーとなっており、紙の搭乗券のシステムとは表現能力が違うのかもしれません。
世界的に見るとあまり意識されていない

以上のように、日本人から見ると搭乗券のクラスがF,C,EorW,Yがスタンダードなように見えますが、各国のキャリアの搭乗券を見るとそれを意識しているところが少ないようでもあります。
シンガポール航空はそもそも搭乗券を印字する紙がエコノミーとビジネスとファーストで分かれていたりしますし、米系キャリアでは記号表示をせずに、First、Premier、Mainなどフルスペルで印字していたりします。
そもそも、ほぼモノクラスのLCCではそうした配慮もないので購入クラスが書いていたりします。
紙の航空券に大きく表示されているF,C,EorW,Yは誰のものなのかと考えると乗客ではなく、地上係員と搭乗時の客室乗務員のものであると考えることができます。
乗客にとって、搭乗券に記載されていて重要な情報は、搭乗時間、搭乗ゲート、座席番号であり、それ以外は関係ないとも言えます。まあ、ビジネスクラスなのにYと印字されていたりするとさすがにクレームとなりますが。
こうして考えると日本に生まれて日系キャリアが定着して、海外に行くにも日系キャリアを利用していると、F,C,EorW,Yが頻繁に渡航する人を中心に業界用語のように定着したのかもしれません。
しかしながら、世界ではそうでもなく、ルフトハンザのMもあまり関係ないところかもしれません。チケットレスが進んでいる現状ではF,C,EorW,Yも知らない世代も増え、バブル時代の業界用語みたくなっているのかもしれません。
最後に
飛行機搭乗にまつわる疑問をまとめてみました。飛行機に乗らないと関心にすらならない事項ですが、気になるところであります。ルフトハンザはドイツ国内ではかなり独特な運営をしており、大量需要を裁く目的でもあると思います。郷に入りては郷に従うスタンスでありますが、その理由を深堀すると面白いかもしれません。ふとした疑問に好奇心を持つのが一番楽しい今日この頃です。
まあ、色々と赴くと色々な好奇心が湧くのはまだまだ生きる意味があると感じているのかもしれません。今日は日曜日、何も予定がなくても外に出てみるのが良いかもしれません。