JR東日本の完乗まで残り260kmあまりですが、今回はスケジュールをうまく繋げて日帰りで群馬と長野にある未乗車区間を攻略してみました。
スタートは高崎から吾妻線
残りの区間は青森、秋田、山形、新潟、神奈川、群馬、そして、長野に存在します。今回は群馬県の吾妻線と長野県の中央本線の支線を制覇することとなります。
この二路線は結構離れてあり、二つの間には大きな山も存在するため、結構遠回りとなりますが、何とか日帰りでルートを考え、実行してみました。
吾妻線は渋川から大前までの営業キロ55.3kmであり、嬬恋村の大前で切れてしまいます。その昔には長野県までの延伸計画はあったものの、それは実現されずに今となっています。
大前まで行くのは季節臨時など除くと1日4往復となり、午前と夕方に集中しています。午前に行った方が朝は早いものの、真っ暗な車窓よりは良いかと思い、東京から8時前の新幹線で接続できる高崎発8:53の普通列車に乗り込みます。
新前橋に停車し、上越線を北上します。
伊香保温泉の玄関口である渋川駅に停車し、いよいよ吾妻線となります。
トンネルを抜けると・・・で有名な宮内まで続く上越線とお別れをし、単線の旅が始まります。岩島駅までは普通に揺れるローカル線な感じもありましたが、そこを過ぎると急に近代的な走りとなり、トンネルに入ります。
そう言えば、小さい時に日本一短い鉄道トンネルがあったと思い出すとそれとは比にならない程のトンネルでした。
トンネルを抜けるとすぐに川原湯温泉駅に停車します。
吾妻線は沿線の八ッ場ダム建設に伴い、岩島駅 - 長野原草津口駅間で水没する場所があるため、10.4kmが新しく建設され、付け替えられています。その区間はトンネルと橋梁が多く、新しくなった川原湯温泉駅の前は公園になっています。
ちなみに日本一短かった鉄道トンネルは水没は免れ、今でもアクセスはできそうです。
新線を走り、長野原草津口駅に到着すると乗客はほぼ降りしてしまいます。草津に行く人が圧倒的に多いようです。
ほとんどの列車の終着駅である万座・鹿沢口駅を過ぎるとあとは終点の大前駅のみとなります。川沿いを進みすぐに到着となります。
ホーム自体は4両の電車が十分泊まれるホームであり、吾妻線の西端の電車止めまでも相当な余裕があります。
同駅の標高は840mと以外に高いため、列車から降りるとヒンヤリしていました。
嬬恋村役場も近いためか新しい橋が整備されています。川では渓流釣りをしている人もいました。
ホームや付近の散策をして21分が過ぎ、折り返しの新前橋行きに乗車します。
嬬恋から軽井沢に草津タッチで
次の目的地は中央本線の塩尻駅となります。吾妻線を折り返して高崎まで戻り、新幹線で行くのも良いのですが、万座・鹿沢口駅と軽井沢間の距離は高崎まで戻るよりも近いため、バスを検討してみました。
万座・鹿沢口駅と軽井沢駅間は西武バスがあるものの、軽井沢方面は二時間以上待つこととなり、近くに温泉でもあればいいのですが、結構温泉までも時間がかかります。
一方で逆方向である草津方面は万座・鹿沢口駅では下車後すぐに接続があります。そして、草津のバスターミナルでは草軽交通の軽井沢駅のバスに10分で接続となります。高崎経由の新幹線よりは安く、景色も良いためこのルートにすることとします。
まずは万座・鹿沢口駅から西武バスで草津を目指します。急行バスのため、長距離用かと思うと埼玉県内を走っている路線バスと同じでした。ただし、ICカードで支払いが可能なため便利ではありました。
駅を出発するとぐんぐん山道を登っていきます。途中には同村では有名なキャベツ畑が見えます。
バスは意外にも早着となり、30分かからずに到着します。草津バスターミナルでは15分の乗り継ぎ待ちと目の前のローソンに行く余裕があるくらいでした。
バスは下車の際に清算できますが、バスターミナル窓口でも乗車券を購入できます。しかし、窓口もバスも現金払いのみとなるので、ある程度現金は必要です。
草軽交通は西武バスとは違い万座・鹿沢口駅は通らず、応桑道(羽根尾駅前)をとおり、軽井沢駅を目指します。
応桑道の後は合宿をイメージさせる自動車教習所前を通り、北軽井沢(群馬県)に停車します。北軽井沢では乗車する人もいました。ここまで約40分となります。
この後は高地を走っている感じとなります。あいにく浅間山は姿を出してくれませんでした。
西武バスが走っている有料道路の鬼押ハイウェーと国道146号線、そして、同バスが進む白糸ハイランドウェイの交差点である峠の茶屋です。
急行なのでもっと幹線をぐいぐい進むと思っていましたが、白糸ハイランドウェイは名前のとおり、白糸の滝や旧三笠ホテルの前を通過していきます。バスなので横からしか見えませんが緑のトンネルの中を抜けていくといった感じで徐行が多いです。
途中には渓流も見えます。写真ではあまり伝わりませんが、新日本街路樹百景に選ばれている三笠通りも通過していきます。ショートカットの旅のつもりが観光をしています。
旧軽井沢に入ると乗り降りが多くなり、予定時間よりも遅れ、結局10分遅れで軽井沢駅に到着となりました。
間髪入れず、新幹線と特急に乗車
バスが遅れて冷や冷やするものの、予定していた長野まで各駅停車のあさま号に乗車となります。
ちなみに大前から新前橋まで列車で戻り、新前橋と高崎で乗り換えても同じ新幹線に乗車でした。キャベツ畑や三笠通りなど高地でないと見れない景色が見れたので良しとします。
途中千曲川を渡ります。奥には赤い橋の中津橋が見えます。
約30分で長野駅に到着し、長野駅での乗り換え時間は11分とタイトとなります。ここからは特急しなの号であり、塩尻駅まで一気にアクセスします。
篠ノ井駅を出発すると日本の車窓からとでも言えるような見事な景色が見えます。景色とカーブ通過を楽しんでいると塩尻駅に到着となります。ちょうど1時間の旅でした。
塩尻駅でやっと休憩
塩尻駅からは本日二つ目の乗りつぶしの辰野支線のスタートでありますが、辰野支線の発車までは1時間15分程あります。振り返ると本日は大前駅以外は10分程度の乗り継ぎであり、何も食べていないため、休憩とします。
塩尻駅一階にある「ほっとしてざわ」をパトロールしてみます。外から見るとそば屋か喫茶店と言った感じですが、メニューを見るとアルコールから一品料理まで豊富であります。
時間は15時を過ぎており、お酒とつまみを頼んでみます。茎わさびに茄子、トマトに馬刺しと好物ばかりであります。座敷席の窓側はホームが見え、E353系や383系が見えたりします。
最後はそばで〆ます。この日は後は食べなくてもいいくらいでした。 思わぬスポットに大満足でした。
辰野支線
辰野支線のスタートは辰野行きとなります。二両編成のJR東日本の車両となります。
車内にはトイレもついており、ロングシートの向かい合わせてとロングシートと2列のクロスシート向かい合わせと言う、関東ではあまり見られないシート配列です。
中央分水嶺である善知鳥峠の下を通る善知鳥トンネルを通過します。南側の雨は天竜川で太平洋、北側の雨は犀川、そして信濃川で日本海と思うとちっょと感動です。
そんなこんなしていると辰野駅に到着します。
辰野駅は東日本と東海の境界駅でもありますが、岡谷行きの列車は飯田線からの直通のJR東海の車両です。電車でも気動車でも同じ顔をしている東海の没個性です。
山間から一気に下っていくような感覚で岡谷に進みます。分水嶺というのも納得できるような景色であります。
岡谷駅に到着し、中央支線(辰野支線)も完乗となります。その距離は27.7kmと駅が少ない割に長い路線でありました。東京と浦和くらいであります。
駅構内には模擬御柱が飾られています。
これで本日の任務終了なので約40分後に出発する新宿行きのあすざに乗車すればよいのですが、本日乗り継ぎばかりであり、温泉地をスルーするという顛末でしたので、最後は温泉で休むこととします。
岡谷から近い上諏訪まで向かい温泉に漬かって帰ることとします。
上諏訪で温泉を堪能
乗り継ぎ時間も良い普通列車で諏訪湖沿いを走り抜け、上諏訪駅には10分で到着。
駅構内での足湯では満足できそうにないので、改札を出ます。日帰りで温泉に行くとなれば国の重要文化財でもある片倉館なのですが、本日お休みという事で景色が良く、サウナ付きの温泉が楽しめるホテルに日帰り入浴します。
徒歩で10分程度あり、行きはちょっと汗ばむくらいです。14階に温泉はあり、諏訪湖の景色を楽しむことができます。泉質は単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)でありますが、体のコリはバッチリ取れました。
サウナに入っているとあっという間に1時間が経過します。スカイラウンジに佇む間もなく、駅に向かうこととします。
黄昏の諏訪湖の景色は束の間の日帰り旅行の最後の絶景でした。嬬恋や軽井沢、姨捨と車窓ではあるものの景色を楽しみ、締めくくりは諏訪湖とタイトなスケジュールでしたが、贅沢でもありました。
最後はあずさで一気に新宿に
最後の列車は新宿まで一直線のあずさであります。ホテルから駅までも徒歩でしたが、アフターサウナなので涼しいくらいで気持ち良さフルでした。
19:01発のあずさ54号は停車駅が少なく、始発の松本を出ると今回乗車した上諏訪駅、茅野駅、甲府駅、八王子、立川、終点新宿と最速達までは行かないものの、所要時間2時間26分とかつてのスーパーあずさを名乗れる列車であります。
小淵沢を通過し、甲府に停車します。舞鶴城公園も一瞬見えます。
大月を通過します。停車している列車が東京圏内の気配がしてきます。
八王子停車後に最後の停車駅の立川に停車します。立川はその昔、特急があまり停車しないイメージがありましたが今はほとんど停車しており、都心にIKEAがなかった時代には歩き疲れて利用したことが良くありました。
立川と言えば小倉と松戸に次ぐKEIRINシティであり、小倉は新幹線全停車、松戸は停車無しであり、特急停車と関係あるかわかりませんが、中間的な存在です。
夜9時過ぎに新宿駅到着となります。向かいには東京行きの快速が停車しており、階段を上下せずに移動できるのは便利であります。東京駅や上野駅ではこうはいかないところであります。
最後に
今回は吾妻線と中央支線の辰野線の完乗となりました。両線ともに近代日本における政治家に翻弄された路線かもしれません。
辰野線は明治時代に当地の政治家が辰野経由で中央線を誘致したことが有名であり、今太閤までつながる我田引鉄と揶揄される一方で中央線を早期に実現したとも言えます。
吾妻線は前述のとおり、八ッ場ダム建設で大きく揺れた路線でもあり、建設やめる、やめないで揺れた路線でもあります。結果的に最近になって移管した駅などもあります。
そんなことを朝から晩まで10分程度の乗り継ぎしながら考えられたのもある意味いい経験でした。
残りは約183kmとなりました。
今回のスケジュール
東京 7:48 高崎 8:37 ※新幹線とき
高崎 8:53 大前 10:41
大前 11:02 万座・鹿沢口11:05
万座・鹿沢口11:10 草津BT 11:40※西武バス
草津BT 11:50 軽井沢 13:06※草軽交通バス
軽井沢 13:22 長野 13:52※新幹線あさま
長野 14:03 塩尻 15:03※特急しなの
塩尻 16:19 辰野 16:39
辰野 16:48 岡谷 16:59
岡谷 17:10 上諏訪 17:21
上諏訪 19:01 新宿 21:06 ※特急あずさ
進捗
営業キロ | 乗車キロ | 未乗キロ | 乗車率 |
---|---|---|---|
7191.1 | 7008.2 | 182.9 | 97.46% |