
資本構成の大転換により、「ジェットスター・ジャパン」という名前が近い将来姿を消すことになります。カンタスの撤退とJAL主導体制への移行は、単なる株主変更にとどまらず、ブランドそのものの再設計を迫る大きな節目です。では、新しい航空会社はどんな名前を名乗るのでしょうか。今回は、改名に至った背景を整理しつつ、航空会社の“空の呼び名”であるコールサインや機体カラーに注目しながら、次なるブランド像を考察してみます。
ジェットスタージャパンの改名契機
ジェットスタージャパンの改名契機の最大の要因は、最大の要因は、資本構成の大きな変化です。これまで同社はJALとカンタスグループの合弁でしたが、カンタス側が全株式を譲渡して経営から完全に撤退します。代わって日本政策投資銀行(DBJ)が参画し、JAL主導の「日本資本」による経営体制へと移行します。
「ジェットスター」はカンタス航空の登録商標であり、資本関係が切れる以上、その名称を使い続けることはできません。ライセンス料の支払いというコストを削減し、JALグループとしての自由な戦略を描くため、2026年10月の新名称発表、2027年6月の移行完了という移行期間に入っています。
世界のコールサインが教える「ブランドの誇り」
✈️コールサイン(呼出符号)とは
放送局、無線局、航空機、船舶などが、通信時に相手を識別するため、あるいは自身を特定するために割り当てられる固有の英数字の符号です。国際的なルールで定められており、日本では「JOAK」(NHK東京ラジオ)など、最初の1、2文字が国籍を示すプレフィックスで始まるのが一般的です。
目に見えない電波を扱う事業者が自らの固有名称を特定して、やり取りするためのものであり、航空会社に限らず放送局もテレビを見る限りではわかりませんが、あるようです。フジテレビが「CX」と呼ばれるのは、このコールサインが由来のようです。
このように航空会社には、社名とは別に無線で名乗る「コールサイン」が存在します。この「空の呼び名」には、その会社の思想が色濃く反映されます。
✈️ ちょっと気になる、日本のコールサイン事情
身近な日本の航空会社では日本航空は「JAPAN AIR」、ANAは「ALL NIPPON」。LCCでは、ピーチは「PEACH AIR」、スプリング・ジャパンは「SPRING JAPAN」と分かりやすい中、異彩を放つのがZIPAIR Tokyoの「ZIPPY」。
「♪車にポピー、ポピー、ポピー・・・」ならぬ「♪飛行機に、ZIPPY、ZIPPY、ZIPPY・・・」と、空を軽快に駆けていくイメージなのかもしれませんね。実際は違うでしょうが。
井の中の蛙で、国内例に偏りましたが、海外ではクールなコールサインもあります。代表格としては、 ブリティッシュ・エアウェイズの「スピードバード」や、エアリンガスの「シャムロック」であり、これらは歴史や国花を象徴する格調高い名前です。ただ、世界的に見ると空港会社名に近いコールサインが主流であり、基本的には航空会社名に近いコールサインが多いようです。
そんな中で、ジェットスター・ジャパンは2レターコードがGKであり、3レターコードはJJP、そしてコールサインはORANGE LINER(オレンジライナー)です。
ジェットスターはコーポレートカラーのオレンジ色であり、すべてオレンジ色にするとスペースシャトルの燃料タンクに思われるかどうかは別にして、ペンキ代がかかるのか不明ですが、一時のF1のようなシルバー塗装と組み合わせています。
コールサインもいみじくもオレンジであり、この辺りが改名のヒントになるかもしれません。
ジェットスタージャパンの改名案
以上のようにジェットスタージャパンは日本航空が筆頭株主となり、カンタスが持っていた持ち分を日本政策投資銀行が保有し、半沢直樹に出てきそうな東京センチュリーが保有するほぼオールジャパンの航空会社となります。JALは50%保有なので連結子会社となります。
ZIP化?
そうなると、JALとしてはスプリングジャパンもあり、ZIPAIRもあり、さらにジェットスタージャパンとして認知度を上げてきたところもあり、どうするのか悩ましいところでしょう。
一つは、グループ内で再編を進めて、シナジーを生む案であります。簡単に言うとスプリングジャパンやZIPAIRと統合するパターンがあります。ANAではピーチという優秀な長女娘がおり、一方でエアアジアジャパン、バニラエア、エアージャパンと改名しつつも、なかなかであった次女と経営統合に至った経緯もあります。エアージャパンは檜舞台と言うよりは随分前から黒子ではありましたが。
そうしたことを考えると、国際線では勢いがあるZIPAIRの日本版として、スプリングも巻き込んでZIP JPみたくすることもあり得そうです。
オレンジを生かして、ももとみかんの対立構造を演出?
一方で、先述のとおり、コールサインはオレンジライナーであります。オレンジカラーはそれほど、搭乗したことない人にもオレンジ色の飛行機がいると言う認知はあるでしょう。
そういう意味ではそのまま、コールサインそのまんまのオレンジライナーやオレンジエアーと言うもあるでしょう。幸いにもオレンジと言うかみかんの産地である愛媛に就航しており、四国に強いと言うイメージになりえるでしょう。親会社のJALは和歌山にも就航しているので、オレンジと言うのは有りかもしれません。
ちなみに、ピーチは山形・山梨・福島が名産ですが、桃の産地とは縁遠いところでもあります。
オレンジカラーを訴求すれば、そういう意味ではペイント費用も掛からず、新ブランドへの名称の認知が進むでしょう。
個人的にはオレンジエアーとすると、123便のボイスレコーダーを想起してしまいます。実際にオレンジエアーと言っていたかは神のみぞ知る領域ですが、少し複雑です。
オレンジそのまんまや、オレンジエクスプレスなどはあり得るかもしれません。
オレンジと言えば、JR東海やauでもあり、そこそこ強い企業のイメージもあり、良いのではないでしょうか。
そして、オレンジと桃というフルーツ抗争が勃発することは挑戦者である日本航空側にとってはいい宣伝の場となるかもしれません。うまく行けば、ANAのように地方路線を旧ジェットスターとシェアすることも可能となり、経営強化となるかもしれません。
まあ、今は新幹線も高速バスもある時代なので、どう行ったフォーメーションにするかは難しいかもしれませんが。
まあ、資本の移動と言うのは、下り坂もありますが、下り坂の勢いから上り坂を乗り越えてしまう事もあるので、日本の航空会社として、国内線が主体としても、アジアでは幅を利かすエアラインに成就して欲しいところです。
最後に

鶴は千年、亀は万年、桃栗三年、柿八年といつも年数が絡みます。みかんは10年かかるそうです。個人的には、ピーチとの対抗で分かりやすいフルーツ対決として、オレンジ推しですが、オレンジエアは先述のとおりであり、肥薩おれんじ鉄道もあり、どうなのでしょうか。
ジェットスターと言うのは耳的には、結構印象に残ります。YouTubeのCMでジェットスターと聞くと結構なインパクトもあり、空港で、お客様のお呼び出しをします、と言う際もジェットスターと音が耳に強く残ります。
そういう意味では、インパクトかつ、対抗軸メッセージは必要かもしれません。オレンジ色は早しの中の空港でも映えそうですし、常夏の島でも太陽をイメージして良いかもしれません。